「ふくしま尾瀬
写真フェス2022」
イベントレポート
檜枝岐村の自然体験ツアーと
カメラマンに教わりながら
ふくしま尾瀬を歩いたフォトツアーの様子を
動画と合わせてご紹介します。
美しい尾瀬沼と風情ある檜枝岐村を巡る旅。
登山系YouTuber山下舞弓さんと歩く、尾瀬の自然体験ツアー
美しい尾瀬沼と風情ある檜枝岐村を巡る旅。登山系YouTuber山下舞弓さんと歩く、尾瀬の自然体験ツアー
8月中旬。尾瀬ではニッコウキスゲなどの初夏の花が花弁を散らし、イワショウブやミズギクなどが湿地帯を彩ります。そんな夏真っ盛りのシーズンに、モデルであり、最近は登山系YouTuberとしても活躍している山下舞弓さんと、尾瀬と山麓に位置する檜枝岐村を巡るツアーが開催されました。
初日は沼山峠から宿泊地である尾瀬沼ヒュッテへ。先導してくれるのは、山岳ガイドの平野公樹さん。道中に生えるキノコや小さな実を一つ一つ丁寧に教えてくれました。樹林帯を抜けると、開放感溢れる大江湿原です。風に揺れる草花が、一行を優しく出迎えてくれました。宿泊先の尾瀬沼ヒュッテでは、地元の舞茸を使用した炊き込みご飯など、檜枝岐村の特産品を堪能。夜には尾瀬沼ビジターセンターで星座について学ぶ講演会が開かれるなど、布団に入るまで充実した一日となりました。
翌朝。尾瀬沼には朝霧がかかり、背景の燧ヶ岳を幻想的に見せてくれました。この日は沼尻の湿原まで歩きました。沼尻には大小いくつもの池塘が点在しています。湖面に浮かぶのはヒツジグサという水草の1種。可愛らしい姿にみなカメラを構えていました。尾瀬沼を堪能して、沼山峠まで戻ります。今回のツアーは尾瀬のトレッキングだけではありません。尾瀬の麓にあり、古くからの伝統が受け継がれる檜枝岐村を観光します。まずは腹ごしらえ。檜枝岐村の郷土料理「裁ちそば」をいただきます。つなぎを使用しない生そばを2mmほどの厚さに伸ばし、何枚かに重ね、手を定規のようにあてて、布を裁つように切ることからその名がつけられました。程よいコシの強さと噛んだ瞬間に広がる風味のよさに、一同大満足な様子でした。
その後は檜枝岐村散策ガイドの星長一さんの案内で、檜枝岐村の名所を巡りました。平安遷都に伴う権力闘争に敗れたの藤原氏、源平合戦に敗れた平家の落人などがこの地に移り住んだという伝説が残っています。豪雪地帯で四方を山に囲まれた秘境は、古くからの伝統が受け継がれています。その最たる例が「檜枝岐歌舞伎」でしょう。江戸時代から代々受け継がれてきた歌舞伎は、役者から裏方まですべて村民によって行なわれます。神社への坂がそのまま自然の観覧席となっている歌舞伎場に立つと、一同感嘆の声が出ていました。
尾瀬の自然と檜枝岐村の文化に触れる、濃密な2日間となりました。
尾瀬沼から尾瀬ヶ原、そして燧ヶ岳へ。
尾瀬の名所を巡る写真ツアー
尾瀬沼から尾瀬ヶ原、そして燧ヶ岳へ。尾瀬の名所を巡る写真ツアー
「やっぱり尾瀬は美しいですね。少し歩みを進めるだけで、また違った景色が見えてきて、写真を撮っていてすごく楽しかったです」(松本茜さん)
カメラマンの松本茜さんに撮影の技術を教わりながら、尾瀬沼と尾瀬ヶ原、燧ヶ岳を巡るフォトツアーが開催されました。
季節は7月下旬、沼山峠登山口から登り始めたツアー参加者がそろって歓声を上げたのは、ニッコウキスゲが咲き誇る大江湿原でした。カメラの構えるポイントが迷うほどの一面の花畑に興奮しながらも、参加者に撮影方法を教える松本さん。美しい湿原の撮影を堪能した後は、宿泊地の長蔵小屋で疲れを癒やします。
翌朝。幽玄に湖面を滑る朝霧が我々を出迎えてくれました。太陽が山間から顔を出すと、光が霧に包まれて、神秘的な風景が広がります。この日は午後に雨がちらつく予報だったので、当初の計画を変更して尾瀬沼から尾瀬ヶ原を周遊することに。尾瀬ヶ原に至るまでの道中、道脇に咲く花やキノコ、葉の上で丸まる水滴など、撮影対象は盛りだくさん。松本さんが参加者ひとりひとりに撮影方法を伝えていきます。途中で雨がパラつきましたが、宿泊先の原の小屋につく頃には青空が見え始め、尾瀬ヶ原から雄大な燧ヶ岳を望むことができました。
3日目はいよいよ燧ヶ岳への登頂。見晴新道をじわりじわりと高度を上げ続けた先には、東北以北で最高峰の柴安嵓(しばやすぐら)、そして尾瀬沼を一望できる俎嵓(まないたぐら) に到着します。霧の切れ間に尾瀬沼と尾瀬ヶ原が見えた時には、一同満面の笑み。ゴールの御池に至る道中でも、ワタスゲの群落がすばらしい熊沢田代や浅湖湿原で撮影会が開かれます。
最初から最後まで、尾瀬の美しい風景を堪能し、最高の形で写真におさめることができた3日間でした。
お問合せ先
山と溪谷社 ふくしま尾瀬・写真フェス2022事務局
MAIL : ad_info@yamakei.co.jp
主催=福島県生活環境部自然保護課
協賛=関東地方環境事務所、檜枝岐村
企画・運営=山と溪谷社
主催=福島県生活環境部自然保護課
協賛=関東地方環境事務所、檜枝岐村
企画・運営=山と溪谷社
文=西村怜