Interview インタビュー
プロ・アドベンチャーレーサーの田中陽希さんは、2018年1月1日から、「日本3百名山ひと筆書き」に挑戦中だ。
1年半とも2年とも言われる人力旅は、身体を酷使するに違いない。四国を旅する田中陽希さんにお話を伺った。
協力=ゴールドウイン(C3fit)、人力チャレンジ応援部、剣山頂上ヒュッテ
Advertorial
「日本3百名山ひと筆書き」は、1月1日に屋久島をスタートしてから、約5ヶ月が経過しました。
すべて人力で、毎日のように歩き、山に登って、ロードを歩いて、たまにカヤックで海を渡ったりして…ここまで三百名山中、34座に登りました。
長い長い人力旅ですが、体調はいかがですか? 一日何kmくらい歩いているのですか?
陽希さん
今回の「日本3百名山ひと筆書き」の旅では、これまでの百名山、二百名山の時と違い、この日までに終わらなければ、という最終日を決めていません。これまで2回の旅では、山以外の移動距離を1kmでも短くしようと切り詰めて最短距離を考えて歩いていたのですが、今回は、山をつないで登るだけでなく、各地の「日本一探し」や「名所巡り」などの寄り道をして、自分の旅を楽しんでいます。計画よりは1ヶ月半程度、遅れていますが、気にしていません。移動距離は、長い日は一日50kmということもありましたが、平均して30~40kmくらいです。コンディションを保つうえで、このくらいが「無理のない距離」という感覚がわかってきました。
ハードな山行を支えるサポートタイツについて教えてください。
陽希さん
サポートタイツはC3fitの「エレメントエアー」を使っています。2017年に発売されたモデルで、今回の旅でも着用しています。ロードのときはあまり穿いていませんが、山に入るときは必ず穿いています。「エレメントエアー」を選ぶ理由は、とにかく軽くて、通気がよく、速乾性が高いこと。また脚部や膝部分のサポート力が適度で、長時間穿くことができ、登山時の疲労を最小限に抑え、脚や膝の負荷を軽減してくれることです。
膝部分のサポートパーツは、適度なサポート力で、脚部の動きを妨げない構造になっています。私は疲れが膝に出やすいのですが、「適度なサポート力」というのがとてもよいと感じています。さらに、これまでのサポートタイツより丈夫にできていると思います。ポイントは、サイドの生地と、膝部分のサポートパーツです。サイドの「ふはく(布帛)」と呼ばれる生地は、乾くのがとにかく速い。川や沢に飛び込んでも、歩いているうちに乾いてしまいます。そしてこの部分は丈夫で、ヤブを歩いてもひっかかりにくく、全く問題ありません。
それから、C3fitには磁気の力で血行を改善する「マグフロー」というアイテムがあります。これは、アドベンチャーレース中のバイクセクションや、カヤックセクションで使っていました。長い時間、同じ姿勢をしたままのバイクやシーカヤックでは、マグフローの腰ベルトをすることで、腰部分が固まってしまうのが軽減され、体を動かしやすくなります。実は今回の旅でもシーカヤックの時に使っています。
ご自身の体のコンディションについて、日々、心がけていること、実践していることはありますか?
陽希さん
移動して、山を登ってを繰り返していますので、その日の行動が終わったら、入念にストレッチをします。前屈したり、足を前後に開いて腰を落としたり、腰を曲げて背中を伸ばしたり、ストレッチのやり方は、ごく普通のものです。
例えば、ここ剣山への縦走の前日は、上り基調の50km程のロードでした。そこから山に入ったのですが、そうするとお尻に張りが出て、次にハムストリングスが張って、最後は膝に痛みが来ました。騙し騙し歩いていると順番に痛みが来るので、リカバリー対策は欠かせません。
疲労が激しいと思ったときは、処方されているアロマオイルを使ったセルフマッサージをして、身体をほぐすこともあります。
リカバリーという観点では食事も大切ですね。気をつけていることはありますか?
陽希さん
疲れたときに、つい好きなもの、甘いものを食べてしまったりするのですが、基本的には栄養バランスを考えて食べるようにしています。
山でテント泊、避難小屋泊の時より、旅館や民宿に泊まった時の方が、バランスのよい食事が取れます。
一日何Kcalを採るとかを計算しているわけではありませんが、エネルギー消費は激しいので、山での行動食を買うときは、まずカロリーを見ます。次に、重さ、かさばらないか、そして、美味しく食べられるかの観点で、高カロリーのものをいかにコンパクトに軽く持ち運べるか、で選んでいます。もうひとつ、コンディションやリカバリーで気をつけているのは、よく寝ることです。寝付きはよいほうなので、毎日、泊まる宿が変わっても、眠れないということはないです。むしろ、疲れ過ぎている時や、身体がほてった状態だと、寝付きが悪かったり、十分眠れなかったりするので、暑ければ風呂で水を浴びるとか、アイシングするとか、工夫しています。
それから、毎日歩いているので下半身はよく使われ、鍛えられていくのですが、上半身は意外と動いていなくて、背中や肩が凝るので、上半身の筋力維持、体幹の鍛錬、同時に、「ほぐす」という目的で、心地よく刺激する程度に腕立て伏せをする、なんていうこともあります。
C3fitにはリカバリーアイテムもありますね。
陽希さん
長い旅を続けるために、疲れた身体はできるだけ短い時間で回復させ、翌日には元気にスタートしたいと考えています。リカバリーに適したアイテムとして、行動を終えて、休むときに着るという、C3fitのリカバリーウェア「リポーズ」シリーズがあります。
旅に出る前、自宅で使ったのはスウェットタイプの上下でしたが、寝付きが良くなって深く眠れた、という実感がありました。シャツは軽くて、柔らかくて着心地がよかったです。荷物に余裕のある山小屋泊山行の山小屋で着たり、ベースになるところまではラクに行けて、そこを拠点にあちこちの山に行くような山行で、ベースキャンプで着たり、長時間のフライトでリラックスしたいときに着たり、という使い方ができるでしょう。Tシャツタイプのものは軽いので荷物に忍ばせてもよいでしょう。
四国の山はこれで終わりですね。この先はどんな予定ですか。
陽希さん
三百名山としては終わりですが、最後に「讃岐富士」にも登りたいと思っています。
ほかには、金刀比羅宮や丸亀城にも立ち寄って四国の旅を終える予定で、岡山へはシーカヤックで渡る予定です。応援よろしくお願いします。
取材日:2018年5月21、22日/徳島県・剣山にて(撮影:水谷和政)