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花の百名山・森吉山へ
滝をめぐり、マタギの里を訪ねる北秋田の山旅

 

 







四季の魅力が詰まった 花の百名山・森吉山

 森吉山(もりよしざん)は、秋田県の中央北に位置し、標高1454mの向岳を主峰とした、一ノ腰、石森、ヒバクラ岳などの外輪山に囲まれた成層火山だ。2002年に山と溪谷社から発行の『決定版 花の百名山 登山ガイド』で、花の百名山の仲間入りを果たした。雪融けが始まる6月頃から、緩やかな起伏の山頂付近は、チングルマ、アカモノ、イワカガミ、ヒナザクラなどの高山植物に覆われる。

 山頂は360度のパノラマで、天気に恵まれれば、鳥海山、秋田駒、八幡平、岩手山、八甲田山、岩木山、白神山地などの北東北の名山のほか、日本海まで見渡すことができる。山麓にはブナの森が広がり、本州でも数少ないクマゲラの棲息する貴重な森となっている。

Flowers

左上から、チングルマ、イワカガミ、ヒナザクラ、アカモノ


 紅葉は9月下旬ころから始まり、10月中旬にかけて山の上から山麓に広がっていく。6月から10月まで運行の阿仁ゴンドラからの紅葉も圧巻の景色で、観光で訪れる人も多い。

 雪の多い森吉山では、冬には樹氷が発生する。こちらも阿仁ゴンドラを使えば、山頂駅から5分で樹氷原というのが魅力で、雪山の経験が少なくても、巨大な樹氷を間近に見る体験ができる。四季を通じて見どころの多い森吉山には主要な5つのコースがある。機会を見つけてぜひ訪れてみたい。

山上の奇岩・冠岩 / 山頂からの展望



森吉山周辺は滝の宝庫

森吉山麓には、観光の延長で見られる滝から、山に分け入って初めて見られる滝まで、大小さまざまな滝が存在する。悲恋伝説の残る中ノ又渓谷の「安(やす)の滝」は、上段60m、下段30mの落差を有し、日本の滝100選にも入る名瀑だ。立又渓谷には、一ノ滝、二ノ滝、幸兵衛滝があり、最奥の幸兵衛滝は落差108mを誇る。

森吉山の北東、太平湖の遊覧船を経由して入る小又峡には、横滝、曲滝、ガマ淵などの様々な滝を超えて、三階滝までの探勝路が付けられている。さらにノロ川を遡った桃洞渓谷には、桃洞滝という珍しい滝も存在する。いずれも森吉山の造山活動に関わるものなので、併せて訪れることで、山を深く知ることになるだろう。



日本の滝100選にも選ばれる「安の滝」(左)、小又峡にある「三階滝」(右上)と「化けの堰」(右下)




クマゲラの住む奥森吉

真っ黒な身体と赤い頭部で特徴的な姿をしているクマゲラは、日本で最も大型のキツツキの一種。北海道を除き、本州では秋田、青森の一部にしか生息していない希少種。希少鳥獣生息地として国指定の鳥獣保護区となっている手付かずの豊かな森が、クマゲラの生息を可能にしている。森吉山の東側山麓にある森吉山野生鳥獣センターを拠点に散策と観察が楽しめる。

Infomation 
森吉山野生鳥獣センター(6月-10月)

018-867-8588[秋田自然保護官事務所]



森吉・阿仁は、マタギの里

山と溪谷社が2017年に復刻した矢口高雄の漫画『マタギ』や、作家・熊谷達也の『邂逅の森』のモデルとなっているのが、森吉山の南、阿仁地区のマタギだ。クマやカモシカなどの狩猟を軸に、山川の恵みを得て生活する「マタギ」は、この阿仁が発祥の地とされている。打当(うっとう)温泉マタギの湯には、資料館が併設され、実際に使われていた山暮らしの道具が展示されているほか、「マタギ学校」という名称で、マタギ体験のプログラムも複数用意されていて、雪深い秋田におけるマタギの生活の知恵と文化を知ることができる。

Infomation 
打当温泉マタギの湯 マタギ資料館

営業時間:9:00~17:00
入館料:大人150円/小人50円
0186-84-2612



地元ならではの味、温泉も魅力 ~宿泊施設情報~

旅館、民宿、ペンションなど、阿仁地区に7件、森吉地区に10件の主要な宿泊施設があり、ほかにキャンプ場施設もある。熊鍋をはじめ、地元ならではの料理やおもてなしが受けられる。

Infomation 
打当温泉マタギの湯

秋田県北秋田市阿仁打当字仙北渡道上ミ67
0186-84-2612
http://www.mataginosato.com/

Infomation 
森吉山荘

秋田県北秋田市森吉字湯ノ岱14-1
0186-76-2334
https://moriyoshizan.jp/

ほかの宿泊施設について詳しくは
http://hahaha.akita.jp/tomatekere.html





北秋田・森吉山へのアクセス

 
秋田内陸縦貫鉄道

南の角館駅から、北の鷹巣駅まで、南北に94km、29駅でつながるローカル線。山間を走る鉄道は旅情を掻き立て、鉄道ファンも多く訪れる。森吉山へのアプローチは、阿仁前田駅または、南側の阿仁ゴンドラに近い阿仁合駅が最寄りとなり、周遊タクシーなどを使ってアプローチする。

山間を走る内陸縦貫鉄道。北秋田の車窓が魅力


 
周遊タクシー

秋田内陸縦貫鉄道の駅から、または大館能代空港から発着する「森吉山周遊(乗合)タクシー」。森吉山の縦走登山を考えるうえでも公共交通機関をうまく利用したい。森吉山阿仁ゴンドラへは、あるJR鷹ノ巣駅または大館能代空港からは一人3,500円、阿仁合駅からは一人1,000円となっている。詳しくは、あきた北ナビのウェブサイト、またはチラシPDF(3.4MB)を確認しよう。

 
森吉山観光パス

森吉山・阿仁ゴンドラは、秋田内陸縦貫鉄道+周遊タクシーがセットになった「森吉山観光パス」が便利。
パンフレットPDF、チケット購入方法
お問い合わせ  0186-62-5370[北秋田市商工観光課]



お問い合わせ

北秋田市観光案内所(北秋田市観光物産協会)
秋田県北秋田市松葉町3-1
0186-62-1851
あきた北ナビ ポータルサイト
http://www.kitaakita-kankou.jp/


北秋田市 商工観光課
秋田県北秋田市花園町15番1号
0186-62-5370
http://www.city.kitaakita.akita.jp/kankou/

※本記事は2018年初出、2019年改訂、再掲載