ミステリーランチの異端児「レイディックス31」|“軽さ”の本質を問う高品質ライトウェイトバックパック
雑誌『山と溪谷』の巻頭記事「YAMAKEI HEADLINE」では、毎号、旬な登山装備をピックアップしている。2025年12月号では、ミステリーランチの「レイディックス31」を紹介。
文=吉澤英晃 写真=中村英史
レイディックスシリーズのターゲットは、ロングディスタンスハイキング。“より軽く、より速く、そしてより強く”をコンセプトに、軽量性と耐久性を重視して開発された。しかし、いずれの容量も1kgオーバー。正直軽いとは言い難いのだが、これは背負い心地と軽量化の限界を攻めた結果でもある。
現にそこそこのウエイトを入れて背負ってみると、肩から腰にかけて荷重がしっかり分散されるので、実際の総重量より軽く感じる。背負ったときの軽やかさこそ、レイディックスシリーズの真骨頂といえるのだ。
要は長年のノウハウが詰まった背面システム。航空宇宙グレードの中空アルミフレームを内蔵し、背中の肩甲骨付近に面で荷重を支えるフレームシートを装備。腰荷重を可能にする丈夫なウエストベルトを備え、背面長は無段階で調整可能ときている。パック本体は強度の高い生地で作られ、大きなフロント&サイドポケットも使いやすい。
荷物の重さを感じさせない、軽快に背負えるバックパック。負担を減らしたいすべてのユーザーに試してもらいたい名品だ。
(『山と溪谷』2025年12月号より転載)