身軽なテント泊も視野に入る進化形ファストハイク・パック。〝軽さ＂と〝使い心地＂を備えた「ミレー パルマラン」
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雨蓋をなくしたロールトップで、表面と両側に大きなメッシュポケット付き。いわゆる軽量ザックかな？ と思いきや、見た目に反して剛性があり、背負い心地がしっかりしている。アルピニズムと昨今のトレンドの融合から生まれた最新ファストパックの魅力に迫る。
文＝吉澤英晃 写真＝中村英史
アルピニズムを背景に性能と軽さの到達点へ
アルピニズムなんて聞くと、クライミングシーンに向いているの？ と言葉を返したくなる。しかし、見た目からしてミレーのパルマランはクライミング用に作られていない。それでは一体どこにアルピニズムの要素を含んでいるのか。メーカーに尋ねてみると「背負い心地のよさ、優れた安定性と一体感です」と説明された。つまり、ミレーが創業以来培ってきた、登攀でバランスを崩さないためのノウハウがパルマランには詰まっているというのである。
ザックを背負ったときに身体のバランスが崩れる原因は、荷物を背負うことで上半身の重心が後ろに引かれることにある。それを防ぐにはザック自体の重心を高くして、なるべく身体に近づける必要があり、パルマランではそれを、反り上がる底部の形状とザックを奥から身体に引き寄せるボディフィットストラップで可能にしている。
さらに、剛性と柔軟性をもつフレームを内蔵することでサポート性を付加。肩幅に応じてショルダーハーネスの角度が調節できるトップラダースタビライザーにより、フィット感の向上も考えられている。事実、パルマランの背負い心地はフレームレスのザックと比べるとかなり差がある。経験を積んで荷物を厳選できるようになれば、重さが増すテント泊でも充分に使用可能だ。
その上で、さらにパルマランがすごいところは、高性能でありながら重量は1㎏を下回るという、一見相容れないスペックを平然と成立させている点にある。
目を見張る軽さは荷室に使われている超高分子量ポリエチレン素材によるところが大きい。これはダイニーマのブランド名でも知られる高強度繊維で、軽量でありながら鋼鉄の15倍もの引っ張り強度をもち、耐久性や耐摩耗性に優れる点も特長だ。軽いザックを目にするとつい〝弱い〟というレッテルを張りがちだが、もはやパルマランに従来の固定観念は通用しない。
ショルダーポケットに代表される便利な収納スペースを各所に備え、使い心地も悪くない。詳細を知れば知るほど、かなり使い勝手がいいと思えるザックである。
POINT１ 安定性＆一体感
ボディフィットストラップ
荷室両側の底部付近に縫い付けられたストラップを手前に引くと、ザックがぐいっと身体に近づき一体感が格段に向上。ザックが左右に振られても身体のバランスが崩れにくい。
トップラダースタビライザー
ザック上部を身体に引き付けるスタビライザーの接点を5つのループから選択でき、ショルダーハーネスの肩まわりの角度が連動することで体形に合うフィット感を得ることができる。
フレームを内蔵
背面パネルの縁に中空の金属フレーム（写真の黄色いライン）を搭載することで、ザックに剛性が備わり、ヒップベルトとの相乗効果で荷物の重みが背中全体に分散される。
POINT２ 利便性＆収納性
トレッキングポールホルダー
伸縮タイプのトレッキングポールを固定できるドローコードがショルダーハーネスとヒップベルトに備わっている。いずれのコードも任意で付け替えられる。
ショルダー＆ヒップベルトポケット
ショルダーハーネスのポケットは500mlのペットボトルが入り、入り口はドローコードで閉じられる。ヒップベルトのポケットは口を閉じられないものの行動食などを出し入れしやすい。
フロントアクセス
荷室表面の真ん中に縦に長いファスナーが配置され、開くとパッキングした荷物にダイレクトにアクセス可能。奥にしまった防寒着や小物を取り出したいときに便利だ。
メッシュポケット
荷室の表面と両側、計4カ所に深さのあるメッシュポケットを装備。ウィンドシェルやレインウェア、水筒やテントポールなど、使用頻度の高いアイテムや長さのある荷物を収納しやすい。
25ℓサイズもラインナップ
パルマラン25
| 価格 | 26,400円（税込） |
|---|---|
| 容量 | 25L |
| 重量 | 880g |
| サイズ | M（ワンサイズ） |
| カラー | カントン／カントン（写真）、シルバーストーン 2色 |
問合せ先
ミレー・マウンテン・グループ・ジャパン
www.millet.jp/
050-3198-9161