全国的な動きと同様、丹沢エリアでも登山者の遭難事故が増えつつあります。
ここでは、登山者のみなさんに、丹沢・大山のエリアを事故なく楽しんでいただけるよう、登山をプランニングするための情報を提供しています。沢登りも盛んな丹沢・大山エリアにぜひ登りに来てください。
企画・制作=広域行政連絡会(厚木市、秦野市、伊勢原市、愛川町、清川村)、山と溪谷社
写真=ニノ塔手前の展望地から大山(Macoco/PIXTA)
※本サイトに掲載されている情報は、平成30年10月現在の情報です
丹沢・大山エリアのコースと山を紹介します。
マップにはそれぞれの山へのコースおよびコースタイムが記載しています。行きたい山、ご自身に合ったコースをぜひ見つけてみてください。
カーソルを乗せてください
左側の丹沢・大山地域の縮小地図の上にカーソルを乗せると、カーソルを合わせた箇所の拡大図が表示されます。縮小地図の上でカーソルを動かすと、拡大図の位置も移動します。また、マウスホイールで拡大・縮小もできます。
マップをPDFとしてダウンロードし閲覧することもできます。
以下の「全体マップを開く」からファイルをダウンロードしてください。
中級
日本百名山のピークとして人気を集める。丹沢山塊の山でも比較的奥まった位置にあり、大倉から塔ノ岳経由、塩水橋から、宮ヶ瀬湖から丹沢三峰経由など、さまざまなルートから登れる。
中・上級
丹沢で一番人気の山。大倉尾根や表尾根からたくさんの登山者が登ってくる。開けた広い山頂からは、富士山はもちろん、相模湾に浮かぶ伊豆大島や横浜の高層ビル群まで見える。
初級
均整のとれた三角形が東京からもはっきりわかる、東丹沢を代表する名山。大山講で知られる信仰の山でもある。大山ケーブルを利用すれば比較的容易に登ることができる。
初・中級
表尾根の山でいちばん大きなピーク。ヤビツ峠から登るのが一般的だが、大倉から三ノ塔尾根を登るルートもある。山頂は広く、表尾根から塔ノ岳へ延びる表尾根の展望が圧巻。
上級
歩きにくい桟道や鎖場が多く、上級者向きの山。大山や辺室山との縦走がおすすめ。丹沢山の北東の「丹沢三峰」と区別するため、「大山三峰」とも呼ばれる。
初・中級
丹沢山塊東端の山で、標高は高くないが展望のよい山として知られる。山頂に高さ13mの展望台があり、関東平野から宮ヶ瀬湖まで見渡せる。高取山や経ヶ岳とつないで縦走すると充実する。
初級
浅間山の別称をもつ信仰の山で、登山道沿いには丁目石や石像、石仏が並ぶ。帰路に広沢寺温泉や七沢温泉に入浴するプランがおすすめ。
東丹沢エリアの南側山麓を東西に走るのが小田急小田原線。本厚木駅、伊勢原駅、秦野駅、渋沢駅から登山口に向けてバスが運行されています。
一方、北側エリアへのアクセスの拠点となるのが、JR横浜線・相模線、京王相模原線の橋本駅。橋本駅から半原、鳥屋、焼山登山口へとバス路線が延びています。
各登山口へ、駅からの主なバス路線と運賃、所用時間についてご案内いたします。時刻表につきましては「バス時刻表を開く」ボタンからPDFファイルにてご確認お願いいたします。
※山小屋、宿泊施設の営業期間・宿泊料金などの営業内容は変更になることがあります。利用にあたっては事前に各山小屋、宿泊施設へご確認ください。
※登山道のトイレの管理経費の一部は使用者のチップで賄っています。使用する際は、必ずチップをお入れください。
全国の傾向と同様、最近は丹沢でも中高齢者の遭難事故が増加しています。2017年秋、丹沢湖畔に車を残して70代単独男性が行方不明に。登山計画書が提出されていなかったため、どのルートを登ったかわからず、警察、所属会によって広範囲の捜索が続けられました。
18年春には、大山と三峰山の間から派生する梅ノ木尾根南側の屏風沢で、60代単独男性の遺体が、捜索していた警察により発見されました。やはり計画書が未提出だったため捜索は広範囲にわたりました。梅ノ木尾根は矢草ノ頭(893m)から下り出して間もなく、一本北側の尾根にトラバースしなければならないのですが、おそらくそのまま屏風沢に落ち込む尾根を真っすぐ下っていってしまったものと思われます。
最近は登山詳細図をご覧になって、バリエーションルートに足を踏み入れる登山者が多くなりました。しかし、足元が不安定な急斜面や両側が切り立った痩せ尾根を、安定して通過できる身体能力が減退・欠如していれば、滑落・転落のリスクは非常に高くなります。登山をされるならば、以下の点を再度点検、実行してください。
[ 秦野警察署 ]
電話:0463-83-0110
住所:〒257-0056 秦野市新町5-5
[ 伊勢原警察署 ]
電話:0463-94-0110
住所:〒259-1142 伊勢原市田中819
[ 厚木警察署 ]
電話:046-223-0110
住所:〒243-0004 厚木市水引2-3-1
「Compass(コンパス)」は一部の都道府県で義務付けされた登山届を、オンラインで提出できるサービス。
提出した登山届は各都道府県の所轄の機関(警察、県庁など)に共有されます。
登山計画を立て、登山届を提出することは、登山者の安全な登山への第一歩。万が一の際にそれを元に捜索活動が行われます。
丹沢・大山エリアでも「Compass」での登山届を受け付けています。
Compass
スマートフォンサイト
登山届・下山届が簡単
名称 | 日帰り | 泊り |
---|---|---|
行動用具 | ||
登山靴 | ◎ | ◎ |
トレッキングポール | ○ | ○ |
トレッキングポールケース | ○ | ○ |
軽アイゼン | △ | △ |
スパッツ・ゲイター | △ | △ |
収納用具 | ||
ザック | ◎ | ◎ |
サブザック | △ | △ |
防水スタッフバッグ | ○ | ○ |
スタッフバッグ | ○ | ○ |
雨具 | ||
レインウェア | ◎ | ◎ |
折りたたみ傘 | ○ | ○ |
レインスパッツ | ○ | ○ |
ザックカバー | ○ | ○ |
レイングローブ | ○ | ○ |
衣類 | ||
アンダーウェア(ベースレイヤー) | ◎ | ◎ |
Tシャツ・長袖Tシャツ | ◎ | ◎ |
シェルジャケット | △ | △ |
中間着(ミッドレイヤー) | ◎ | ◎ |
防寒着 | △ | ◎ |
パンツ | ◎ | ◎ |
靴下 | ◎ | ◎ |
帽子 | ◎ | ◎ |
手袋 | ◎ | ◎ |
着替え | ○ | ◎ |
名称 | 日帰り | 泊り |
---|---|---|
小物・食料 | ||
ヘッドライト | ◎ | ◎ |
予備電池 | ◎ | ◎ |
地図(地形図・ルート図) | ◎ | ◎ |
コンパス | ◎ | ◎ |
腕時計 | ◎ | ◎ |
メモ帳・筆記用具 | ○ | ○ |
洗面用具 | × | ○ |
日焼け止め | ○ | ○ |
サングラス | △ | △ |
ナイフ | ○ | ○ |
コンロ・ボンベ | △ | △ |
クッカー(コッヘル) | △ | △ |
ライター | ○ | ○ |
ロールペーパー | ◎ | ◎ |
タオル | ◎ | ◎ |
飲料水 | ◎ | ◎ |
行動食 | ◎ | ◎ |
保温ボトル | △ | △ |
健康保険証 | ◎ | ◎ |
登山計画書 | ◎ | ◎ |
緊急用具 | ||
ファーストエイド・医療品類 | ◎ | ◎ |
テーピングテープ | ○ | ○ |
熊鈴 | ○ | ○ |
熊除けスプレー | △ | △ |
ホイッスル | ○ | ○ |
虫除けスプレー | ○ | ○ |
ツェルト | △ | ○ |
非常食 | ◎ | ◎ |
その他 | ||
携帯電話 | ◎ | ◎ |
カメラ | ○ | ○ |
ラジオ | △ | △ |
GPS機器 | ○ | ○ |
テント、シュラフ、シュラフカバー、テントマット、マット | × | △ |
◎=必ず必要 ○=あれば便利 △=シチュエーションにより必要な場合あり ×=不要
装備リストを開く(609KB)「丹沢」は、「棚(=滝)沢」が転じたといわれるくらい、沢に滝が多いことで知られる。
谷川岳・一ノ倉沢などでの岩登りが全盛だった1950~70年代、丹沢の沢は首都圏に近くて交通の便もよいことから、岩登りをめざすクライマーたちのトレーニングの場として利用されていた。
昨今、丹沢の沢は、岩登りのトレーニングというよりも、滝登りの楽しさや、水の流れに沿って登る爽快感が味わえる、独立した遊びとして楽しまれている。なお、丹沢全体では遡行可能な沢登りルートが200本以上あるという。
沢登りは、滝の登攀中や高巻き中の転落・滑落、落石、ルートミスによる道迷い、沢が終了したあと、尾根に抜けるまでの急斜面での転落など、一般的な登山より客観的危険性が高く、事故も多発している。
遭難を起こさないために、まずは必ず経験者に同行してもらい、やさしい沢から始めて、少しずつ経験を積んでいこう。
また、専用の装備も必要だ。沢登りシューズをはじめ、ヘルメット、ハーネス、クライミングロープ、カラビナ、ビレイデバイス、スリングなどの器具が必須となる。
なおグレードは、1級が初心者・初級者向けで、2級以上は中級者向け。当然、確かな技術をもった経験者同行が大前提だ。各コースの詳細は、『丹沢の谷 200ルート』(後藤真一著、山と溪谷社刊)をご覧いただきたい。
沢登り入門ルートとして抜群の人気を誇り、夏の休日には初心者連れパーティや講習会など100人以上が入渓する日もあるほど。
積極的にロープで確保することで、初心者も次々に現われる小滝を連続して登ることができ、滝登りでは気持ちよいシャワークライミングができて清涼感たっぷり。下半部で時間がかかった場合、中間部の表丹沢林道で打ち切ることもできる。グレード=1級
大倉尾根と表尾根、三ノ塔尾根に囲まれた水無川流域は、入渓者が多い沢登りルートが10本以上集中する人気エリア。特徴は滝が多いことで、クライミング能力が問われる。
本流の水無川本谷は、直登できるが高度感のある滝が連続する。F8大滝(2段25m)は直登不可で、右から巻く。グレード=1級上
名称 | 特徴 | グレード |
---|---|---|
勘七ノ沢 | 表丹沢で3本の指に入る人気ルート。最後は大倉尾根の花立山荘付近に抜ける。 | 1級上 |
モミソ沢 | 流程が短く、水も早々に涸れるため、岩登りに近い感覚のルート。核心は12mの大滝。 | 1級上 |
源次郎沢右俣 | 流程は短いが、10m級の滝がいくつもあり、初級者だけでは危険。経験者にリードしてもらおう。 | 1級上 |
セドノ沢左俣 | 水無川本谷や源次郎沢の次のステップとしておすすめ。Ⅲ級程度の滝が数多く現われる。 | 2級下 |
大山川 | 出合の二重滝以降は乾いた棚登りとなる。トイ状やチョックストンなどいろんな岩が登場する。 | 2級下 |
鳥屋待沢右俣 | 三峰山に突き上げる沢。後半部が急で、滝が連続し、頻繁にロープが必要となる。 | 2級 |
キュウハ沢 | 丹沢山の東面に流れ出る沢。ゴルジュ帯連瀑やキュウハ沢大滝など楽しめる沢。 | 2級 |
本間沢 | 早戸川水系を代表する初級向けの沢で、沢登りの楽しさを凝縮したような沢。 | 1級上 |
円山木沢 | 手強くもおもしろい沢。25m大滝やゴルジュ内連瀑など、息つく間もなく現われる。 | 2級 |
原小屋沢 | 雷滝、ガータゴヤの滝など水量豊かな滝を越えたら、平坦な姫次の源流部へ。 | 1級上 |