モデル/登山YouTuber
安涼奈(アリョーナ)
モデル/登山YouTuber・安涼奈(アリョーナ)
「日本の山の魅力を世界中に発信したい!」
ロシア人として初の、
日本三百名山完登に挑戦中
4年前に穂高連峰を見てから、すっかり登山の魅力に取り憑かれた安涼奈さん。
日本百名山登頂を達成したなかで思い出に残る山、外国出身の視点から見た日本の山の魅力、将来のビジョンとは?
東京の山の中でも、彼女が以前から登ってみたかったという三頭山(1531m)で、お話をうかがった。
文=大関直樹、写真=加戸昭太郎、デザイン=オレンジ社
協力=コロンビアスポーツウェアジャパン[PR]2024.06.18
登山を始めてから約2年半で、
日本百名山を完登
安涼奈さんは、とても日本語が上手ですが、日本に来るきっかけを教えてください。
子どものころに見たアニメで、初めて日本のことを知りました。「カードキャプターさくら」という作品なのですが、登場するキャラの生活を通して日本の文化や歴史などに興味を持ったんです。その後、2014年に留学生として来日しました。2019年に東京大学法学部を卒業後、2021年に東京大学公共政策大学院に入って、修士号を取得しました。
日本に来てすぐに山に登るようになったのですか?
いえ、最初は全国47都道府県を巡る旅をしたんです。日本は、南北に長いので同じ季節でも雪がある地域もあれば、山に登れる地域もあるし、海水浴ができる地域もあります。それが魅力で、2017年までの約3年をかけて全国をまわりました。登山をやりたいと思ったのは、2020年の8月に上高地に行った時です。穂高連峰を見て「こんなきれいな山に、なぜ私は登っていなかったんだろう?」と思いました。そして翌年から日本百名山をめざすことにしたんです。
百名山の動画はYouTubeにもアップされていますね。登山を始める以前から旅などの動画を投稿されていますが、投稿を始めるきっかけはどんなことだったんでしょうか?
自分が旅をして発見した日本の田舎の魅力を伝えたいと思ったんです。動画を撮影することで、あまり知られていない日本の地方を活性化することが私の夢なんです。その地域の山の魅了を伝えることも地域を盛り上げる方法の一つだと思い、登山チャンネルを別で開設しました。
約2年半で日本百名山を完登されましたが、一番お気に入りの山はどこでしょうか?
一番を選ぶのは無理です、この質問にお答えできません(笑)。パッと思いつくところ5つなら大丈夫です。北から挙げていくと、まずは利尻山(1721m)ですね。ここは、お天気にも恵まれて、人との出会いもすばらしくて忘れられない山です。しかも、最北端&島山の百名山なので、自然や山の雰囲気もほかとは全然違うんですよ。本当に大好きです。
利尻山(左)、鳥海山(右)(写真=安涼奈)
利尻山(上)、鳥海山(下)(写真=安涼奈)
鳥海山(2236m)も外せないですね。ちょうどニッコウキスゲが咲く季節に行ったのですが、黄色いお花と緑の若葉と白い雪のコントラストがきれいでした。遠くに海がどこまでも広がっていく景色は、百名山の中でも唯一無二だと思います。体力的にキツくないコース選びも可能なので、気軽に絶景を楽しみたい人におすすめです。
安涼奈さんは、とても説明が上手ですね! 教えていただいた山に行きたくなってきました。
ぜひ、出かけてみてください(笑)。あとは、巻機山(1967m)も大好きです。百名山の中ではメジャーではありませんが、残雪期の上越の山は景色がすごいんですよ。標高は2000m弱なのですが、稜線には樹木が少なくて、気持ちのいい稜線歩きを楽しめます。山頂部には池塘があって、私が行った時期にはミズバショウが咲いていました。
巻機山の池塘とミズバショウ(写真=安涼奈)
日本アルプスは、いろいろな山があるので本当に選べないんですけど、あえて言うなら空木岳(2864m)が好きです。景色がめちゃくちゃいいんですよ。街が近くに見えるのも感動でした。静かな山で、登るのも意外と大変なんですけど、山頂からの景色は、本当にごほうびでした。
空木岳山頂(左)、剣山への縦走路(右)(写真=安涼奈)
空木岳山頂(上)、剣山への縦走路(下)(写真=安涼奈)
最後は、四国の剣山(1995m)ですね。四国の山は本州の山とは違った独特の雰囲気があるんですよね。特に三嶺(1893m)から剣山までの縦走路は長いですが、次郎笈(1930m)手前ぐらいまで来ると、一面に笹原が広がっているんです。この景色が本当にすてきで、特に紅葉の時期がおすすめですね。
日本の魅力は、街の近くに
大自然が広がっていること
では、日本百名山で一番キツかったのは、どこでしょうか?
それは、すぐにお答えできます(笑)。ダントツ一位で幌尻岳(2053m)ですね。この山はコース自体も体力が必要ですが、難所が二つあります。ひとつは、小屋の予約が取れないこと。もうひとつは、徒渉があるので天気が悪くて水量が多いと渡れないんです。天気に関しては。直前にならないとわからないので本当に難しいです。私は、日帰りで行ったのですが、13時間くらいかかりました。最強の思い出作りができましたけど、最強に体力を削られてしまいました(笑)。
幌尻岳(写真=安涼奈)
安涼奈さんの動画を拝見すると、たくさんの情報が盛り込まれていることに驚きました。
しゃべりすぎていますか(笑)。私は調べることが大好きで、毎晩寝る前に日本三百名山のガイドブックを読んでいるんですよ。そこでまずベーシックな情報を得て、興味が出てきたらさらに調べるようにしています。だから、いつでも頭の中には、日本地図がはっきりと浮かんでいます。
日本とロシアの山を比べると、日本の山の魅力はどんな点だと思いますか?
街からそれほど離れていなくても、大自然が広がっている点ですね。日本だと「明日休みだし、天気もいいから山に行こう!」と気軽に出かけられますよね。ロシアの場合は、街と山の距離が離れていることが多く、バスなどの公共交通機関もそれほど充実していないので、山に行くまでが大変なんです。日本のように身近に山や渓谷があるというのは、本当に贅沢なことだなと思います。
まだ知られてない日本の
すばらしさを発信したい!
なるほど! では、安涼奈さんにとって登山の魅力は、どういうものでしょうか?
私の場合は、主に3つですね。①景色、②カラダを動かす楽しみ、③達成感です。樹林帯も稜線の縦走路も、活火山も、山の景色は全部好きです。また、小さなころには新体操をやっていて、運動がもともと好きだというものあります。そして、登ったときの達成感は本当に気持ちいいですね。山頂に着くと「はい、よくできました!スタンプあげましょう」みたいな(笑)。達成感があると人間ってキツくてもがんばれちゃいますよね。百名山に登るというのも、結局は自己満足でしかないと思うのですが、それが自分の原動力になっています。そういう意味では、ジコマンってそんなに悪いものじゃないんですよね。
では、最後に今後の活動について教えてください。
自分の登山としては日本百名山を完登したので、二百名山、三百名山と山梨百名山、日本百高山を同時並行で登っているところです。三百名山に関しては、完登したらロシア人としては初なのではと思います。今のところ144山に登ったので、再来年には達成できるでしょう。YouTubeの活動としては、動画に字幕をつけて外国人に日本の山について紹介したいですね。というのも、私自身も日本中を旅したことで、あまり知られていないけどすばらしい場所がたくさんあることを知りました。日本を訪れる外国人にも、ぜひそういう場所に足を運んでもらって、もっと日本を好きになってもらえたらすてきだなと思っています。
プロフィール
安涼奈(ありょーな)
1994年、ロシア生まれ。2014年に留学生として来日、2023年に東京大学公共政策大学院修了。現在は会社員として勤務するかたわら、登山YouTuberとしても活躍。
http://www.youtube.com/@aryon_yama
Enjoy Your
Mountain Life!
エンジョイマウンテンライフ
シリーズとは︖
昨シーズンにコロンビアがローンチした新たなコレクション。その名のとおり“アウトドアをもっと楽しんでもらいたい”というメッセージが込められたアイテムで構成。このコレクションの特徴は、山を快適に楽しむためには機能面だけでなく、気持ちの高揚も大切であるというコンセプトから、デザイン性も兼ね備えている点にある。
ウィメンズ
エンジョイマウンテンライフ
オムニフリーズゼロ ジャケット

コロンビアらしいカラフルな着こなしが楽しめる女性用サマージャケット。素材には汗を利用してウェア内の温度を下げる、コロンビア独自の冷却機能「オムニフリーズゼロ」を採用。汗を素早く乾かす「オムニウィック」をプラスしたことで、真夏の山歩きでもベタつかずドライで快適な着心地を楽しめる。シルエットはゆったりとしたリラックスフィットなので、アウトドアフィールドだけでなく、タウンユースでも着回し可能。
ウィメンズ
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オムニフリーズゼロ スカート

レギンスと合わせたレイヤードスタイルで楽しみたい女性用スカート。こちらもジャケット、Tシャツと同様に「オムニフリーズゼロ」&「オムニウィック」が採用され、暑い日でも涼しいコーデを満喫できる。ウエストはドローコード仕様なので、イージーアクションで好みのフィット感に調整可能。裾中央のスナップボタンでパンツルックに変えられるので、2wayの着こなしが可能だ。

安涼奈さんコメント
スカートを履いているのを忘れてしまうくらい軽くて、動きやすいです。ウエストが、ベルトではなくドローコードになっているのも着心地をアップさせていると思います。またスカートなのにポケットが4つもついているのが便利ですね!
ウィメンズ
エンジョイマウンテンライフ
オムニフリーズゼロショートスリーブTシャツ

ポップでキュートだけど少し毒のあるイラストレーターとして大活躍中のtoyameg(トーヤメグ)さんとのコラボTシャツ。かわいいデザインながら、コロンビア独自の冷却機能「オムニフリーズゼロ」と吸汗速乾機能「オムニウィック」搭載で、機能性も抜群。ピケ素材(生地の表面に凹凸のある素材)なので肌との接触面積が少なく、夏でもさらっとした着用感が特徴だ。
その他着⽤アイテム
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安涼奈さんコメント
コロンビアのウェアは、色の使い方が独特な点がすてきだと思います。このジャケットのアースカラーも山になじむ感じでとてもかわいいですね。生地が柔らかくて動きやすいのも、気に入っているポイントです。