登山って楽しそう! でも誰でも簡単に始められるものなのでしょうか?
そんな疑問にお答えするのが本章です。登山の基本を順を追って紹介し、登山の世界に踏み出してみましょう!
監修・構成=佐々木亨

初心者の登山 Contents

 

 ようこそ登山の世界へ!

最近、心地よい汗を流していますか? 大きく澄んだ空を眺めたことがありますか?
わくわくとした気持ちになったことがありますか? 野山を駈け回って無邪気に遊んだのはいつのことか覚えていますか?

山を歩くと、忘れかけていた、これらの懐かしい想い出のことを、きっと思い出させてくれるはずです。

ようこそ山へ。

あなたを迎えてくれるのは、懐かしく、美しく、おおらかで清らかな自然です。

そして、山には、以下のような魅力があります!

どこか懐かしく、心が安まる「里」

人の暮らしと関わりながら、豊かな自然が息づく里山。季節の花々が咲く、野辺の道、野鳥がさえずる雑木林の道・・・。

はじめて歩いても、どこか懐かしく、心が安まる日本の原風景。幼いころの遊び場を訪ねる、そんな気持ちで歩いてみたい場所です。

木々の鼓動に包まれる「森」

人々の記憶のはるか昔から、四季のドラマを刻んできたのが森。若葉を萌やす春、濃い緑をまとう夏、あざやかな彩りを装う秋、そして冬枯れの季節を過ごして、また次の春へと命をつなぐ場所です。

森を歩くと癒されるのは、木々の鼓動に包まれるからかもしれません。

大地と大空に彩られた「高原」

詩人のひとりは、広大な高原に登りついて「世界の天井が抜けたかと思う」と感動を詠んでいます。

季節の花に彩られる大地と、その上に広がる大空。もし空の大きさを忘れかけていたら、高原を歩いてみましょう。大空のもと、きっと無邪気な心が躍り出すでしょう。

いつまでも残したい「湿原」

山あいにひっそりとたたずむ幻想的な湿原や、のびやかな山稜に開けたおおらかな湿原――。

水をたたえた池塘は、空を映しては蒼くきらめき、そのまわりでは、湿原の植物が季節に花を咲かせて風景を彩ります。湿原に敷かれたひと筋の木道を歩くと、いつまでも残したい、守りたい、尊い自然を感じるでしょう。

生まれたばかりの澄んだ「清流」

空からの雨をたくわえる山は、水の源です。山を歩くと、生まれたばかりの清らかな流れに出会えるでしょう。

冷たく澄んだ清流を手にすくうと見が引き締まり、心まで洗われます。山歩きを始めると、そんな山と自然にいつしか「ありがとう」の気持ちがこみあげてくるはずです。

雲上のプロムナード「稜線」「ピーク」

真夏には高山の稜線を歩いてみましょう。山頂から山頂へと連なる稜線は、空を近くに感じる、雲上のプロムナードのようです。

汗を流して稜線に登り着くと、雄大な展望が広がり、可憐な高山植物の花々がほほ笑みかけてくるでしょう。稜線で過ごすひとときは、贅沢なおとなの夏休みとなるはずです。

監修:佐々木 亨
1961年生。小学時代より家族で登山を楽しむ。 高校時代には社会人山岳会に所属し、アルパインクライミングに熱中。『山と溪谷』『ワンダーフォーゲル』をはじめ、登山雑誌への執筆多数。

≫ 佐々木亨さんの著作

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