ゴアテックス製品の優位性とは何か
ザ・ノース・フェイス マウンテンで副店長を務める芹澤さんに、ゴアテックス製品の優位性について聞いた。
ザ・ノース・フェイス マウンテン副店長
芹澤昌経 せりざわ・まさつね
ワーキングホリデーでカナダ・ウィスラーに滞在したとき、ザ・ノース・フェイスのショップや製品に感銘し、帰国後、ゴールドウインに入社。ショップにて接客を行なう。夏は登山、トレイルランニング、冬はBCスノーボードを楽しむ。
豊富な商品知識や登山スタイルに応じたウェアの提案など、接客に定評のあるザ・ノース・フェイス(以下、TNF)マウンテン副店長の芹澤さん。仕事柄、ゴアテックス製品に触れる機会は多いが、自身も以前からプライベートでゴアテックス ガーメント(ウェア)を愛用しているという。
「防水透湿性のあるシェルはいろいろ存在しますが、やっぱりゴアテックス ファブリクスを使ったシェルが〝抜け感〟があっていいんです。登っているときに、汗が背中からスッと抜けていく感じ……ほかにはないですね」
ゴアテックス ファブリクスは種類が多いのも特長。それぞれに個性があり、アクティビティによって使い分けると、ウェアの機能をより発揮できると芹澤さんはアドバイスする。
「トレイルランニングやスピードハイクのときは、ゴアテックス パックライト®プラスプロダクトテクノロジーを搭載したTNFのエンデュランスフーディを使います。防水性はもちろん、軽量コンパクトで、とても透湿性が高く、ベンチレーターを兼ねたポケットを備えています。心拍数が高くなるアクティビティに向いたシェルです」
止水ファスナーで軽量化。スムーズに上下に動き開閉のストレスがない
※着用カラーは秋冬展開なし
一方、一般的な登山では、TNFのベンチマーク的レインウェア、クライムライトジャケットを使用している。
「3層のゴアテックス ファブリクスで防水透湿性は充分で、防風性もあります。ゴア®マイクログリッドバッカーテクノロジーで、軽さと耐久性を両立しています。ストレスなく使えるフロント止水ジッパーやサイドポケット、ワンアクションで頭部にフィットするフードといった機能性の高さ、また、コストパフォーマンスも含め、総合的に優れたレインジャケットです。何より、しっかりハリのある着心地で、稜線歩きや悪天でも、着ていて安心感があります」
動きやすく丈夫なため汎用性が高く、どんな登山にもマッチするので、中・上級者はもちろん、登山初級者のファーストチョイスとしてもおすすめだ。
「最近、『ゴアテックスという素材を使ったウェアが欲しい』と言って来店されるお客様が増えましたね。メンブレン(膜)のことなど、防水透湿性を実現する技術的なことは詳しく知らない方が多いですが、『何やらすごいウェアがあるらしい』と。信頼性や快適性、機能性の高さを求めてのことだ思います」
例えば、レインウェアを買いに来た人には、登山スタイルや利用時期、シーンなどを聞き、いくつか候補を提示し、それぞれのメリット、デメリットを説明するという芹澤さん。
「実際に袖を通して質感や着心地を体感してもらい、かつ、その場ではわからない、ゴアテックス ファブリクスの優位性についてもお話しさせていただきます」
サイドポケットはフラップ付き。ベルクロでピタリと閉じるため、風が強いときでもバタつかない
※着用カラーは秋冬展開なし
夏場の低山歩きや急な登り、バックカントリーでのハイクアップといったウェア内が蒸れやすい状況でも、最も蒸れにくい防水透湿素材であること、防風性があり蒸れにくいので汗冷えや低体温症のリスクを軽減できること、防水透湿コーティングではなく、メンブレンなので耐久性があること、そして、万が一防水透湿性や防風性に問題があるときは、製品の保証をしてくれること、などを伝えるという。
「メンテナンスが簡単なのもゴアテックスガーメントの長所です。クライムライトジャケットなどのゴアテックス製品は、洗って汚れを落としたほうが撥水性や透湿性が蘇えるので、むしろ積極的に洗ってもらったほうがいいですね」
「登山やトレイルランニングって、自然と対峙する遊びじゃないですか。だから期せずして、命を危険にさらすこともあります。より安心安全に山を楽しめるウェアを選んだほうがいい。そういった観点からいうと、ゴアテックスガーメントを選ぶということは、最良の選択なんだと思います。ベストなウェアでより安全に、より快適に山をエンジョイしてほしいです」