至仏山
高山植物の宝庫・至仏山をぐるりと巡る
1泊2日 | 体力度 ★★☆
みどころ
  • 山開きの7月初旬から下旬が花の楽園となる
  • 灌木類の紅葉も美しく秋にも訪れたいコース
高天原から山頂に続く長い階段。山頂はすぐそこ

至仏山は蛇紋岩で構成され、オゼソウやジョウシュウアズマギクなどめずらしい植物が咲き、花好きをうならせる。7月中旬の花の盛りには、タカネシオガマやイブキジャコウソウなど艶やかな紫色の花が開花して、とても華やかだ。

鳩待峠からは1時間ほどで山ノ鼻に到着する。翌日に疲れを残さない範囲での尾瀬ヶ原散策も楽しい。おすすめは、池塘の景色が美しく至仏山の全景を眺められる上ノ大堀までの往復だ。山ノ鼻から続く至仏山の東面登山道はほぼ直登。ペースを乱さずに登ろう。森林限界を過ぎると眺望が開け景色が一変、タカネトウウチソウやシブツアサツキなど珍しい花々が所狭しと咲き誇る。高天原にはベンチもあり、休憩にも最適だ。

山頂からの眺望もすばらしく、尾瀬ヶ原や燧ヶ岳はもちろん、谷川岳や上州武尊岳などぐるりと望める。悪沢岳分岐手前のベンチは最後の高山植物ポイント。その可憐さを目に焼きつけて鳩待峠に下山しよう。

オヤマ沢田代からは山頂が小さく見える
ゴツゴツとした蛇紋岩でできた至仏山山頂
ピンク色が艶やかなイブキジャコウソウ
東面登山道からは尾瀬ヶ原が眼下に広がる
オゼソウ

至仏山で見ることができるオゼソウはとても希少な植物で、日本固有の一属一種。至仏山以外では、谷川岳と北海道北部の天塩山地など限られた場所でしか見ることができない。オゼソウのためだけに至仏山に登る人もいるほどだ。ちょっぴり地味な見た目のため、気がつかずに通り過ぎてしまう人も多いのが残念。一株見つけられれば、その周りにまとまって群生していることが多い。

計画をたてる

CourseTime
[1日目]計50分
鳩待峠⇒ 山ノ鼻
[2日目]計4時間10分
山ノ鼻⇒ 至仏山⇒ 小至仏山⇒ 鳩待峠
Advice
花の最盛期である7月上旬~中旬、山頂付近に雪が残る場合がある。チェーンスパイクなどの滑り止めをお守り代わりにバックパックに入れておきたい。また蛇紋岩は濡れるとツルツルになり、とても滑りやすい。雨天時には手も積極的に使い、転倒には充分注意しよう。

写真・文=浅井理人

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