ヤマケイオンライン登山白書特別編 山とケータイアンケート調査
イラスト=飯山和哉
山でつながると、絆が深まる。登山者から集まった、山とケータイ「ほっこりエピソード」
その1 山の今を、父母に。

山に登ると、いつも山頂から写真付きで両親にメールしています。「無事登ったよ」という報告なのですが、両親にとってはそれ以上の思いがあるようです。

両親ともに山好き。でも、いまはふたりとも70歳を過ぎ、年齢的にもう高い山には登れなくなっています。わたしが送った山の写真を見て、自分たちの山行の思い出話に花が咲いているそうです。もちろん、たまに両親に会うと、「あの山に登ったんだね…」と山の話題で話が弾みます。山からのメールが、両親との対話を深めてくれます。

(神奈川県Sさん・女性・40代)

その2 小5のスマホスキルに驚愕!

小学生の息子ふたり、幼稚園児の娘と山梨県の岩殿山に登ったときのこと。

頑張って登って、無事に下山してきたときに、記念に山バッジを買おうと思ったがどこに売っているかわからずウロウロしてしまいました。そのとき、小5の長男がスマホを貸せと言っておもむろに調べ出し、駅のすぐ横の観光案内所で売っていることを瞬時に解明。アッパレ、わが息子よ! そのスキルは、すでに父を超えたか!?

(東京都Yさん・40代)

その3 いつもはケンカばかりの兄妹が。

息子と初めて二人で富士山に行ったときのことです。ようやくたどり着いた八合目の山小屋で、家で待つ妻と娘にケータイで電話をしました。ふだん、息子は年の近い妹とはケンカばかりで、仲良く話すことは少ないのですが、ケータイで富士山の様子、山小屋の様子などを熱心に話していて、妹も向こうでちゃんと聞いているようです。これも富士山のチカラなのかな~と、ほっこりしました。山でつながるっていうのはいいですね。

(神奈川県Yさん・30代)

その4 山でばったり!?

山で、離れて住む両親に会ったことがあります。同じ山に登っているとわかったのは、山頂からの景色を、山好きの両親の携帯にメールしたら、両親から「今、わたしたちも同じ山いる!」という返事が来たためです。

わたしは関東在住で会社の人との登山。両親は静岡から来ていました。山頂から写メしなければ、会うことはなかったはず。山頂で、家族3人かなり驚いて、その偶然に喜び合いました。

(神奈川県Iさん・女性・20代)

その5 頂で、遠くのだれかを思う気持ち

ずいぶんと年の離れた山仲間がいる。自分の祖父ほど年齢だ。

あるとき、彼から「受験が終わったばかりの孫にどうしても今の山頂からの風景を見せたい。あの山に登るなら、山頂から写メールを送ってくれないか」と頼まれたことがあった。

お孫さんが小さいころに、その山に何度もいっしょに登ったそうだ。今は、すっかり疎遠になってしまったお孫さんのために、山の景色を送ってあげたい……そんな彼の気持ちに、山の頂から遠くを見るように、頂で遠くの誰かを思う心持ちを感じた。

(神奈川県Yさん・30代)