3レイヤーのストレッチ素材で着心地、動きやすさをバージョンアップ。
憂鬱だった雨の山を「そんな日もあるさ」と思わせてくれる。
パタゴニアのレインシャドー・ジャケット&パンツが待望のカムバック。定番レインシェルとして長く愛されてきたアイテムが、一時の休止とリデザインを経て、進化した姿を現した。
コンセプトはより山岳での使用にフォーカスしたものに。激しい気象変化のなかで、快適に着続けられることが第一に考えられている。雨が多い日本で、低山を歩くときも、アルプスを目指すときも登山者のよき相棒となるレインシェルといえるだろう。
目指したのは高次元のベーシック。「究極の軽さ」といった突出した機能は求めず、全体のバランスを重視。雨、風への対応力、軽量性、耐久性を備えた素材、使い勝手がよく、行動をスムーズにする仕様を求めてブラッシュアップが施された。
叩きつける風雨、急激な低温といった天候のなかで、信頼できるレインシェルの存在は物理的にはもちろん、心理的にも大きなアドバンテージとなる。レインシャドーはそんな期待に十分に応えてくれるアイテムだ。
先代との大きな違いは、3レイヤーのストレッチ素材になったこと。すぐれた防水透湿性を備えたH2Noパフォーマンス・スタンダードを採用。しなやかでいて、適度なハリのある生地は、動いたときにパリパリと気になる音をたてず、肌との距離を適度に保ってくれる。
雨のなかを歩き続けるとき、ストレッチして体に馴染み、動きを妨げないことは、着心地がよいだけでなく、疲労の軽減にもつながる。半袖やハーフパンツで歩くことが多い夏は、汗ばんだ肌にまとわりつきにくい3レイヤーの裏地がありがたい。
フード、ピットジップ、ポケットといったレインシェルにはあたりまえの装備も、より機能を高めるよう細部まで作り込まれている。大きめのチェストポケットは日本からのリクエストが反映されたもの。行動食を入れておけば雨のなかでも補給しやすい。携行時にはジャケット本体を左のサイドポケットに収納できる。
登りの一歩、一歩でひざや腰がつっぱると、無駄にパワーを使い、なにより歩きにくい。だから、レインパンツこそストレッチするものがいい。素材のストレッチ性を生かして、すっきりしたシルエットに仕上げられるのも利点だ。
シンプルな作りだが、機能は犠牲にしない。ももまで開くサイドジッパーはブーツを履いたまま素早く脱ぎ着ができ、上から開ければベンチレーションにも。マップポケットは動きに干渉せず、登山地図の収納にぴったり。
レインシェル選びはジャケットに気をとられがちだが、登山は歩くアクティビティ。パンツの快適性は重要だ。セットで着ることで快適性をバージョンアップしよう。
レインシェルは “きちんと着ること”が大切。稜線では足元から雨が吹き上げることもあるし、叩きつける雨は小さな隙間を狙ってシェルの内側に入ろうとする。
インナーを濡らして体温を下げないよう、フード、フロントジッパー、袖口、裾といった開口部をしっかり閉める。風雨が強いときほど着方の差が出るので留意したい。
フードはかぶりの深さ、顔周りのフィット感を調整するのを忘れずに。視界をさまたげず、上下左右に顔を向けてもフードが同調する状態がベストだ。
体温が上がって暑いときは、ジャケットの脇下、パンツのサイドに設けられたベンチレーターを開けてウェア内の熱やムレを逃がすといい。風雨のなかでは、雨の浸入とのバランスを考えて使いたい。
急な雨に対応するときは、サイドジッパーを開けて、ブーツを履いたままレインパンツを履く。裾幅もフィットさせておこう。
表素材には100%リサイクルナイロンを使用。製造過程において環境と人への影響を最小減に抑えた原材料と手法を選択し、ユーザーにも安全性を提供するブルーサイン認証済みの素材を採用。また、労働者に適切な環境と未来への投資を提供するフェアトレード・サーティファイドを実施しているファクトリーで縫製されている。