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ふくしまの山に登ろう

紅葉の安達太良山ツアーレポート

福島(ふくしま)ってどんなところ?

1
百名山
7座ある

実は隠れた山岳県

福島県内には北から飯豊山、吾妻山、安達太良山、磐梯山、三本槍岳(那須岳最高峰)、会津駒ケ岳、燧ケ岳の7座、日本百名山があり、東北6県の中では最も百名山の多い県です。

2
東京から
1時間半到着!

意外と近い

東京駅から福島駅までは新幹線で約1時間半!思っていたより気軽に行ける福島県。手前の郡山駅で乗り換えれば、会津方面、いわき方面へそれぞれ向かうことができます。

3
温泉地の数が
全国第5位

県内の温泉地数は131箇所

登山の疲れを癒してくれる下山後のお楽しみが温泉。福島県内の温泉地数は全国第5位!宿泊施設の収容人数も全国第5位!!ぜひ福島でゆっくりしていってください。

※温泉地数、宿泊施設収容人数は平成28年度 温泉利用状況(環境省)より

福島で登山するなら…?

個性が光る5座をご紹介

東北屈指の名峰、飯豊山 趣ある山小屋が迎えてくれる、安達太良山 花に囲まれた展望稜線歩き、会津駒ヶ岳 紅葉が美しい霊峰、霊山 会津のマッターホルン、蒲生岳

福島県内には日本百名山7座の魅力に勝るとも劣らない、初心者から経験者までが幅広く楽しめる山々がそろっています。
日本百名山の中から「飯豊山」「会津駒ヶ岳」「安達太良山」の3座と、岩稜と紅葉の組みあわせが美しい「霊山」、その山容から会津のマッターホルンと呼ばれる「蒲生岳」の、県内でもとくに個性際立つ2座をご紹介

写真:飯豊山

東北屈指の名峰
飯豊山 いいでさん

日本百名山/東北百名山/会津百名山/うつくしま百名山

標高:
2,105m
難易度:
上級
歩行時間:
1日目 8時間25分/2日目 6時間55分
写真:安達太良山

趣ある山小屋が迎えてくれる
安達太良山 あだたらやま

日本百名山/東北百名山/会津百名山/うつくしま百名山/花の百名山

標高:
1,700m
難易度:
中級
歩行時間:
1日目 2時間55分/2日目 1時間40分
写真:会津駒ヶ岳

花に囲まれた展望稜線歩き
会津駒ヶ岳 あいづこまがたけ

日本百名山/東北百名山/会津百名山/うつくしま百名山/新・花の百名山

標高:
2,132m
難易度:
上級
歩行時間:
1日目 5時間20分/2日目 3時間40分
写真:霊山

紅葉が美しい霊峰
霊山 りょうぜん

東北百名山/うつくしま百名山

標高:
825m
難易度:
初級
歩行時間:
2時間
写真:蒲生岳

会津のマッターホルン
蒲生岳 がもうだけ

東北百名山/会津百名山/うつくしま百名山

標高:
828m
難易度:
中級
歩行時間:
2時間50分

紅葉の安達太良山モニターツアー

福島県では、県内の登山をきっかけに、その土地の様々な食、温泉、文化を学び、体験してもらうツアーを実施中。 今回は、福島県民においても、その魅力を知って、気軽にまた来てもらおうと、県内の「浜通り」に住む3組6人のみなさんに、岳(だけ)温泉に泊まり、山麓の魅力を知り、健康チェックなども体験しながら、地元ガイドと安達太良山(あだたらやま)を歩くモニターツアーに参加してもらいました。

紅葉の安達太良山トレッキング

今回のツアーにご参加いただいたみなさんをまずご紹介しましょう。
アルプスの山々も楽しまれている、登山はベテラン、宮守さんご夫妻。安達太良山に何度も登っていてとっても詳しい山上さんご夫妻。そして、今回のツアーでみなさんが思わず笑顔になる可愛さを存分に振りまいてくれた10歳の佳実(かさね)ちゃんとお母さんの花房さん親子。
そして、ゲスト6名を案内してくれた、登山ガイドと和菓子職人の2つの顔を持つ渡辺茂雄さん。
この7名で安達太良山トレッキング、スタートです。

圧巻!彩(いろどり)の大斜面

あだたら山ロープウェイに乗り込み、標高1,350mにある山頂駅へ。天候が心配されましたが、到着する頃には青空まで覗くほどに回復し、「智恵子抄」に出てくる「ほんとの空」が雲の隙間から見えました。

大斜面を覆いつくす色鮮やかな紅葉

紅葉にしばし見とれる

歩き出してすぐ、目の前には一面に広がる紅葉の大斜面。みなさん思い思いにシャッターを切りながらその色彩に夢中です。霧がかった紅葉は、夏のにぎわいとは対照的に、秋の静けさを演出してくれていました。

天気に負けない笑顔で登頂!

みなさん登山はもう慣れたもの、途中、より近づいた大斜面の紅葉が見事なフォトスポットで立ち止まった程度で、いいペースのまま登り続け、気が付けば山頂に到着となりました。

笑顔で全員集合

「乳首」上の新しくなった看板と一緒に

今年新しくなったという看板を手に、山頂の祠の前で代わる代わる記念撮影。スッキリ晴れなくとも、やっぱり山頂に立つとうれしいもの。みなさん素敵な笑顔で写真に収まりました。

源泉見学と湯守のはなし

紅葉に囲まれた登山道

くろがね小屋でランチタイム。前日に購入したパンをほおばる

山頂を出発した一行は、沼ノ平を経由してくろがね小屋へ。
カラフルな紅葉に彩られた谷を下って行きます。
小屋でランチを済ませた後は、今回のツアーで楽しみにされていた方も多い「源泉見学」へ。

岳温泉には源泉を守る「湯守(ゆもり)」と呼ばれる方々がおり、麓の温泉街へ安定した温泉を送り込むため、日々源泉の管理をしています。渡辺さんも昨シーズンの冬まで湯守を担っておりました。

源泉はくろがね小屋の周囲に15箇所あり、漂っていた温泉独特の硫黄臭は、源泉に近づくと一層強くなります。

まずは「点検口(てんけんこう)」を見てみます。蓋を開けると、いくつかの源泉から集められた、たっぷりの温泉が勢いよく流れていました。その勢いに、覗き込んだ全員一斉に「おおおおおっ!」と声が揃い、同時に、少しむせるほどのにおいが一気に広がりました。
そして点検口の周りにはたくさんの湯花が。全部で20数か所ある点検口を、湯守の方々が定期的に掃除してくださるお陰で、約8km離れた麓の温泉街へと温泉が運ばれ、訪れる方々を楽しませているのです。

渡辺さんの話にみなさん真剣

点検口(集合升)下の管はここまでに集められた温泉が流れ(本線)、上の管からは、次の源泉から染み出た温泉が流れ込んで本線と合流する

染み出たばかりの源泉は無色透明。空気に触れる湯花ができ、白くなる

雪の時期にこの源泉を探し当てる大変さを話す渡辺さん。写真右に見える竹の棒は積雪時の源泉の場所の目印となる

続いてはいよいよ源泉へ。案内していただいた源泉は50度くらいなので、参加者のみなさん順番に触ってみることに。「触れるけれど、浸けてはいられないよっ!」という温度で、お湯に手を付けたままの写真などは悠長に撮っていられないよう。

冬になると、一面雪で覆われるため、まず雪を掘って源泉や点検口へたどり着くまでが一苦労なんだとか。さらに、雪の下には有毒なガスが溜まっているため、源泉の周囲から慎重に掘り進んでいくそう。まさに湯守のお仕事は命がけです。
このような苦労があってこその岳温泉、知ってから入るのと知らずに入るのでは、気分も変わりますね。

しっとりとした登山道も秋らしくて良い

源泉見学を終え、登山口へと下山します。
みなさんさすが登山慣れしているからか、途中小雨の降る中での山行でしたが、疲れを見せず、笑顔で登山口に到着。
ここでガイドの渡辺さんとお別れのご挨拶をして、紅葉の安達太良山トレッキングは終了となりました。

山登りしてるから大丈夫?
「ロコモチェック」で
自分をチェック!

健康の維持や体力の増進を目的として、岳温泉観光協会には「山歩き+温泉」に加えて「ロコモチェック(基礎体力テスト)」を体験できるプログラムが用意されています。
「ロコモ」とはロコモティブシンドローム(運動器症候群)の通称で、立つ、歩くといった移動機能が低下している状態をいいます。この低下具合を「ロコモ度」として、簡単な体力テストを行うことで、自身の移動機能を数値化して見ることができます。

さて、登山を普段から楽しんでいるみなさん、テストの結果はどうなったでしょうか?

今回のツアーで宿泊した宿「mt.inn(マウントイン)」の広間と廊下を使って、ロコモチェックを実施しました。
岳温泉観光協会からトレーナーの方が来てくださり、まずはロコモについての説明から。みなさんどのようなテストをするのかと、緊張の面持ちでスタート。

歩行時の上下左右への加速度を測るベルトを装着して歩く

高さの違う台座から立ち上がる。無事に立てると笑顔がこぼれる

テストの内容は簡単で、まっすぐ歩く、片足で立つ、大股で歩くなど。始まってみると、みなさんの表情も一気にやわらぎ笑顔に。
一番の盛り上がりを見せたのは、高さの違う4つの台座から片足だけでまっすぐに立ち上がるというもの。これによって脚力・柔軟性・バランスという歩くための基礎体力を測ることができます。簡単そうに見えてこれがなかなか難しい。台座の高さが低くなるほど難しく、テスト中の方がヨレヨレっとなると、笑い声や「おしいっ!」といった声が上がり、スクッと立ち上がれると拍手喝采でとても楽しそうでした。
実際に体を動かすテストのほかは、簡単な質問に答えることで健康度を測ることができ、みなさんそれぞれのロコモ度を確認できました。

片足で立とうとすると、オットット…

結果を用紙にまとめていく

岳温泉観光協会では、個人のお客様のロコモチェックも実施してます。通常の宿泊に加えて、登山、温泉、ロコモチェックのセットで、健康山旅、いかがでしょうか。
ロコモチェックの体験について、詳しくは岳温泉観光協会までお問い合わせください。

お問い合わせ先

(一社)岳温泉観光協会
福島県二本松市岳温泉1-16
TEL:0243-24-2310
ホームページ:http://www.dakeonsen.or.jp/

ご参加いただいた3組の
みなさんからいただいた感想

花房さん親子

安達太良山には何度も登っていますが、今回は初めてのガイドさん付きということで、今まで気が付かなかったことを知ることができ、とてもよかったです。次回はくろがね小屋で温泉に入って、カレーを食べたいです!

宮守さんご夫婦

湯守の話や源泉の見学など、普段の山行ではできない経験ができて、本当によかったです。また、紅葉が始まった山は綺麗で、雨でも楽しかったです。
ロコモチェックでは、移動機能の低下が始まっていたことがわかり、筋トレをしようと思います。

山上さんご夫婦

ツアーの応募動機であった源泉見学ができたのは本当によかった。岳温泉の長い歴史と、それを支えている人たちの営みを知ることができて、ますますこの山が好きになりました。
ロコモチェックは驚愕の結果に…。学んだことを活かしていきたいです。

スポット紹介

県立霞ヶ城公園/二本松城址
けんりつかすみがじょうこうえん/にほんまつじょうし

県立霞ヶ城公園/二本松城址

戊辰戦争で激しい戦火に巻き込まれ、二本松少年隊の悲話も残る二本松城址を自然公園と整備しています。昭和57年(1982年)に整備された箕輪門(みのわもん)や二本松の街や安達太良山を一望できる天守台が見どころ。

智恵子記念館/智恵子の生家
ちえこきねんかん/ちえこのせいか

智恵子記念館/智恵子の生家

安達太良山にある「ほんとの空の碑」でも知られる高村光太郎の作品「智恵子抄」のモデルであり、洋画家であった妻、高村智恵子の生家と、智恵子の作品を展示した記念館。現存3点という油絵と病床で制作された紙絵を見ることができる。

mt.inn
まうんといん

智恵子記念館/智恵子の生家

「アクティビティ好きのための温泉宿」というコンセプトで、季節を問わず、安達太良周辺でのアクティビティに便利なサービスが充実した宿。自慢の温泉は源泉かけ流し100%で、遊んで疲れた体をしっかり癒せます。

やまのパン屋しゃっぽ
やまのぱんやしゃっぽ

やまのパン屋しゃっぽ

ラムレーズンとクルミがたっぷり入った「やまのパン」が人気の、建物もかわいらしいパン屋さん。店内にはカフェも併設しており、その場で食べることもできる。「あだたら山のしゃっぽぱん」には目印の「乳首」もついてます。

  • 住所:二本松市馬場平146-14

福島県の山を旅しよう!山旅プランを「やまふく」でチェック

福島県では、県内の登山をきっかけに、その土地の様々な食、温泉、文化を学び、体験してもらう「登山・トレッキングツーリズム推進事業」を実施しています。
詳しくは、福島県の山と地域の魅力を紹介するウェブサイト「やまふく」をチェック!

<お問い合わせ>
福島県 https://www.pref.fukushima.lg.jp/index2.html
ふくしまの旅 https://www.tif.ne.jp/