※「歩きやすさ」は標高差や距離、道の状態を考慮して設定しています。マークが多いほど、初心者でも歩きやすいルートです。
摩耶山は天上寺を中心に、昔は摩耶詣でという言葉があるほどにぎわった山。昔からの参詣道をたどる登山道は快適に歩けるが、山頂までの標高差は大きく、本格的な登山気分を味わえるコースだ。
スタートは阪急王子公園駅。公園に沿うようにして北に向かって歩こう。青谷道は、大きな馬頭観音像が立つ妙光院の先が登山口で、渓谷沿いに道は続く。旧摩耶道との分岐になっている行者堂跡からは、本格的な登山道に。といっても道は幅が広くてとても快適。登りが緩やかになると、やがて仁王門に着き、長い石段が始まる。登りつめた所が1976年に火災に遭って焼失した旧天上寺跡で、摩耶山史跡公園と呼ばれている。石段の途中に、摩耶の大杉への道があるので立ち寄るといい。
摩耶山山頂へは史跡公園の突き当たりを左へ。登りつめると天狗岩大神の磐座と、その裏に三角点がある。山頂を越えて道路に出て右へ行くと掬星台に着く。
掬星台で六甲随一の展望を存分に味わった後は、来た道を戻り、灯籠のある所から史跡公園へ。仁王門の先で左に上野道が分岐している。
上野道は摩耶山への最短の登山道。虹の駅手前で右に分岐する道をとると、神戸市街を間近に見下ろす五鬼城展望公園を経て市街地に下ってくる。南下して王子公園駅へ。
1976年に焼失した天上寺。唯一残った仁王門は江戸後期の建築とされる。摩耶の大杉も火災で枯死した。摩耶山史跡公園には灯籠や手水鉢、堂宇の礎石などが残る。時間があれば、掬星台の北に立つ現在の天上寺へ足を延ばそう。
写真・文・監修=加藤芳樹、イラストレーション=中村隆、
地図製作=アトリエ・プラン