ultimate project 気鋭のクライマーと挑む、新たな取り組み 世界の名だたるクライマーの要望を具現化してきたカリマーからトップクライマーと共同開発した新レーベルが誕生。ultimate = 極限まで、もっと高みへと運んでくれるプロダクトに迫る。 辻 歌=文 山田 薫=製品写真 カリマー=写真提供 ultimate project 気鋭のクライマーと挑む、新たな取り組み 世界の名だたるクライマーの要望を具現化してきたカリマーからトップクライマーと共同開発した新レーベルが誕生。ultimate = 極限まで、もっと高みへと運んでくれるプロダクトに迫る。辻 歌=文 山田 薫=製品写真 カリマー=写真提供
モニターレポート
クライマーが欲しい機能がしっかり搭載!
不満に感じていたことがすっかり解決する
山行が快適になるアイテム!
ニックネーム :
JPNさん (30代、女性)
登山歴 :
5年
登った山 :
甲斐駒ヶ岳・黄蓮谷(2泊3日、テント泊)
使用アイテム :
アルティメイト60/アルピニステジャケット/ヴィンソンインシュレーションジャケット
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ニックネーム :
JPNさん (30代、女性)
登山歴 :
5年
登った山 :
甲斐駒ヶ岳・黄蓮谷(2泊3日、テント泊)
使用アイテム :
アルティメイト60/アルピニステジャケット/ヴィンソンインシュレーションジャケット
  • ■ 甲斐駒ヶ岳・黄蓮谷の爆風でも、「アルピニステジャケット」は疲労感が少ない
  • ■「ギアラック」「アイゼンケースポケット」などが使いやすい「アルティメイト60」
  • ■ アイスのルートでストレスに感じていたことを解決するアイテム

甲斐駒ヶ岳・黄蓮谷の爆風でも、「アルピニステジャケット」は疲労感が少ない

 12月31日~1月2日、甲斐駒ヶ岳・黄蓮谷に行きました。1日目は曇りから晴れで、「アルティメイト60」は60リットルクラスのザックとしてはかなり軽く感じられ、快調に歩けました。2日目は、軽量化のため、雨蓋を外して利用しましたが、取り外しもバックル2つを外すだけなので、楽でした。今回テント泊装備、アイス装備とほぼフル装備。私はパッキングが下手なので割と適当に詰めてしまうのですが、「アルティメイト60」では梯子、鎖場等でも荷物がぶれたり、ザックがよれたりといったことはありませんでした。また、雪面に置いたり、濡れた駐車場の地面に置いたりしましたが、水が染みてくることはありませんでした。

 2日目の稜線は爆風でしたが、「アルピニステジャケット」は今まで着ていたシェルよりバタ付きが少ないので、疲労感が少なくてすみました。フードと前立てでかなり顔を覆うことができたので、防寒にもなります。視界を阻害することもありませんでした。防寒性が高いので、ある程度まではバラクラバなしでもいけるかなー?と思いました。

 3日目も晴れで、3日間計23時間の山行になりました。

「ギアラック」「アイゼンケースポケット」などが使いやすい「アルティメイト60」

 「アルティメイト60」の「アックスホルダー」は過不足なく使えました。こういったツールは変に凝らず、直感的に使えることが重要だと思います。回収したギアを一時的にラッキングするのに、胸元の「ギアラック」が便利でした。また、「アイゼンケースポケット」が、とても良いです!履きたい時にアイゼンがさっと取り出せ、さっとしまえる。バックル外して、ザック開けて、アイゼン出して、という手間がないだけで「メンドクサイ」がだいぶ軽減されました。アイゼンケースポケットに、すぐ出したい行動食等を入れても便利に使えました。アイゼンケースポケット自体が丈夫な生地なので、手ぬぐいなどでくるむだけでも十分だと思います。

 サイドポケットは「わかってるー!」と思いました。「スノーバーなど、ザックの中にしまうとアクセスに時間がかかってしまうので外付けしたいんだけど、サイドベルトで締めるだけだと少し不安…」という物を入れるのに、とても使い勝手が良いと思います。雨蓋はアルパインザックとは思えない容量で、何でもぽいぽい入れられて便利です。バランスが崩れてしまうので、そこは考えてパッキングをする必要があると思いますが。

 ただ、60リットルクラスのザックにしては、肩パッドが薄く感じ、少し肩が赤くなりました。60リットルあるので、ぽいぽい荷物入れてしまいがちですが、アルパインザックですので、荷物の軽量化は容量に関わらずするべきだと思いました。

 「アルピニステジャケット」は袖が長く、腰周りがスリムで、「ハーネス履くことを前提のデザインだな」と思いました。袖の長さは、腕が短い私にとってはどの海外メーカーでも長いので許容範囲。腰回りがスリムなので、女性は袖丈ではなく、胸囲と腰回りのサイズで選んだ方が良いと思います。背中長めなのと、滑りにくい素材感なのか、ハーネスを履くとウエスト周りのダブつきや、動くことでズレて背中が出てしまうこともなく、快適でした。雪面登高時、胸下くらいまで埋まりましたが、雪がウェアの中に入ってくることもありませんでした。テント内でくつろぐときは、ジッパーを下から少し上げておくと腰回りが楽です。

 手持ちのゴアテックスのハードシェルよりも、厚手ですが重さは感じませんでした。比較的しっかりした生地ですので、耐久性はありそうです。アックスを引っ掛けてしまったのですが、無事でした。それでいて、肩の動きを阻害しないので、ストレスなく登攀を行うことができました。初日の登りの際に脇下とサイドポケットにあるベンチレーションを使用。開けるだけで空気の循環があるので、だいぶ楽でした。歩きながらの開閉もしましたが、ベンチレーションの位置がいいのでスムーズに操作できました。

 「ヴィンソンインシュレーションジャケット」は薄手なのにあったかい。体にフィットするデザインなので、インナーに着てももたつきませんし、アウターとして使ってもハーネスやギアの操作に干渉しません。あと、袖口の生地が柔らかくて気持ちいいです。寝る時、行動中と着ていましたが、フリースよりも保温性が高く、ダウンなどより着心地が楽で、リラックスして眠ることができました。下山時に着用した時は、そこそこ汗をかきましたが、中が濡れても保温性が落ちる感じはありませんでした。アイスのゲレンデなら、登る時はこれ1枚で、ビレイ中にジャケットやダウンを羽織るという使い方でも良いと思いました。また、私は汗っかきなので、気軽にホームクリーニングができるというのは、とてもプラスのポイントです。

 ただ、ポケットにしまうのはあまり小さくならなかったのと、でこぼこになってうまくしまえなかったので、手持ちのスタッフバッグに入れました。ポケット収納はちょっと使いにくく感じました。

アイスのルートでストレスに感じていたことを解決するアイテム

 「アルティメイト60」は、使ってみると「あ、これ便利!」という機能がしっかり搭載されています。「アルピニステジャケット」はハーネスを履く登山をするためのジャケットだと思いました。ハーネスを履いた時のストレスフリー具合は、アルパインクライミングをする方にはぜひ体感して欲しいです。

 冬期はアイスのルートに行くことが多いのですが、その際にストレスに感じていたことが今回の山行ではかなり改善されました。ハーネスを履いた際のウェアのもたつきやずれ上がり、アイゼン等ギアへのスムーズなアクセスができない、夜間の冷えや就寝時の窮屈さ等、クリティカルではないけれど、地味に不満に感じていたことがなくなるだけでこんなに快適なんだ!と思いました。今回モニターした3種の商品は、派手ではないのですが、クライマーが欲しいなぁと思う機能がしっかり搭載されているので、これからも使っていきます。