雪がつくる造形美・樹氷
森吉山(もりよしざん)は、秋田県の中央北に位置し、標高1454mの向岳を主峰とした成層火山だ。山麓にはブナの森が広がり、山頂周辺にはアオモリトドマツの原生林が残る。夏は高山植物の花々、秋には紅葉と四季折々の美しさが楽しめる。
そして、森吉山で冬にぜひ観賞したいものが樹氷だ。樹氷は木の枝に氷と雪が付着してできるもので、大きく発達した樹氷は世界でも限られた場所でのみ見られる珍しい現象。森吉山の樹氷は、八甲田山、蔵王とともに日本三大樹氷の一つに数えられる。
阿仁ゴンドラ山頂駅から、徒歩5分ほどで樹氷群を観賞でき、夜にはキャビン付き圧雪車で片道40分のナイトツアー「夜の樹氷観賞会」に参加すれば、普段は見ることができない森吉山の姿が楽しめる。
スノーシュートレッキングで雪の世界へ
スノーシューは、雪国古来の雪上歩行用具「かんじき」よりも接地面が広いため浮力が高く、特別な技術なしでも自然な歩行スタイルで動き回れる。
魅力は、なんと言っても冬の森をゆったり体感できること。積雪で地面が高くなっているので、木々のてっぺんが驚くほど近く見える。背丈の高い草や岩などがすっぽりと雪に埋もれて自由自在に移動でき、その時期ならではの景色に出会うことができる。まるで雲の上を散歩しているような感覚を、ふかふかの雪の上で思う存分味わってみよう。
ゴンドラを利用し、山頂駅舎に降りて徒歩5分ほどで大迫力の樹氷群を観賞することができる。また、阿仁地区ならではの豊富な積雪量と上質なパウダースノーに魅了され、県内外問わず最近は海外からのリピーターも多い。入り口では、看板犬の秋田犬、北斗(ほくと)が迎えてくれる。
秋田県北秋田市阿仁鍵ノ滝79-5
TEL 0186-82-3311
http://www.aniski.jp/
森吉・阿仁は、マタギの里
山と溪谷社が2017年に復刻した矢口高雄の漫画『マタギ』や、作家・熊谷達也の『邂逅の森』のモデルとなっているのが、森吉山の南、阿仁地区のマタギだ。クマやカモシカなどの狩猟を軸に、山川の恵みを得て生活する「マタギ」は、この阿仁が発祥の地とされている。打当(うっとう)温泉マタギの湯には、資料館が併設され、実際に使われていた山暮らしの道具が展示されており、スマートフォンを活用した音声ガイド(日本語・英語・中国語対応)が整備されている。また、「マタギ学校」という名称で、マタギ体験のプログラムも複数用意されていて、雪深い秋田におけるマタギの生活の知恵と文化を知ることができる。
営業時間:9:00~17:00
入館料:大人200円/小人100円
TEL 0186-84-2612
http://www.mataginoyu.com/
地元ならではの味、温泉も魅力 ~宿泊施設情報~
旅館、民宿、ペンションなど、阿仁地区に6件、森吉地区に11件の主要な宿泊施設がある。熊鍋をはじめ、地元ならではの料理やおもてなしが受けられる。
ほかの宿泊施設について詳しくは
https://www.kitaakita-kankou.jp/stay/
冬眠するクマの姿を観察しよう
くまくま園は、北秋田市にあるツキノワグマとヒグマの動物園。ツキノワグマを観察できるつきのわ舎や、ガラス越しにヒグマを観察できるひぐま舎がある。開園中は、期間限定で小さなこぐまとふれあえたり、園内で販売しているエサをツキノワグマにあげることもできる。冬季期間(2月)は、冬眠している様子を見学できる「冬眠見学会」が開催されている。
秋田県北秋田市阿仁打当字陳場1-39
TEL 0186-84-2626(開園中)、0186-62-5370(冬季閉園中/北秋田市商工観光課)
http://hahaha.akita.jp/wp/kumakuma/