小さくてタフなミラーレス一眼カメラ「OM SYSTEM OM-5」。プロも認める登山での優位性とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

文=鈴木 誠、写真=秦 達夫・佐藤大史、協力=OMデジタルソリューションズ

登山やアウトドアシーンで見る絶景や高山植物、動物たちを、もっと美しく撮影したい。スマホで撮影するのは手軽だけど、なんだか物足りない・・・。そんな方におすすめしたいのが、OM SYSTEMのミラーレス一眼カメラ「OM SYSTEM OM-5」(以下OM-5)。小型・軽量ながら最新の撮影機能とタフさを兼ね備えたOM-5は、山やフィールドでの取り回しのよさと、なにより“写真を撮る”魅力にあふれる一台。ミラーレス一眼カメラのデビュー機としても好適だ。

OM SYSTEM OM-5
コンパクトなボディサイズで、手にフィットして持ちやすいOM-5。登山やフィールドに持ち出しやすい携行性が魅力

名前につく“OM”とは、今から約半世紀前にオリンパスが発売し、小型軽量サイズで驚きを与えたフィルム一眼レフカメラ「OM-1」が由来。その革新性や小型軽量といった哲学を受け継ぐブランド名として、2021年にスタートしたのがOM SYSTEMだ。ミラーレス一眼カメラの時代においても唯一無二の存在感がある。

2024年12月15日(日)には、このOM-5と幅広いズーム域を誇るレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」をセットで体感できる撮影会を東京・高尾山で開催する。この撮影会に先がけて、山やアウトドアシーンで活躍する2人のプロカメラマンに、OM-5の魅力やフィールドで使うメリットをじっくりと聞いた。

製品情報

OM SYSTEM
OM-5 14-150mm II
レンズキット

OM SYSTEM OM-5

OMシリーズの中間クラスに位置するOM-5は、「手持ちハイレゾショット」や「ライブND」といった先進機能を小型ボディに凝縮。M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIは約10.7倍と幅広いズーム倍率が魅力のレンズ。遠景はもちろん、“望遠マクロ”で花などのクローズアップも狙える。

価格 オープン価格
サイズ W125.3㎜×H85.2㎜×D49.7㎜
重量 651g(カメラ本体+レンズ)
詳細を見る(OM-5)
詳細を見る(14-150mm F4.0-5.6 II)

OM-5の小ささと軽さは、装備が限られる登山で大きな武器になる――秦 達夫

秦 達夫(はた・たつお)

秦 達夫(はた・たつお)

1970年生まれ。長野県飯田市生まれ。故郷の湯立神楽「霜月祭」を取材した『あらびるでな』で第八回藤本四八写真賞受賞。写真集『風光の峰 雲上の渓 黒部源流の山々』、エッセイ『雨のち雨ところによっても雨_屋久島物語』ほか著作多数。日本写真家協会会員・日本写真協会会員・日本風景写真家協会会員・Foxfire フィールドスタッフ・日本写真芸術専門学講師。

OM SYSTEMの魅力

山岳系の撮影にOM SYSTEMのカメラを使っています。テントを持って歩くようなときにはザックの大きさも限定されますから、体積が小さいカメラ機材が必須になります。その点、OM-5の小ささ・軽さは武器です。また、マイナス10℃の耐低温性能や、雨でも撮影できる防塵防滴性能など、どんなフィールドでも動いてくれる心強さがあります。

今のカメラには丸みのあるスタイリングが多いなか、OM-5は昔ながらのカメラのような“持つ喜び”を感じられるデザインです。といっても中身は最新のデジタルカメラ。撮影機能も豊富で、もっと岩の質感を出したいとか、写真展のために解像度の高いデータがほしいという際には「手持ちハイレゾショット」を使うことで約5000万画素で撮影することができます。

カメラを手にしたら、きっちり構えて撮るよりも、多少ブレたとしても“その時に感じたこと”をカメラに閉じ込めるのが大事だと思っています。遊び心を持って、自分たちの遊びを記録するカメラとして、アグレッシブに行動しやすいOM-5は適していますね。

作例紹介

■木曽駒ヶ岳側から見た宝剣岳

OM SYSTEM OM-5 秦 達夫さんの作例「木曽駒ヶ岳側から見た宝剣岳」
OM SYSTEM OM-5/M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4.0 PRO/135mm(35mm判換算270mm相当)/絞り優先Aモード/(1/125秒、F8、-0.7EV)/ISO 200/手持ちハイレゾショット

40-150mmの望遠ズームレンズで引き寄せて撮影。午後の光を受け、岩稜の美しさと沸き立つ雲の表情が浮き上がり、とてもきれいだった。ファインダー越しに見る山容は肉眼よりも迫力があったため、より質感を引き出すために約5000万画素で記録できる「手持ちハイレゾショット」機能で撮影。

※手持ちハイレゾショット:撮影中に発生するわずかな位置ずれを利用し、12回撮影した画像をもとに約5000万画素の高解像写真を生成する機能。通常時のOM-5の画素数は約2037万画素。

■横谷渓谷・おしどり隠しの滝

OM SYSTEM OM-5 秦 達夫さんの作例「横谷渓谷・おしどり隠しの滝」
OM SYSTEM OM-5/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO/12mm(35mm判換算24mm相当)/シャッター速度優先Sモード/(1.3秒、F22、-0.7EV)/ISO 100相当/ライブND(ND8)

快晴の午後。紅い岩肌を流れるホワイトウォーターはスロー表現がよく合う。しかし、日差しが強くシャッター速度を遅くすると露出が合わないので、OM-5の「ライブND」で撮影。希望通りの表現ができた。

※ライブND:複数の画像を合成して擬似的に露光時間(シャッタースピード)を延ばし、スローシャッター効果を得る機能。この機能がない場合、サングラスのように光量を減らす「NDフィルター」をレンズ前に取り付ける必要がある。

ザックにも手にも収まりやすいサイズ感と豊富な撮影機能が魅力――佐藤大史

佐藤大史(さとう・だいし)

佐藤大史(さとう・だいし)

1985年生まれ。東京都町田市出身。安曇野在住。日本大学芸術学部写真家卒業。写真家、白川義員氏に師事したあと、2013年に独立。2016年より毎年写真展開催。エプソンフォトグランプリ2017三好好義賞受賞。写真集に『Belong』、フォトエッセイ『写真の隙間』(どちらも信濃毎日新聞社発行)。JPS日本写真家協会会員。2025年、アラスカの新写真集を発表予定。

OM SYSTEMの魅力

私はOM SYSTEMのカメラをメインに使っています。ザックにも手にも収まりやすいサイズ感が魅力で、OM-5などの上位機種にはOM SYSTEM自慢の“防塵防滴”性能があるので、雨でも気兼ねなく撮影できます。ほかのミラーレス一眼カメラと比べて、サイズだけでなく値段も比較的コンパクトな部類なのは、これから山にカメラを連れ出したいと考えるみなさんにもうれしいところでしょう。

小さいカメラではありますが、撮影の幅を広げる機能がいろいろあるのも魅力です。より緻密な描写力を求めるときには「手持ちハイレゾショット」を使っています。紅葉している山を見下ろして撮影するようなシーンでは、小さく写る木々が精細に表現されます。また「星空AF」という星に正確にピントを合わせる機能もお気に入りで、オーロラを撮る時などにありがたいと感じています。

OM-5で使えるマイクロフォーサーズ規格のレンズはどれも小型で、比較的買いやすい価格もポイントです。M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIというレンズは、1本でワイドから超望遠までカバーできて、かつ身軽なのが魅力。カメラを手にしてすぐのころは“レンズ交換”という概念もあまりないでしょうから、レンズはこれ1本で、とにかく目の前の被写体に集中するのもいいと思います。

作例紹介

■鳥海湖と月山

OM SYSTEM OM-5 佐藤大史さんの作例「鳥海湖と月山」
OM SYSTEM OM-5/M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO/17mm(35mm判換算34mm相当)/絞り優先Aモード/(1/1,600秒、F5.6、±0EV)/ISO 200

右手のピッケルをOM-5に持ち替え、片手でシャッターを切れたのは、軽いカメラならではの芸当。鳥海湖(ちょうかいこ)から遠方の月山(がっさん)までを見渡せる大気の澄んだ日だった。2つの主題をどちらも主張させたいが、ワイドでいっぱいに引くと月山が小さくなってしまうので、鳥海湖の壮大さが残るギリギリに少しズームアップした。

■暁の明神岳

OM SYSTEM OM-5 佐藤大史さんの作例「暁の明神岳」
OM SYSTEM OM-5/M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II/150mm(35mm判換算300mm相当)/シャッター速度優先Sモード/(1/30秒、F7.1、-0.7EV)/ISO 200

早朝、明神岳(みょうじんだけ)を照らし始めた日の光がダケカンバを透かしていた。“肉眼では見えているのに、写真に写らない”と感じるときは、ズームが足りていないケースが多い。スマホ級の広角域から本格的な超望遠域までカバーするレンズのおかげで撮影できた一枚。

OM SYSTEMについて

OMデジタルソリューションズ
https://omsystem.com/ja-jp/

イベント情報
「OM-5 撮影体験×自然観察会」

2024年12月15日(日)に、話題のミラーレス一眼カメラ「OM SYSTEM OM-5」とともに、美しい自然を巡る撮影体験×自然観察会を高尾山で開催。参加者にはプレゼントも!

主催:山と溪谷社
開催日程:2024年12月15日(日)
集合場所:東京都 高尾599ミュージアム(予定)
開催時刻:【午前の部】8時30分~11時30分、【午後の部】12時30分~15時30分 ※各回3時間を予定
参加費:税込1,500円(講習費、イベント保険などの実費分/当日現金にて)
申し込み締切:2024年12月1日(月)24時まで

※募集期間は終了しました。