ミレーの全天候型ストレッチレインシリーズ「ティフォン5000」で究極のドライレイヤリング
モニター名:なますて(40代、女性) 登った山:滋賀県・北比良峠~青ガレ(日帰り)、大阪府・金剛山(日帰り)
登山歴:25年 着用したパンツタイプ:トレックパンツ
 薄い生地なのに、転んで尻もちをついても問題がない丈夫さ。
 土砂降りの中を歩いても、撥水性は申し分なく、蒸れがない。

 5月9日に、比良山系の北比良峠~青ガレにシャクナゲを見に行きました。登りはじめが気温20℃で、14時ごろから小雨が降る中、約5時間の山行でした。5月14日には、金剛山のカトラ谷に、ニリンソウとヤマシャクヤクを見に行き、晴天の中、約5時間歩きました。

 両日とも7分丈のアンダーを着用して、「ティフォン 50000」のパンツをはきました。レインウェアのパンツ独特の少し固い感触がまったくなく、シャカシャカ音もしません。ただ、一般的なレインパンツやトレッキングパンツより生地が薄く感じるので、最初は「耐久性は大丈夫かな?」と気になるかも。しかし、北比良峠に向かっているとき、ガレの道でスリップして転び、尻もちをついたのですが、まったく問題なかったです。

 ジャケットについて、一緒に行った友人からは、「そういう色(サファイアという深い紺のような色)もかっこいいやん!」「スタイルよく見える」「レインウェアに見えない」と口をそろえて言われました。休憩時にはやや肌寒さを感じる気候だったのと、小雨になったこともあり、快適な軽いアウターとしても機能しました。

 小雨交じりの別の日に、スロージョギングで着用してみました。パンツあえて素肌に履いて走ってみたのですが、裏素材がニットなだけあって、思った以上に自然な感触(冷たい感じもなく、固い感じもない)でした。やはり30分以上走ると少し暑くなり、腰回りが汗ばんでくるので、快適なはき心地のためにはアンダー使用がベターかと感じました。

 それ以外にも、土砂降りの日に通勤時(5月13日)に着用して、バス停からキャンプ場(職場)まで、15分程度歩きました。撥水性は申し分なく、蒸れはありません。パンツの水のはじきっぷりは、見事です。時間がたつと、少し素材に水がしみたように表面の色が変わりますが、30分程度の雨天の着用では、内側にまったく濡れは感じません(インナー着用時)。つばの下にあるフラップが、向かい風で歩いてもフードの安定感を高めてくれます。ドローコードを引くとさらにフィット感が増し、つばの部分が大きいので視界をさまたげることなく行動できると感じました。


     

 レインウェアと思えないしなやかさとストレッチ性。
 レインパンツをトレッキングパンツとしても履いていけることが画期的。

 「ティフォン 50000」は、しなやかという表現がぴったりきて、レインウェアという印象を与えません。内側生地がニット素材のせいか、肌に触れたときほのかな暖かみを感じます。ジャケットは、デザインのさりげなさ、柔らかくて包み込まれるような着心地の良さ、そして動きやすさから、「雨でない日のタウンウェアとしての選択もアリかな」と感じました。手首のデザインもすっきりして、シルエットがスマートなので、おしゃれに見えます。他のブランドのレインウェアは、春秋の防寒着を兼ねて山に持って行くことはあるとしても、街着にしようとは全然思いません。ただ、秋冬にレイヤリングするときは正直、腕が細すぎるかもと感じました。

 また、ジャケットのポケットがザックのヒップベルトの邪魔にならないのでストレスがありません。ポケットの開口部がベンチレーションのために長めになっています。ただし、その入口の長さに比べるとポケットの深さはそれほど深くなく、ジャケットが体にフィットしたデザインなので、ファスナーを開けていたら、ポケットに入れたスマホがポロリと飛び出してしまったということがありました。ベンチレーションを実感するためには、ポケットに何も入れないということが必要だと思います。

 フード部分のコードを使って丸めて収納する方法は、今までのハードシェルでも慣れていたのですが、「ティフォン 50000」の場合は、コードのひっかけ部品と細身のわっかのおかげでさらに簡単です。サイズも小さくてよいです。気になったのは、フードがしっかりしているので、アウターとしてフードをかぶらず着用している時、背中のフードの存在感がけっこう大きいかも、ということ。でも、ドローコードで、ジャケット内側のミレーロゴの上にあるわっかにひっかけて巻き込めば、動きを妨げず、ザックの邪魔にもならず、また、シルエットも少し変わっていい感じでした。

 トランスファーレイヤー「ジャマンデルタ ジップ ロングスリーブ」はフィット感があるのに、暑苦しくありません。素材にうろこのような凸凹があり、肌一面にぺったりと張り付かないのだと思います。伸縮性にすぐれ、動きやすいですね。ハーフジップを首まで上げた場合も、襟元にジップカバーがあるので、顔に当たることを気にしなくてもよいです。ベースレイヤー「ドライナミック メッシュ」を見た時は、ネットの「あみあみ」が大きいので、「まるで忍者のカタビラ、どんな着心地?」と思ったのですが、着てみると意外にしっくりきます。タイトすぎず、着丈も十分あるので、かがんだときや腰回りの動きも妨げません。ただ、ブラカップについては、女性はいろいろな好みがある(しっかり系、ソフト系など)と思うのですが、中間系くらいかな。胸の大きい人にはきついかも?

 私は少し暑がりのため、このレイヤーの第一印象は「ちょっと暑そう」でした。でも、ザックを背負って歩き始め、背中が汗ばんできたなと感じたあとも、「暑い」という感覚がやってきません。荷物を置いて休憩すると、最初は背中の濡れを確かに確認できるのに、驚くほど短時間で乾きます。なので、汗冷えを全然しませんでした。そんなにサラサラ薄手素材ではないのに、べたつき感や暑さを感じないのは、不思議な感覚。汗のにおいもまったく気になりませんでした。また、「急激な体温の低下をふせぐ」ともあったので、「晴天から荒天などの気候の変化や、雨天など濡れるような状況にも威力を発揮するのかな?」と期待しています。

 今までのレインパンツは、「万一のときのお守り」としてザックに入れておき、「トレッキングパンツの上からはくのは暑いし動きにくいけど、これだけで歩くのはやぼったいし雨がやんだら履いていたくない」というものがほとんど。そういう意味で、最初からトレッキングパンツとして履いていくチョイスもアリ!というのは画期的だと思います。雨じゃなくてももちろんOK。パンツは薄いので、たたむととてもコンパクトになり、かさばらないのがいいです。泊まりでトレッキングに行くとき、雨のためにはもちろん、予備のパンツとしても使えるのは、かなり便利そう。フロントの止水ジップとサイドポケットの止水ジップは、ジッパーがカバーされているので、雨のときは威力を発揮するのでしょう。そうでないときは閉めにくい印象で、ややめんどくさいですが。

 あとは、パンツをガンガン日常使いした時の耐久性だけが気になります。日帰り登山ですそに泥汚れが付き、手洗いしたのですが、乾いたらまた汚れが浮いてきました。レインウェア専用洗剤を使うべきなのでしょうか。お手入れの仕方(日常的にどのように洗濯すればいいのか、機能を長持ちさせる洗い方、部分洗いなど)にもう少し親切なインストラクションがほしいです。また、これは個人的な好みの問題なのですが、レインウェアとして、また積雪時にも着用とすれば、色の視認性の高さを求める人はいると思います。その点で、今回のジャケットのカラー展開(白、カーキ、サファイア、オレンジ)というのは、明るい色がオレンジしかないので、選択肢が少ないです。街着としてならシックでよいのですが、あくまでも本当に使いたい舞台は山なので…。

 「ティフォン 50000」のパンツは、レインパンツがごわごわして歩きにくくて好きじゃない…と思っている女性に、「トレッキングパンツとしても、泊まり山行の着替え兼レインパンツとしても、荷物の軽量化にも役立つし、歩きやすいよ! 」とすすめてあげたいです。「なにより、レインウェアがこんなに着心地のいいものだなんて」と、目からウロコの体験ができました。周りの人に「レインウェアを着ている」と気づかれないようなレインウェアだと思います。雨でなくても、山でなくても使える。そして、雨天時に撥水性・透湿性などの機能を発揮するという意味で、年間を通じて雨の多い日本の山に適しているのでは、と感じます。


     


  • つばが大きいので視界を妨げず、つば下のフラップがフードの安定感を高める。
  • ニット素材の内側生地で、肌に触れたときほのかな暖かみがある。
  • パンツは薄いので、たたむととてもコンパクトになり、予備のパンツとしても使えそう。

モニター名:岡本和也(30代、男性) 登った山:ニュージーランド・フッカバレートラック(日帰り)、ルートバーントラック(日帰り)
登山歴:4年 着用したパンツタイプ:イージーパンツ
 細身のシルエットなのに、下に着込んでもつっぱる感じがなく、動きやすい。
 レインジャケット特有のゴワゴワ感やかさばりがなく、上から防寒着を着られる。

 4月29日~5月7日でニュージーランドに行き、フッカーバレートラックとルートバーントラックを歩きました。5月1日のフッカーバレートラックでの起床時の気温は約0℃で、水溜りが凍るような寒いと感じる気候でした。ベースに「ドライナミック メッシュ」と「レッドニードルス ジップ ロングスリーブ」、その上に「ティフォン 50000」を着こんで出発。今回はレンタカーでの移動で、「ティフォン 50000」を着たまま運転しましたが、レインジャケット特有のゴワゴワ感がなく、ストレスがない快適な運転でした。

 フッカーバレートラックのスタートは日の出前で、風が強く、非常に寒かったのでさらにフリースジャケットを「ティフォン 50000」の下に着込みました。細身のシルエットなのに、伸縮性のある薄い素材のせいか、つっぱる感じはなかったので、たくさん下に着こんでも動きやすかったです。雪山でも防水ジャケットの下にフリースまで着込むとすぐに蒸して暑くなり、結局短時間で脱いでしまうのですが、「ティフォン 50000」は透湿性が優れており、同行者がジャケットを脱ぎ始めても、自分は汗ばむことなく、折り返しの休憩地点まで非常に快適に登ることができました。後半は日差しが強く、風も止み、気温も+10℃くらい上昇しましたので、フリースを脱ぎ、ミレーの3点セットで下山しました。少し暑いと感じてきた際に、ポケット部分を空けると、そこから新鮮な空気が入る感じで、蒸れ感がやわらぎ、結局下山終了まで脱ぐこともなく、快適なウェアでマウントクックの雄大な自然を存分に楽しむことができました。

 2日後の5月4日はルートバーントラックに行きました。スタート時は同じく気温0℃近くで、小雨が降る天候でした。水滴がころころとウェアの上を転がるようにはじかれ、袖口のマジックテープや、フードのフラップ等細かいところで雨の進入を防ぐ工夫がされており、雨が止むまでまさに完璧な防水状態でした。ルートバーントラックは途中から急な坂を登るコースでしたが、引っかかる感じはなく、非常にスムーズな歩行が可能でした。折り返し地点の見晴らしポイントで昼食を取った際は、風が強く、非常に寒かったのですが、「ティフォン 50000」を脱がずに上からフリースを着込みました。普通のレインジャケットだとかさばるので、レインジャケットを脱いでから中にフリースを着込んでいましたが、柔らかい「ティフォン 50000」の上から防寒着をそのまま着れば、熱を逃がさずにすぐに防寒体制を整えることができました。


     

 しなやかで体へのフィット感が極めて優れているので、長時間心地よく着られる。
 なめらかで伸縮性があり、登りで膝を高く上げるような箇所でも足運びがスムーズ。

 「ティフォン 50000」は、今までの使用していた防水ジャケットとは違い、しなやかで体へのフィット感が極めて優れていると感じました。今回はニュージーランドへ向かう長時間のフライト時も着用してみましたが、ゴワゴワした感じがなく、快適に睡眠をとることができました。本当に今までにはない快適な素材で、様々な場面で長時間心地よく着用できるジャケットだと思います。

 ジャケットのポケットはザックの腰ベルトと上のベルトの間に位置し、物の出し入れがスムーズで非常に使いやすかったです。また、フラップがあることでフード着用時のフィット感が高く、雨水の浸入が少なく感じました。フード部分のコードを使って、ジャケットを簡単に丸めることができ、すばやく収納できる点も非常に良かったです。柔らかいためコンパクトにたたむ事ができ、ザックの外ポケットに収まるという点で、出し入れが多いような天候でも非常に使いやすいと思いました。ただ、フード部分のコードは引っ掛けるのは非常に簡単でしたが、外すのに少し手こずりました。

 パンツはサポートタイツの上から履いても、素肌で履いてもはき心地としてはさらさらとした感じであり、とても快適でした。通常のレインウェアのパンツだとゴワゴワして引っかかるような感じを受けますが、「ティフォン 50000」はなめらかで伸縮性があり、登りで膝を高く上げるような箇所でも、スムーズな足運びが可能であり、非常に歩きやすかったです。その結果、ズボンのずれ落ちも少なかったような気がします。

 サポートタイツありで小雨の中でもパンツを使用しましたが、非常に薄い素材であるのに、防水性能は大変しっかりしており、水玉を表面ではじいているような感じでした。透湿性に関しては、これまでのレインウェアのズボンだと一日履いて山行が終わると内面がびっしょり濡れた感じになることが多かったのですが、透湿性が高いせいか、「ティフォン 50000」のイージーパンツは蒸れや濡れた感じが少なく、非常に快適でした。ただ、イージーパンツは裾が先細りになっているため、雨露がしたって靴の中に入ってしまうような気がしました。小雨だったためさほど気になりませんでしたが。

 トランスファーレイヤー「レッドニードルス ジップ」は伸縮性があり、素材も滑らかで着心地は快適でした。今回洗濯せずに2日間に渡って着用しましたが、汗のにおいはほとんど気になりませんでした。帰国後洗濯する前でも嫌なにおいは少なかったように感じます。ベースレイヤー「ドライナミック メッシュ」については、着用する前のイメージは荒いメッシュなのでしっかりとした素材で硬い素材のイメージでしたが、驚くほど伸びて、体にストレスなくフィットする感じでした。

 いつもはレインウェアを着ると歩行時に蒸してきて、すぐに脱ぎたくなってしまうのですが、「ティフォン 50000」と「ドライナミック メッシュ」と「レッドニードルス ジップ」の組み合わせはそもそも汗をかいたという感覚がなく、ずっと「ティフォン 50000」を着ていても使用当日(12℃くらいまで)はまったく不快感がなく快適でした。

 今後は今持っている防水ジャケットの中では、一番活躍する機会が多くなると思います。やはり、圧倒的に動きやすい点が魅力です。また、細身でフィットするようなシルエットのデザインもかっこよく、大変気に入りました。どんな山でもオールマイティに使えると思います。特に気温差が大きいような山行や、荷物を少なくしたい宿泊を伴う山行には非常に重宝すると思います。雨の日の上着として普段着としても使いたいですね。


     


  • 袖口のマジックテープやフードのフラップなど、雨の進入を防ぐ工夫がある。
  • 防水性能がしっかりしていて、透湿性が高いので蒸れや濡れた感じが少ない。
  • 細身でフィットするようなシルエットのデザインがかっこいい。

モニター名:菅 文広(40代、男性) 登った山:蔵王連峰・瀧山(日帰り)、月山(日帰り)、蔵王中央高原トレッキング(日帰り)、蔵王連峰・雁戸山(日帰り)、神室連峰・小又山(前泊ツェルト泊)
登山歴:15年(蔵王山岳インストラクター協会、蔵王山岳ガイド協会に参加) 着用したパンツタイプ:トレックパンツ
 暑くなっても、運動量が下がるとウェア内の温度と湿度が素早く下がる。
 一枚で直にはけるよう開発されたトレックパンツは、細身ですっきり。

 5月6日に、普段から何度も登っている蔵王連峰の瀧山にて初のテスト。上半身はベースレイヤー「ドライナミック メッシュ」+トランスファーレイヤー「レッドニードルス ジップ ロングスリーブ」+「ティフォン50000」のジャケット、下半身はアンダーウェア+「ティフォン50000」のトレックパンツの組み合わせです。気温約17℃の麓では、普通のレインウェアなら着ているだけで蒸れを感じ汗が出てきますが、「ティフォン50000」の中は暑くならずに温かいという感じ。これが透湿性? 今まで使用していたレインウェアも透湿性がよいはずですが、今回、透湿性を初めて実感できたという気がしました。「ティフォン50000」のトレックパンツは、従来のレインウェアと違い、これ一枚で直にはけるよう開発されたもので、細身ですっきりしています。裏地の肌触りもとてもよいです。  

 登山中、運動量が多くなり発汗する場面では確かに蒸れを感じましたが、運動量が下がるとウェア内の湿度と温度が下がり、快適になっていくのを感じます。そのスピードも速い。ベンチレーションもザックのウエストベルトに干渉しない位置にあるため、ジッパーの開閉にも負担がなく、快適性に貢献しています。結果、長い間着続けられるレインウェアだと感じました。  

 5月7日には月山へ。多雪の月山の春山登山は、日が出れば雪の反射で両面焼き、曇れば肌寒く、山頂に近づくにつれ強風・低温がいつものパターン。上半身は昨日と同じ、下半身は化繊アンダータイツにパンツの組み合わせ。今回は、曇りあり、日の出た急登あり、強風低温ありでしたが、最初から最後まで脱ぎ着しないで過ごすことができました。

 山頂ではかなり低温強風で手がかじかんだり、顔や耳が痛くなりましたが、「ドライナミック メッシュ」の性能なのか、体の冷えを感じることはありません。強風の中で最も良かったと思ったのはフード。頭の後ろと、襟元にフィットを調整できるコードが付いています。また、フードのつばの内側にフラップが付いていてフィットは抜群ですし、体が飛ばされるくらいの強風でしたが、ズレることもありませんでした。

 5月13日、横殴りの雨と風の中、テストのため蔵王中央高原のトレッキングに出かけました。「ティフォン50000」に雨がかかると、水玉となり撥水性の高さを感じます。行動の強度が下がると、すぐに涼しさを感じ、ウェア内の蒸れた空気が出ていくのを感じます。服を脱いで内側を確認してみると、シームテープの部分には内側の蒸れによるものと思われる水滴を確認しましたが、シームのない部分はサラサラしていて濡れを感じませんでした。シームテープも細いものが使われているため、その影響はほとんどないようです。

 今回最も良かったのはカサカサしない生地。風が非常に強く「ティフォン50000」も相当ばたついていましたが、通常のレインウェアにありがちなカサカサ音がまったくありません。それは行動している時も同じです。柔らかく、肌触りもよく、カサカサ音がしないため、ストレスを感じることがありませんでした。

 また、今回は「ドライナミック メッシュ」を忘れたため、化繊Tシャツを「レッドニードルス ジップ」内に着ていきましたが、前回月山で体験したのとは反対に、いつまで濡れを感じ寒さを感じました。アンダーウェアの大切さを実感しました。

 5月18日は、午前中しか時間が取れなかったため、自宅に近い雁戸山の登山に出掛けました。気温の高い中で「ティフォン50000」を着続けるとどうなるか?のテストができました。登山道手前で、既に16℃。少し肌寒いものの、これから登山をするなら絶対にレインウェアなど着ない天気です。上半身「ドライナミック メッシュ」+「レッドニードルス ジップ」+「ティフォン50000」、下半身は素肌のうえに「ティフォン50000」のトレッキングパンツを履いて出発しました。下山時には気温も上がり22℃にもなっていましたが、最初から最後まで同じウェアリングで過ごすことができました。

 レインウェアですので残雪のトラバースに入っても濡れを気にせず行動でき快適でした。また、雪解けしたばかりの登山道は倒木、ブッシュなどが出ている場面が多くあります。それらの場所を通過する際、枝などに擦れる場面が多くありましたが、表地の仕様が良いせいか、後で確認しても傷は確認できませんでした。

 5月19日には、トレラン仲間と、山形県北部最上地方にある神室連峰の最高峰小又山に向かいました。日中は気温が高くなるものの、朝方は10℃以下まで下がります。「ティフォン50000」を着て出発しましたが、冷気をシャットアウトして相変わらず快適です。本格的な登りの前に「ティフォン50000」を脱ぎました。厳しい登りや、残雪の残る急登を越えて山頂に着くと、「ティフォン50000」を着て休憩。汗がひくまで体温を適度に調整できたと思います。前日のキャンプでも着用しましたが、素材が薄く、表地も裏地も滑りがよいため、防寒着を上からでも下にでも着用することができ、汎用性の良さを感じました。


     

 スリムで足さばきがしやすいパンツは軽くて、ストレッチ性がある。
 トレッキングパンツの代わりにレインウェアでいられるというコンセプトは、革新的。

 「ティフォン 50000」のジャケットは柔らかく、表地はしなやかな手触りで化繊素材の感じがありません。街中で着ても違和感がないんじゃないか?と思います。裏地も滑りがよく、インナーとの摩擦が少ないです。ポケットの位置は、ザックのショルダーベルト、ウエストベルト、ハーネスに干渉せず、快適に開閉できました。かなりお気に入りのポイントです。メッシュのベンチレーションについても快適性にかなり効いていると思います。フードは、ヘルメットを着用していてもストレスなくかぶることができました。コードによる調整幅が広く、ヘルメットなしでもフィットし、強風時も脱げることはなかったです。ツバの下にあるフラップがズレやバタつきを防止していると思います。

 フード部分のコードを使って、丸めて収納する方法は、私的にはあまり好みではありません。コードにテンションをかけ続けると伸びが心配。ザックに収納するときも引っ掛かりがあり、パッキングしにくいのでストレスを感じてしまいます。丸めた場合もあまり小さくはならないので、私はスタッフバックを使用して収納した方がよいと思いました。

 「ティフォン 50000」のパンツは、素肌で履いてもはき心地がよいです。滑りが良く、インナーとの摩擦が少ないです。スリムで足さばきがしやすく、普通のトレッキングパンツより軽くてとてもいいです。ストレッチ性があり、両手両足を使って登る段差の大きい場所でも動作を妨げない点もよいですね。雨でも晴れていても、脱ぎ着せず、トレッキングパンツの代わりにレインウェアでずっといられるというコンセプトは、本当に革新的だと思います。透湿性が高く、雨でもまったく心配はなく快適でした。撥水性もとてもよいです。お尻は冷たいですが、雪の上にも直に座れてしまいます。

 「レッドニードルズ ジップ」は薄手で、ツルツルしていて肌触りがよく、速乾性もとてもよいと感じました。アンダーウェアとのレイヤリングがとても効果的だと思います。薄手で保温性はあまり感じないものの、「ドライナミック メッシュ」と組み合わせることで、空気の層ができるのか暖かさを感じました。また、直接肌に触れないので、乾きが早く非常に快適です。2日連続で着てみたのですが、においも気にならなかったです。「ドライナミック メッシュ」は見た目が奇抜なので違和感があると思っていたのですが、体にフィットし、まったく問題はなかったです。汗を肌から遠ざけ、空気の層もできることで、ほんのり暖かく体温が下がり過ぎるのを防いでいると思います。結果として体調の維持に役立つと感じます。

 「ティフォン 50000」で改良をしてほしい点は、ファストパッキング、トレイルランニング仕様の追加もしてほしいです。トレッキングパンツにも裾にジッパーを追加し、靴を脱がなくても脱ぎ着できるといいですね。

 「ティフォン 50000」は、春先から夏の高山まで広く対応できます。透湿性、防水性が良く雨や風を防ぎ、ずっと着ていられるので縦走におすすめです。耐水圧も20,000㎜あることからレインウェアとしては完璧。透湿性、ストレッチ性により、従来のレインウェアより快適性が大きく向上し、対応範囲が広い製品となっていると感じます。とにかくストレスがなく、快適で総合力が高いうえに、デザインも良いので、今後も使っていくと思います。


     


  • フードのつばの内側にフェンスが付いていてフィットは抜群で、ズレることもない。
  • 表地はコットン素材のような手触りでナイロン感がなく、街中で着ても違和感がない。
  • 雪の上に直に座れるほど撥水性が高い。

モニター名:渡邉 智(30代、男性) 登った山:屋久島・黒味岳(日帰り)
登山歴:10年 着用したパンツタイプ:トレックパンツ
 暑さを感じても通気性が良いので、着たまま行動できる。
 温泉後に羽織っても蒸れなくて快適なので、真夏でも着用できそう。

 5月14日に屋久島の淀川登山口より登山を開始し、淀川小屋、花山江河を経由し、黒味岳に登頂しました。晴れの天気の中、約6時間の山行でした。

 登山口時点で気温11℃ほど。アンダーウェアと「ティフォン 50000」ジャケットの2枚でしたが、寒さを感じることなく登山を開始。すぐに汗ばんできましたが、蒸れを感じることはありませんでした。トレッキングパンツの下は素肌でしたが、触れても一切不快感がなかったです。気温が上がってくるとともに暑さを感じますが、通気性がよいので「脱ごう」という気も起こらず、山行中は着たままでした。こまめにチャックを開け閉めすることで調節が可能なようです。

 黒味岳山頂は風が強かったが生地が柔らかいため、レインウェア特有のバサバサした感がなく、快適で心強かったです。ロープで岩を登る際に「ティフォン 50000」のパンツのストレッチが心地よく機能してくれました。春から秋にかけては「ティフォン 50000」の上下とアンダーウェアの調節で幅広い天候をカバーしてくれるのではないかと思います。下山後、温泉で汗を流した後、ジャケットを羽織っても蒸れなくて快適だったので、真夏でも着用したいと思います。


     

 素材がしなやかなので、どんな動きでもつっぱらなくて軽い。
 パンツは素肌で履いてもベトつかず、違和感がない。

 「ティフォン 50000」を包装袋から出した時点で、オレンジの色が鮮やかで、手触りがよく上質な生地で、さすがフランスのアウトドアブランドだと感心しました。着用してみて、思わずストレッチ運動をしてみたくなるほど軽くしなやかで、山行に行ってもこれなら疲れないなと感じました。

 「ティフォン 50000」のジャケットは素材がしなやかなので、どんな動きでもつっぱらなくて軽いです。デザインもカッコよく、他の登山者グループからオレンジ色が遠目でも良く目立っていたと2回ほど声をかけられました。下山後、温泉に入ったあとジャケットを羽織っても蒸れなかったのには驚きました。また、ポケットが大きく、写真を撮る際にスマホを出し入れしてもまったく問題ありません。タオルを入れていても充分な大きさでした。普段からメガネをかけているのですが、フードのフラップのおかげで濡れなくてよかったです。フードをかぶっていても同行者の声がよく聞こえ、会話がしやすい点もいいですね。フード部分のコードを使って丸められるので、収納袋をなくす心配がないのも安心です。

 「ティフォン 50000」のパンツは、素肌ではいてもベトつかず違和感がなく、とにかく軽いです。MILLETのロゴがかっこいいですし。真冬以外の季節には、サポーター次第でこのトレッキングパンツ一枚で事足ります。山行前の試着時に雨の下に立ってみましたが、雨を「はじき返す」ので、ウェット感がまったくなかったです。雨がウェアを伝って流れることがなく、防水性は完璧でした。

 ベースレイヤー「ドライナミック メッシュ」は保温性があり汗をかいても安心ですが、慣れていないと脇汗が気になってしまいました。

 今までのレインウェアは硬い素材では徐々に疲労感が増していましたが、「ティフォン 50000」は柔らかく軽いので快適でした。風の強い山頂等でも一切バサバサしないので、休憩時も快適です。登山途中にウェアを脱いだり着たりするのは現実的には厳しいため、「ティフォン 50000」は、寒い登り始めから汗をかく登りまで着たままでも汗を気にしなくていられるので気に入りました。ただ、雨が降っていない時、フードを収納できるほうが首の後ろが気にならなくなると思います。

 「月のうち35日は雨」という一文があるほど雨の多い屋久島では、晴れていてもレインウェアは手放せません。ゴワゴワするような硬い素材では、早朝から着て出かけるのをためらってしまいますが、「ティフォン 50000」は柔らかくて軽く、透湿性が完璧で、汗をかいてもずっと着ていられるので屋久島の気候に適していると思います。


     


  • フードのフラップはメガネの濡れを防ぎ、フードをかぶっていても同行者の声が聞こえる。
  • 雨を「はじき返す」完璧な防水性で、ウェット感がまったくない。
  • フード部分のコードを使って丸められるので、収納袋をなくす心配がない。

モニター名:呉 和絵(40代、女性) 登った山:神奈川県・塔ノ岳(日帰り)、伊豆・天城山(日帰り)、神奈川県・大山(日帰り)
登山歴:6年 着用したパンツタイプ:トレックパンツ
 パンツは足にまとわりつかず、ゴワゴワ感がなく、歩きやすい。
 下半身がすっきり見えるのに、ストレッチが効いている。

 5月20日に塔ノ岳の大倉バカ尾根ピストン、その翌週2日続けて伊豆の天城山&神奈川県の大山に登りました。塔ノ岳は晴れで、風もほとんどなかったのですが、天城山では稜線で強風に吹かれ、大山では途中から曇り、山頂では寒いほどでした。

 塔ノ岳は最初から最後までド晴天だったので、「ティフォン 50000」のジャケットを着る機会はありませんでしたが、パンツは履いていきました。ロングパンツや厚手に思えるレイヤーのロングスリーブは、この天気で着るにはちょっと難しいかな?と思ったのですが、思ったより暑さが気にならなかったです。やはりベースレイヤー「ドライナミック メッシュ」とトランスファーレイヤー「ジャマンデルタ ジップ ロングスリーブ」の効果なのだなと思いました。

 「ティフォン 50000」のトレックパンツは普通のパンツとまったく変わりなく使えます。サポートタイツの上からはいた時は、静電気は起こらず、変に足にまとわりつくようなことがなくて良かったです。素足ではいた時は、ゴワゴワ感を感じることはなく、歩きやすかったです。鏡に自分の姿を映した時に、下半身がとてもすっきりしているように見えました。それなのにストレッチが効いているので動きやすい、これは本当にうれしいです。歩いている間、小さくシャカシャカという音がしていましたが、さほど気にはなりませんでした。

 天城山と大山に登った時なのですが、2日続けてなので着る物がなく、「ジャマンデルタ ジップ」を帰宅してすぐ洗って部屋干ししました。翌朝には乾いていたのですぐ着て山に出ることができてよかったです。すぐに乾くし、汗のにおいもまったく気になりませんでした。これなら着替えるのが難しい山小屋とかがある場合は、1日くらいならそのまま寝てしまっても問題ないなと思いました。

 私は脚力がなく、重い装備を持って歩くのが苦手です。今回の山行はどれも長時間歩くコースだったので(大山では36Lのザックを背負う)、雨具を減らせただけでもものすごく軽く感じました。迷うことなくこのパンツをはき、雨と防寒に軽い上着を丸めて入れておけば問題ないというのが、とても楽でいいなと思いました。


     

 「ティフォン 50000」の印象は「軽い! 薄くて動きやすい」。
 会社にも着ていけそうなデザイン性の高さ。

 「ティフォン 50000」の第一印象は「軽い!」 思わずしまっていた持っているレインウェアを出して比べてしまいました。「ティフォン 50000」のジャケットはパンツ同様、とても薄くて、動きやすかったです。ただファスナーの一番上の部分が厚くなっていて固く、アゴに当たるので、歩いている時に気になりました。普通の洋服の襟のように外側に倒そうと思ったのですが、フードがあるのでうまく倒れませんでした。仕方なくそのアゴに当たる部分を内側に折り曲げて着ていました。

 フード部分のコードを使って、丸めて収納する方法は、とても良い案だと思いました。収納袋で収納する場合、ザックの中で行方不明になることがあるからです。ただ、ゴムがすぐ伸びてしまいそうだなと思いました。あのゴムはフード部分の中に縫われているので、自分では交換できないようなので。

 「ジャマンデルタ ジップ」はウロコ模様っぽいのがたくさんで、これがどういう働きをするかが不思議でした。肌にべったりくっつかないようにする働きなのでしょうか? サラッとする感じがあって、とても着心地が良かったです。他社のサラッと感のするレイヤーに比べ、伸縮性もあり着やすいです。また、生地が厚いので、歩いているうちに暑くなるのではないかと心配でしたが、風通しが良く、汗をかいても不快感はありませんでした。「ドライナミック メッシュ」は体に吸い付くような感じで、柔らかく、行程中何も意識せず着ることができました。

 「ドライナミック メッシュ」のメッシュと「ジャマンデルタ ジップ」のウロコ状の生地の効果で、下山後も肌がサラッとしていました。特に塔ノ岳では塩がつくくらいでしたが、体がべたつく事はありませんでした。「汗をかいている」「汗で濡れている」という感じは感じませんでした。トイレの鏡でベースレイヤーの汗の部分の色が変わっていて、汗をかいているんだとわかった感じです。

 パンツについては、ウエスト部分がスナップだけで、若干不安でした。メンズにはベルトがついているのに、レディースにはついていないこと、メンズのサイドポケットにファスナーがあるようですが、レディースにはないことが残念です。女性はリップとかを入れておきたいので、やっぱりサイドポケットにファスナーが欲しいです。それから、ジャケット、パンツとも落ち着いた色なので、もっと派手な色も欲しいです(メンズのジャケットにはオレンジがありますが)。

 「ティフォン 50000」は、ロングトレッキングとか、日帰りでハードではない山、そういう所に適していると思います。岩ゴツゴツの山は、生地が薄いので、引っかけたらすぐ破れてしまいそうな感じがしますので、それ以外の山で。あとは梅雨時で、雨が降るかもしれないと思う時です。同行者が「会社にも着て行けるね」と言っていました。落ち着いた色なので、ラフな服がOKな会社ならば、台風や梅雨の時にもそのまま着て出社できるかも! 山の荷物を軽くできる、強い雨の日の通勤にも使える(アウター)なので、これからも使っていきたいです。


     


  • パンツをタイツの上から履いても静電気が起こらず、まとわりつかない。
  • 「ジャマンデルタ ジップ」はすぐ乾き、汗のにおいも気にならない。
  • 収納袋でなく、フード部分のコードで丸めて収納する方法がとても良い。