2019年(令和元年)12月1日から
山梨県内の富士山、八ヶ岳、
南アルプスの一部の山域で
登山計画書の提出が「義務化」
されます!
2017年(平成29年)10月から「山梨県登山の安全の確保に関する条例」が施行。
2019年(令和元年)から、富士山、八ヶ岳、南アルプスの一部の山域で
登山計画書の提出が「義務化」されます。

3つのエリアの冬の登山者に対し、計画書の提出が「義務化」されることについて、山梨県観光部 観光資源課の増子剛史さんにお話を伺いました。

2017年(平成29年)に「山梨県登山の安全の確保に関する条例」が制定・公布されました。

これは、県としては、登山者に安全に登山ができる環境づくりと登山者に安全登山を啓発する責務を負い、登山者の方々には、自らの責務として、登山は危険を伴う活動であることを認識し、十分な準備と適切な計画のうえで登山をするよう心がけてもらう、ということを目的としています。

今回、冬の期間の3つの山域で、登山計画書の提出を「義務化」するのも、この目的のためです。冬山は、夏山よりさらにリスクが高まりますので、山岳遭難を起こさないためにも、準備、計画を怠らず、安全に登山を楽しめるよう心がけてください。また、登山計画書の提出は安全を保障するものではありません。万が一の際に、少しでも高い確率で早く救助活動ができるよう、登山計画書の提出をお願いします。

 
県警直轄で山岳遭難救助隊を組織し、定期的に救助訓練を行っている

登山計画書の提出が「義務化」の山域
(12月1日から翌年3月31日までの期間限定)

・富士山 3000m以上
・八ヶ岳 赤岳、権現岳、編笠山
・南アルプス 白根三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、鳳凰山、鋸岳 など

登山計画書の提出が「努力義務」の山域
(通年)

・富士山 概ね六合目以上(一部登山道を除く)
・八ヶ岳 赤岳、権現岳、編笠山
・南アルプス 白根三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)、甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳、鳳凰山、鋸岳 など

対象地域概念図

よくある質問

Q 努力義務と義務はどう違うのですか?

A 努力義務は、「登山計画書を提出するように努めてください」という意味です。期間は設定しておらず、指定する山域を登山する際は年間通して提出をお願いしています。義務は、「必ず登山計画書を提出してください」という意味です。期間は12月から翌年3月までの厳冬期に限ります。厳冬期登山は「より危険な場所に行く」ことなどを認識していただくため、義務という強い言葉で提出をお願いしています。条例の対象となる範囲の詳細は、下記参考サイト「山梨の登山・山岳情報ポータル」をご覧ください。

Q 県境にまたがる山の場合は?

A 条例上は、隣接する県、自治体に提出していただければ問題ありません。例えば八ヶ岳の赤岳の場合は美濃戸口から、仙丈ヶ岳の場合は戸台口から登るケースが多いでしょう。この場合は、長野県に提出しても良い、ということです。ただし、メール、FAXなど事前に行う提出ではなく、登山直前に登山口のポストに提出するような場合ですと、遭難事故の際に計画書の情報を把握するまで時間がかかりますので、特に県境の山に登る場合にはどちらの自治体にも事前に提出いただくのが良いと思います。インターネットでの計画書提出システム「Compass」であれば、一つの計画書を複数の県で参照できるので便利です。

山小屋で働き、救助、ガイドの最前線にいる専門家から




山梨県北杜警察署山岳救助隊長、
八ヶ岳青年小屋、権現小屋 ご主人
竹内敬一さん
 

山梨県では、県警直轄の山梨県警察山岳遭難救助隊を作り、定期的に山岳救助訓練を行っています。昨今は、冬山でも「なぜこんなところで? 」という遭難が見られます。ひとえに登山者の無知、過信、経験不足から来るものが多いです。

冬山の前に、天気が悪い日の登山を経験する、天気図や地形から天気の変化や風の強さを想像してみる、そういう実体験やシミュレーションを重ねることが大切です。

登山計画は家族、友人にも伝えてほしいです。一人暮らしで単独行をするような人には「Compass」なら提出しやすいはず。必ず提出して登るようにしてください。

今冬、八ヶ岳では、観音平、天女山の登山口に、お正月休み、2月、3月の連休を中心に、県の職員、警察、山岳会など数人ずつが指導に立つ予定です。




登山家、山岳ガイド、
甲斐駒ヶ岳・七丈小屋 管理人
花谷泰広さん
 

この3年で、冬の黒戸尾根では3人が亡くなっています。夏山と同じで、事故が起こるのは下りか、トラバース。登りながら「ここ下れるだろうか?」と確認しながら登ってほしいです。

経験ない方の多くは、冬山で何が起こるのか、想像できません。独学でやっている人も多いですが、命の大切さを考えたら、経験者や専門家に習うこと、山岳ガイドや山岳団体等が主催する雪山講習会などに参加することを考えてみてください。雪山の経験を積んだ人でも、南アルプスエリアは山のスケールが大きく、積雪量も多いため、雪山初級者が立ち入ることは大きな危険が伴います。

また、計画書を出すことだけでは遭難事故を減らすことにはなりません。いざという時、すぐに捜索できるよう、計画書を家族や友人に共有し、「○時までに下山連絡がなかったら捜索する」ということまで決めておきましょう。

登山計画書の提出先

参考サイト

山梨県観光部観光資源課

〒400-8501 山梨県甲府市丸の内一丁目6-1
TEL 055-223-1576
メール kankou-sgn@pref.yamanashi.lg.jp