なかでも人気のジャケットとパンツを山岳ガイドの佐藤勇介氏がインプレッション。
海の見える低山ハイキングでわかったトレントシェル3Lの着心地や機能性とは!
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「山へ入ったら、レインウェアは最後の砦」
「レインウェアって、悪天時に身を守る最後の砦なんです。だから、レインウェア選びは慎重に行いたいですね」と語るのは、山岳ガイドの佐藤勇介さん。
「まず重要なのは防水性。濡れは体温を奪うため危険です。防水性のしっかりしたものを選ぶ必要があります。同じく、汗をかきすぎてウェア内が濡れてしまうのもよくないので、透湿性も必須です。また、山では、気温が低くなったり、強い風が吹き荒れたりすることも。そんなときのため、防寒性や防風性も重視します」
さらに、ストレスのない着心地もレインウェアには大切だという。ひとたび雨が降れば、長時間着続けることも珍しくないレインウェア。体の動きに追従しない、自身の体にフィットしない、あるいはパーツや構造に不具合があると、心的、肉体的ストレスになってしまうのだ。
加えて、佐藤さんは、山岳ガイドならではのレインウェア選びの要素として、耐久性を挙げる。「ガイドは頻繁に山へ入りますから、すぐにヘタったり、破れたりするものはNGです。山岳ガイドにとっては高耐久であることも重要な要素です」
一般ユーザーのレインウェア選びにおいても同様のことが言えるという。
「山岳ガイドであろうと、一般ユーザーであろうと、程度の差はあれど、最後の砦たるレインウェアに求めるものは変わりません。防水透湿性、防寒性、防風性、着心地のよさは欠かせませんし、耐久性に関しても、各人の登山スタイルや使用頻度に応じた性能が求められます」
「新トレントシェルはサラっとした着心地で汎用性が高い」
パタゴニアの新しいトレントシェル3Lは、レインウェアに必要な要素を高い次元でバランスよく取り入れたモデルだと佐藤さんは分析する。
「優れた防水透湿性能を誇る生地を採用しているので信頼性があります。また、生地が2.5層から3層になり、肌触りが滑らかな裏地が加わったことで、サラっとして、着心地がよくなりました。少し汗ばんでもベタベタしないですし、防風、防寒、耐久性の面もアップしていると思います。
シルエットは、わりとゆったりめ。クライミング用などに特化したアウターだと、とてもタイトで中に着込めないことがありますが、トレントシェルは、ゆとりがあるので、残雪期や晩秋の登山、冬場の低山ハイキングなどで中に着込んだ状態でも着用できる。シーズンを問わず使える汎用性の高いモデルですね」
「フードを含め、細部まで作り込まれている」
シンプルに見えるトレントシェル3Lだが、細部まで作り込まれている点も見逃せないという。
「ポケットの数は最小限で、一見、シンプルに見えますが、レインウェアとしての機能は作り込まれています。例えばフードです。フードのフィット感が悪いと、雨風が侵入し、また、視界が悪くなり危険です。特に高所では滑落の危険が増します。トレントシェル3Lのフードはしっかり調節ができるので顔にフィットします。また、フォームの入ったツバが庇(ひさし)となり、クリアな視界が確保できるようになっています。さらに、最近ではヘルメットを被る機会も多いですから、ヘルメットを被っていてもフード生地が突っ張らず、顔を左右上下に振れるかをチェックするのもポイントです。メーカーはヘルメット対応とはしていませんが、ヘルメットの大きさや形状によっては、このジャケットのフードでも着用可能でしょう。
細かいことですが、鼻下まで覆う襟も秀逸ですね。顎までのものに比べれば2〜3cm長いだけですが、防風、防寒性に格段の差が生じます。裾にはドローコードがあり、腰回りからの寒気をシャットアウト。脇下には大きく換気できるピットジップも備えています。
パンツは、膝上まで開くサイドファスナー付きで、登山靴を履いたままでも着脱が容易です。ダブルスライダーになっているので、上側からファスナーを下げればベンチレーターとしても使えます。裾部分はスナップボタンで2段階の調整ができる仕様。紐のものよりも素早く調整でき、また、枝などに引っ掛かる危険がないというメリットがあります。よくできているなと思います」
「初心者だからこそ、いいものを」
トレントシェル3Lの使用シーンについて佐藤さんは次のように話す。
「トレントシェル3Lは、デザイン的にも優れていて、街に馴染みます。機能的には登山で使えるしっかりしたものですから、タウンユースでもまったく問題なし。雨の日の自転車でのお買い物や犬の散歩などが、より快適になるでしょう。コーディネートしやすいので、普段着のアウターやウィンドブレーカーとして使ってもいいと思います。価格がリーズナブルなのもうれしいですね」
仲間内でもトレントシェルシリーズの愛用者がいるという佐藤さん。
「登山ガイドや仲間でも使っている人がいます。それだけいいものってことなのでしょう。レインウェアは登山初心者だろうと、熟達者であろうと、信頼のおけるものを使うべきです。むしろ初心者だからこそ、いいものを使いたい。そういった意味で、トレントシェル3Lは、おすすめできるレインウェアのひとつです」
着心地がアップ
長期間キープ
また、フェアトレードで社会や環境保護に貢献