Interview インタビュー
山梨県をベースに夏は登山、冬はバックカントリースキーやスノートレッキングにゲストを案内する渡辺佐智さん。
登山ガイドとして13年の経験から導き出した、「登山がもっと楽しくなる」コンディションニングとは?
文=川原真由美、写真=秋山まどか
Advertorial
笑顔が素敵な佐智さん。
普段はどんな山に行っていますか?
ゲストをガイディングするときに気を配っていること、
佐智さん自身が感じている山の楽しみかたをおしえてください。
佐智さん
夏は南アルプス、富士山、ときには尾瀬へも。いちばん多く訪れるのはベースとしている山梨県笛吹市から近い大菩薩嶺です。
笛吹市は山へのアクセスもよいのですが、日々、気軽に通える温泉があることが移住の決め手に。リラックスにも、リカバリーにもよい環境です。
ご案内するお客様の多くが初心者から中級者ということもあり、安全に楽しく、長く登山を続けられるようサポートしたいと思っています。同じ山に登っていても、目指すもの、楽しいと感じること、興味を引かれることは人それぞれ。そこを大切にしたいです。
私自身はここ数年で、新しい山の楽しみ方に出会いました。渓流釣りをしたり、キノコを探したり。一直線に頂上を目指す途中にある、自然の営み、恵みを、じっくり時間をかけて楽しんでいます。この撮影のときも気になるキノコを見かけて(笑)。調べてみたら、とてもおいしいキノコのようでしたよ。
夏のアルプスなど、目標の山に向けて準備を進める季節。
楽しい反面、登山では「きついなぁ」という場面も多いもの。
もっと快適で、ラクに登れる方法はありますか?
佐智さん
みなさん、登山口では元気ですよね。その元気=パフォーマンスをできるだけ落とさないように気を配りながら歩くことで、キツさやダメージが軽くなります。
パフォーマンスの低下は、いろいろな原因の積み重ねによって起こります。水分・栄養不足、筋肉や関節への負荷、血流の滞り、日焼け、寒暖差など・・・。ダメージのサインを見逃さず、先手を打ってケアしていきましょう。
水分は摂っているつもりでも不足していることが多いもの。私は行動を始める前、朝のうちにしっかり飲んでおき、山行中も意識して摂っています。そして、コンスタントに小休憩をとり、バックパックの重みで凝った肩や腰をストレッチ。行動のリズムができて、体の動きもよくなります。
行動中はサポートタイツで関節の動きを助け、山小屋に着いたら着圧設計のゲイターで疲れを癒すのもいいですね。スペースがあれば、おしゃべりしながらストレッチも。無理のない範囲で水分と栄養を摂り、体を休めて、翌日の行動に備えましょう。
日焼けは肌へのダメージだけでなく、疲労にもつながります。日焼け止めやウェアリングで対策を。クーリング効果のあるアームカバーは、ひんやり感もあって一石二鳥。日差しによる肌の乾燥対策にもなりますね。
サポートタイツは心強い味方になってくれそう。
色々なタイプがあるようですが、渡辺さんのお気に入りは?
佐智さん
テント泊で荷物が重いとき、長期の縦走など、ハードな山行では「エレメントエアーロングタイツ」を使っています。
下りでスピードを上げたときもブレなく着地できるのは、ひざのテーピング効果のおかげですね。このタイツは膝の上部に力を逃がす部分があるので、カチッとかためすぎず脚がすっと上がる。この塩梅が絶妙です。
サイドには布帛のパーツがあるのですが、ぴたっと押さえることで、筋肉や関節の位置が補正されているように感じます。タイツを穿いていると、スムーズに脚が出ますね。
もうひとつ、大きな快適のヒミツがフロントファスナー。汗をかくとタイツの上げ下ろしが大変で、正しい位置で履くのが難しくなりがちです。ファスナーがあることですごくラクになるので、女性はトイレのたびのストレスが減りますし、リラックスしたいとき、お腹いっぱいのときは緩めておくことも。
“エアー”という名前どおり、メインの素材が薄くて、通気性がよいので、夏も快適。とても軽いのもいいですね。
なかなか話しにくい、聞きにくい、インナーのこと。
登山のときは専用のブラを使ったほうがよいのでしょうか?
佐智さん
ウェアは登山用のものを揃えていても、ブラのことを考えるのは後回しになりがちです。でも、バストを支えているクーパー靱帯が、揺れによって伸びたり切れたりしてしまうと、再生しないと聞いて・・・。愛用している「メッシュスポーツブラ」はバストの上のほうに伸びないパーツがあって、ここで揺れを止めてくれます。縦方向の揺れ幅をぐっと小さくして、クーパー靱帯を守る、やさしいブラですね。
全体のフィットが均一で、ここだけキツイということがないので、安定感がありつつ、着用感はスムーズ。ストレスを感じやすいアンダーゴムが工夫されていて、とても柔らかく、よく伸びるので、とても快適です。薄いので汗抜けもいいですよ。
ブラは心臓を覆っているので、できるだけ冷やしたくないところ。背面は全面メッシュで汗がたまらず、乾きが速いですし、ブラパッドの汗抜けもよいので、その点でも合格です。
下山後〜日常生活で気をつけていることはありますか?
次の登山のためにできることがあればおしえてください。
佐智さん
下山後は一旦、腰から下をよく冷やして、筋肉や関節のほてりを抑えています。温泉に寄って水風呂に入るのが定番で、夏は10分ほどになることも。そうすると、温泉から出たあとの体の軽さが違いますね。日焼けで乾燥した肌の保湿も忘れずに。
水分不足を感じたら、消費した分+α程度の量を夜までに飲んで、その日のうちに帳尻を合わせておきます。体内の循環を通常に戻すことで、回復も早くなりますよ。たんぱく質やビタミンCを摂って、睡眠時は体を冷やさないようにしたいですね。最近、リカバリーウェアを着るようになったのですが、冷えを感じず、よく眠れています。私の回復のバロメーターは目覚めのよさ。小さなことをコツコツと積み重ね、回復を早めることで、次の登山への英気を養います。
体力面では山に登らない日が長く続かないようにしていますが、難しい場合は5~6kmのランニングでコンディションを整えます。平日はお仕事、週末に山という生活でしたら、ウィークデイに軽い負荷をかけるといいですね。
リカバリーウェア、すごく気になります。
着るだけのコンディションニングというのがいいですね。
佐智さん
お腹を冷やすと体調をくずすので、以前から山小屋や下山後に光電子素材のボディウォーマーを愛用しています。山では思っている以上に体が冷えているので、光電子の体を温めるチカラは、私にとってマストです。リカバリーウェアの「リポーズ」も光電子素材。普段はパジャマとして着ていますが、Tシャツを山小屋でのリラックスウェアとして持って行ってもいいですね。ゆったりしているので、気分もほぐれますし、丈が長めで腰までしっかりカバーしてくれるので、温かく寝て、翌朝までの回復を助けてくれれば・・・。
下山して、温泉のあとに着るために、ワンピースがあると嬉しいなぁと、C3fitさんにリクエストしているところです。レッグウォーマーと合わせたら、おしゃれで、リラックスできて、リカバリーも。素敵ですよね。
取材日:2018年6月15日/山梨県・塩山にて