ザ・ノース・フェイスのショップ店員から見た
ゴアテックス製品の優位性とは何か
文=佐藤慶典 写真=山田 薫  | 『山と溪谷』2019年10月号掲載記事
アウトドアアクティビティを始めたころからゴアテックス製品を使い続けており、東京・原宿にある、
ザ・ノース・フェイス マウンテンで副店長を務める芹澤さんに、ゴアテックス製品の優位性について聞いた。

ザ・ノース・フェイス マウンテン副店長
芹澤昌経 せりざわ・まさつね


ワーキングホリデーでカナダ・ウィスラーに滞在したとき、ザ・ノース・フェイスのショップや製品に感銘し、帰国後、ゴールドウインに入社。ショップにて接客を行なう。夏は登山、トレイルランニング、冬はBCスノーボードを楽しむ。

ゴアテックス ファブリクスのシェルは汗の抜け感がある

 豊富な商品知識や登山スタイルに応じたウェアの提案など、接客に定評のあるザ・ノース・フェイス(以下、TNF)マウンテン副店長の芹澤さん。仕事柄、ゴアテックス製品に触れる機会は多いが、自身も以前からプライベートでゴアテックス ガーメント(ウェア)を愛用しているという。

「防水透湿性のあるシェルはいろいろ存在しますが、やっぱりゴアテックス ファブリクスを使ったシェルが〝抜け感〟があっていいんです。登っているときに、汗が背中からスッと抜けていく感じ……ほかにはないですね」

 ゴアテックス ファブリクスは種類が多いのも特長。それぞれに個性があり、アクティビティによって使い分けると、ウェアの機能をより発揮できると芹澤さんはアドバイスする。

「トレイルランニングやスピードハイクのときは、ゴアテックス パックライト®プラスプロダクトテクノロジーを搭載したTNFのエンデュランスフーディを使います。防水性はもちろん、軽量コンパクトで、とても透湿性が高く、ベンチレーターを兼ねたポケットを備えています。心拍数が高くなるアクティビティに向いたシェルです」

止水ファスナーで軽量化。スムーズに上下に動き開閉のストレスがない 
※着用カラーは秋冬展開なし

 一方、一般的な登山では、TNFのベンチマーク的レインウェア、クライムライトジャケットを使用している。

「3層のゴアテックス ファブリクスで防水透湿性は充分で、防風性もあります。ゴア®マイクログリッドバッカーテクノロジーで、軽さと耐久性を両立しています。ストレスなく使えるフロント止水ジッパーやサイドポケット、ワンアクションで頭部にフィットするフードといった機能性の高さ、また、コストパフォーマンスも含め、総合的に優れたレインジャケットです。何より、しっかりハリのある着心地で、稜線歩きや悪天でも、着ていて安心感があります」

 動きやすく丈夫なため汎用性が高く、どんな登山にもマッチするので、中・上級者はもちろん、登山初級者のファーストチョイスとしてもおすすめだ。

指名買いのお客様が増えている

 「最近、『ゴアテックスという素材を使ったウェアが欲しい』と言って来店されるお客様が増えましたね。メンブレン(膜)のことなど、防水透湿性を実現する技術的なことは詳しく知らない方が多いですが、『何やらすごいウェアがあるらしい』と。信頼性や快適性、機能性の高さを求めてのことだ思います」

 例えば、レインウェアを買いに来た人には、登山スタイルや利用時期、シーンなどを聞き、いくつか候補を提示し、それぞれのメリット、デメリットを説明するという芹澤さん。

「実際に袖を通して質感や着心地を体感してもらい、かつ、その場ではわからない、ゴアテックス ファブリクスの優位性についてもお話しさせていただきます」

サイドポケットはフラップ付き。ベルクロでピタリと閉じるため、風が強いときでもバタつかない 
※着用カラーは秋冬展開なし

 夏場の低山歩きや急な登り、バックカントリーでのハイクアップといったウェア内が蒸れやすい状況でも、最も蒸れにくい防水透湿素材であること、防風性があり蒸れにくいので汗冷えや低体温症のリスクを軽減できること、防水透湿コーティングではなく、メンブレンなので耐久性があること、そして、万が一防水透湿性や防風性に問題があるときは、製品の保証をしてくれること、などを伝えるという。

「メンテナンスが簡単なのもゴアテックスガーメントの長所です。クライムライトジャケットなどのゴアテックス製品は、洗って汚れを落としたほうが撥水性や透湿性が蘇えるので、むしろ積極的に洗ってもらったほうがいいですね」

山を安心安全に楽しむなら、最良の選択!

「登山やトレイルランニングって、自然と対峙する遊びじゃないですか。だから期せずして、命を危険にさらすこともあります。より安心安全に山を楽しめるウェアを選んだほうがいい。そういった観点からいうと、ゴアテックスガーメントを選ぶということは、最良の選択なんだと思います。ベストなウェアでより安全に、より快適に山をエンジョイしてほしいです」

ザ・ノース・フェイス
クライムライト
ジャケット Men's


ゴア®マイクログリッドバッカーテクノロジーを採用した軽量な防水レインジャケット。20デニールでもハリ感のあるしっかりとした着心地が特長。風によるバタつきを抑えるためスリムなシルエットを採用。


価格=30,000円+税
重量=270g
サイズ=S~XXL
カラー=7色
 ザ・ノース・フェイスのウェブサイトで見る

 

 

◆ そのほかのGORE-TEXプロダクト
ザ・ノース・フェイス
スーパークライムジャケット(Men’s)

価格=42,000円+税
重量=340g(Lサイズ)
サイズ=S、M、L、XL
カラー=5色
 ザ・ノース・フェイスのウェブサイトで見る
 
ザ・ノース・フェイス
オールマウンテンジャケット(Men’s)

価格=46,000円+税
重量=490g(Lサイズ)
サイズ=S、M、L、XL、XXL
カラー=5色
 ザ・ノース・フェイスのウェブサイトで見る
 
|GORE-TEX プロダクトについて
 
文=柏 澄子 

 1970年代の日本上陸以来、GORE-TEX プロダクトは、防水性と透湿性を兼ね備え、防風性にも優れたものとして、登山時のレインウェアとして欠かせない存在である。
 GORE-TEX メンブレン(膜)は、誕生したときから今日まで高品質であり、そして組み合わせる生地やラミネート加工は、常に進化してきた。より厳しい山を追い求めるクライマーには、耐久性を保ちながらけっして裏切らない製品を作り出している。山を身軽に走り抜けていくトレイルランナーが求める軽量化にも応えてきた。シリアスなクライミングシーンや激しいトレイルランニングでも快適であるよう、柔らかくストレッチ性のある生地を打ち出したものもある。

 GORE-TEX ブランドは、いつの時代もトップアスリート、山岳ガイドといったプロフェッショナル達と、濃密なコミュニケーションや共同作業を行ない、メーカーをパートナーと考え、共に製品を作り、世に送り出してきた。
 ゴアテックス製品に使われるファブリクスには厳格なテストが行われる。生地同士をこすり合わせる耐摩耗テスト、生地に切れ込みを入れて行なう引き裂き強度テスト、生地を短冊状にして両側から強く引っ張るテストなどだ。
 縫製や製靴、グローブの工場は認定されたところに限り、ウェアを対象に実施されるレインテストは、マネキンに製造試作品を着用させ、人工的に雨を当て浸水がないか確認するなど、すべてのプロダクトが、ゴア社のテストに合格する必要がある。
 こういった過程を経て製品化されたGORE-TEX プロダクトは、適切に使用されている限り、その防水耐久性、防風性、透湿性を保証すると、約束されている。

■お問い合わせ GORE-TEX ブランドサービスチーム TEL 0120-015-841  ▷ GORE-TEX のウェブサイトへ