夏の御岳山は見どころたくさん! 最新ミラーレス一眼カメラ「OM-5 MarkⅡ」の撮影体験レポート
OM SYSTEMと山と溪谷社のコラボイベント「撮影体験&自然観察会」を7月26日(土)に東京・御岳山(みたけさん)で実施した。今回の目的地はロックガーデン。清流と美しいコケの森が広がり、さまざまな岩石が点在するロックガーデンは、その美しさと涼しさから夏の御岳山の大人気スポットとなっている。
レポート=伊藤洋平(山と溪谷社)
OM-5 MarkⅡでロックガーデンを写す
OM-5は、2022年の発売以来、防塵防滴のタフ性能と小型軽量なのに高画質な撮影ができる機能性によって、多くの登山者に選ばれてきた人気のミラーレス一眼カメラだ。今年の7月にはMarkⅡとしてアップデートし、デザインの変更や各種機能へのアクセスを改善するなど、さらに使いやすくなった。本イベントは、この発売直後のOM-5 MarkⅡの撮影体験と、インタープリター(解説員)による自然観察会を組み合わせ、定番の山でもカメラを持って観察することで新たな発見を楽しんでもらうことをコンセプトにし、山と溪谷オンラインで参加者を募集した。
ロックガーデンまでの道のりも魅力がいっぱい
御岳ビジターセンターを出発し、武蔵御嶽神社方面に向かう。インタープリターの深澤いぶきさんが最初に案内してくれたのは、茅葺(かやぶき)の屋根が特徴で東京都の指定有形文化財にも登録されている宿坊の東馬場(ひがしばば)。1886年に建てられたという歴史ある宿坊を見物していると、地元の人が「すぐそこにカモシカがいるよ」と教えてくれた。教えてくれた場所に向かうと、斜面をのんびり散歩するカモシカの姿が。「いきなり天然記念物に遭遇しちゃいましたね」と笑う深澤さん。でも、こんな出会いも御岳山では珍しくないそうだ。刺激しないように少し距離を取りつつ、遠慮なく撮影させてもらう。
続いては、武蔵御嶽神社への参道にある神代(じんだい)ケヤキへ。樹齢1000年ともいわれる御岳山を代表する巨樹だ。この神代ケヤキには、動物の住み家となる洞(うろ)があるという。深澤さんが教えてくれたあたりにカメラをかまえ、ズームレンズの望遠を最大にしてみると、幹を支える柱のすぐ近くに穴を発見した。「神代ケヤキのこの洞は、昔から多くの動物たちが住み家に使ってきたと考えられます」と深澤さん。現在でもときどきムササビが利用しているようだ。
そうだったの? 意外すぎるムササビの大きさ
武蔵御嶽神社に続く参道からロックガーデンへの分岐に入ると、深澤さんが再び巨樹の前で立ち止まる。木の下を観察すると、小さな丸い物体を発見。「これ、ムササビのフンです。フンがあるということは、この上にムササビの巣があるはずです。では、このフンをしたムササビはどれくらいの大きさでしょう?」と深澤さんからクイズが出された。「これくらいかなぁ」と、両手を使ってムササビの大きさを示してみる参加者たち。「正解はこれくらいです!」と深澤さんが手提げから取り出したのは、ムササビの等身大という布。その大きさに「こんなに大きいの」とびっくり。こんな大きな動物が夜の森を飛び回っているとは信じられない。
ロックガーデンでコケを観察。マクロの世界を体験
歩き始めて1時間ほどで待望のロックガーデンに到着。「ロックガーデンといえばコケ」と、コケ推しの深澤さんからお題をもらって、みんなでコケを探してみる。今回、参加者に貸し出されているレンズの「M.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 II」は、広角も望遠も得意とし、さらに被写体に寄って撮影もできる万能レンズ。さらに、希望者にはマクロレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」も貸し出され、普段撮れないマクロの世界を堪能した。
OM SYSTEMならではの「ライブND」がおもしろい!
OM-5 MarkⅡには、CPボタンが新たに設けられた。これによって、搭載されている「コンピュテーショナル フォトグラフィ」というデジタル技術を活用した撮影機能にスムーズにアクセスできるようになり、特別な機材やテクニックが必要だった表現方法が手持ちでも手軽に実践できるようになった。
今回は、水の流れなどを撮影するのに最適な「ライブND」を使ってみる。ライブNDとは、長時間露光(スローシャッター)で撮影する場合に必須とされてきたNDフィルターをデジタル合成によってサポートしてくれる機能で、三脚やNDフィルターを使ったような表現が手持ちで簡単にできる。
同行するOM SYSTEMスタッフにアドバイスをもらいながら、水の流れを表現する撮影に挑んでみると、これがおもしろい。撮影自体はとてもカンタンだが、なにをどういう構図で撮るか、という点に個性が出るので、参加者みんなでロックガーデンを歩きながら、いろんな場所でライブNDを試してみる。また、普通のシャッター速度で撮りたいものが見つかったときは、すぐに機能を切り替えられるのもうれしい。
夏の御岳山は見どころがありすぎる
ロックガーデンは御岳山の山頂周辺に比べて5℃近く涼しいので、夏でも快適に撮影が楽しめる。さらに7月は花もそこここで見られるので、被写体がとにかく多い。「例年、イワタバコの開花は7月中旬くらいですが、今年は開花が少し遅れているので、今回の撮影体験会のタイミングに開花のピークが重なりました」と深澤さん。参加者一同が「おお!」と感動するような岩壁に咲く大群落も観察できた。
そして、ロックガーデンの最後には、落差10mの綾広の滝が登場。この滝は、御岳山の宿坊が滝行にも使う場所で、この日はたまたま滝行に挑む人たちにも遭遇。自然という点でも歴史や文化という点でも、御岳山の奥深さを実感できた。
「軽量コンパクト」は最強の武器
約5時間の撮影体験を終えて、御岳ビジターセンターに戻ってきた。長時間の撮影山行ということで、登山に慣れている参加者たちもさすがに疲れただろうが、全員が最後まで撮影に集中していたのが印象的だった。
ミラーレス一眼カメラの長所といえば「軽量コンパクト」だが、フルサイズやAPS-Cといった規格のカメラは、カメラ本体が軽量コンパクトでも、レンズが大きく重くなってしまう傾向があり、長時間の登山ではどうしても疲れる原因になりやすい。しかし、マイクロフォーサーズという規格を採用しているOM SYSTEMは、本体だけでなくレンズも軽量コンパクト。OM-5 MarkⅡの重量は418g、ズームレンズのM.ZUIKO DIGITAL ED 14-150mm F4.0-5.6 IIは285gと、組み合わせてもわずか703gと非常に軽い。
行程5時間を超える本格的な登山で試すからこそ、この「軽量コンパクト」という武器が登山者にとっていかに魅力であるかを実感できる。加えて防塵防滴のタフな仕様もうれしい。登山なら雨に降られることも多く、そういったときにカメラが濡れることに気を取られずに行動を続けられるのは安全登山の面でも重要だ。
カメラをもって山に行こう
今回、参加者の半分以上は「御岳山に登ったことがある」という人だった。イベント終了後に感想を聞くと「こんなにじっくり自然を観察して歩いたのは初めて」「これまで登った御岳山とは全然違った」と全員が御岳山の魅力を新発見・再発見できたようだった。定番の山や登ったことがある山でも、カメラを持って自然を観察して歩いてみると、知らなかった山の魅力がより楽しめる。軽量コンパクトで高性能なOM-5 MarkⅡを持って、低山から高所まで登山をもっと楽しんでほしい。
体験会で使用した機材
OM SYSTEM OM-5 MarkⅡ

| 価格 | 173,800円(税込)~ |
|---|---|
| サイズ | W125.3mm×H85.2mm×D52mm |
| 重量 | 418g(CIPA準拠、付属充電池およびメモリーカード含む、アイカップなし。本体のみは370g) |

