パタゴニア・R1シリーズに新作「R1デイリー」登場!
冬季登山から日常アクティビティまで
さまざまなシーン使える「R1デイリー」を山岳ライターが試す!
2021年秋に「R1デイリー」が追加され、4種類から選べるようになった
パタゴニアのレギュレーター1(R1)シリーズ。
機能性や対応するアクティビティなど、各モデルの特長に加え、
山岳ライター、吉澤英晃氏による「R1デイリー」のインプレッションを紹介する!
R1 series
4種から選べるパタゴニアのレギュレーター1・テクニカル・フリース

秋冬のミッドレイヤーとしてはもちろん、無雪期のインサレーションや行動保温着、アウターとしても人気のパタゴニアのレギュレーター1(R1)シリーズ。同ブランド内では、登山などのアウトドアアクティビティに向く高機能なテクニカルフリースカテゴリーに位置し、20年以上のロングセラーとなる「R1」に続き、「R1テックフェイス」、2020年には「R1エア」、2021年秋には「R1デイリー」が加わり、4種のラインナップへと拡充された。

より細分化されたR1シリーズから、各々の山行スタイルや運動強度、アクティビティに対応したモデルを選べば、より快適な登山が可能となる。保温性や通気性、防風性など、機能的に重なる、あるいは前後する部分はあるが、総じて、R1デイリーは、より汎用性が高く、低山ハイキングやトレッキング向き、R1エア、R1、R1テックフェイスに向かうにつれ、よりテクニカル、アルパイン向けとなる。

以下に示すそれぞれの特長やインプレッションを加味し、自分に合ったレギュレーター1で快適山行を実現しよう。

R1 Daily
登山から日常の活動にも適したフリースミッドレイヤー

R1デイリーは、R1やR1エアのように、生地にワッフル状の凹凸や、ジグザグのスリットはなく、伝統的フリースのようなフラットな生地形状に仕上げた薄手ミッドレイヤー。もちろん、パタゴニアのテクニカル・フリースに属するため、その機能性は折り紙付き。適度な保温力と通気性があり、吸汗速乾性にも優れる。また、表地はツルっとした滑らかな生地で、裏地は起毛したフリースとなっており、肌触りがよく、ソフトな着心地で、なにより、ストレッチ性が高いため、ストレスなく長時間着用可能だ。

襟の内側には、同ブランドのベースレイヤーにも使用される「キャプリーン・クール・ライトウェイト」素材を使用し、肌当たりのよさと吸湿発散性促進を実現。ハイキュ・フレッシュ耐久性抗菌防臭加工済みで、縦走やデイリーユースなどで連続使用しても臭くなりにくい。

秋冬の低山ハイキングから雪山登山まで、また、寒冷下でのウォーキングや日常のアクティビティ、無雪期の保温着としてなど、高い汎用性を発揮するのもR1デイリーの特長と言える。コストパフォーマンスの面からも最良な選択肢と言っていいだろう。

フルオープンするジャケットタイプのほか、ジップネック(Men’sモデルのみ)、ボトム、ビーニー、グローブが用意されている。

R1 Air/R1R1 Techface
それぞれに特長を持つ「R1エア」「R1」「R1テックフェイス」

R1エアとR1、R1テックフェイスのそれぞれの特長についても見ていこう。

R1エア:
R1エアは、寒冷な状況下での、激しいアクティビティ、あるいは、動き続ける運動にピッタリのテクニカルな中間着。生地は、セーターのような風合いで、よく見ると、ジグザグ織りになっている。生地には中空糸が使用されており、軽量なのにかさ高で保温性がある。一方、秀でた通気性を備えているのもR1エアの特長だ。ジグザグ織りのスリット部分は生地が薄くなっており、通気性がよく、運動中の蒸れを外へ逃がし、オーバーヒートを予防する。R1よりも、さらに通気性があるため、よりハイペースな山行、より汗っかきの人、トレイルランニングやファストパッキングといったアクティビティに向く。

R1:
R1は、寒冷な状況下での、動いたり、止まったりを繰り返すアクティビティに最適なミッドレイヤーだ。表地は、一見、凹凸のないフリースだが、裏地には、ワッフル形状のグリッド・パターンが施されている。このかさのあるグリッドが優れた保温性を生み出し、また、運動量が上がったときには、グリッドが汗を吸い上げ、毛細管現象により、表地へと拡散、さらにグリッドの溝が通気性を発揮し、蒸れを抑制する。R1デイリーよりも通気性がある分、より心拍数が上がる山行や汗っかきの人などに向く。ストレッチ性が高く、わりとタイトフィットするので、クライマーにも人気。

R1テックフェイス:
R1テックフェイスは、構造的には、R1の表地に耐久撥水加工を施し、耐風性や撥水性をアップしたものと言うとイメージしやすいだろう。ただ、R1よりも生地は薄く、密に織られているため張りがあり、グリッドも間隔が広いので、他のR1シリーズとは別ものと考えたほうがいい。どちらかというとソフトシェルに近く、多少の雨や風なら気にせず山行が続けられるなど、多様なシーンで使える耐候性の高さが特長。ストレッチ性があり、耐久性、耐摩耗性も高いことから、クライミングやバックカントリーなどで使用すると、機能性を存分に活かせる。

Impression of R1 Daily
吉澤英晃が丹沢・大山でR1デイリーをインプレッション
吉澤英晃(よしざわ・ひであき)
山岳ライター。1986年生まれ。群馬県出身。大学の探検サークルで登山と出会い、卒業後、山道具を扱う企業の営業マンを約7年勤めた後、ライターとして独立。道具にまつわる記事を中心に登山系メディアで活動する。
「暑すぎず、通気性がよすぎることもなく。ほんのりあったかで使いやすい」

2021年12月中旬、丹沢の大山で、新登場のR1デイリー・ジップネックとボトムを山岳ライターの吉澤英晃さんにインプレッションしてもらった。天候は晴れ、風もなく、日差しがあれば寒くない状況。比較のため、R1とR1エアのトップスも試着した。

「R1デイリーは、表地はツルツル、裏地は起毛していて、着用感はフリースそのもの。ストレッチ性があり、肌触りもよく、柔らかな着心地です。行動中も、ほんのりあったかで、ちょうどいい。登りが続くと、じんわり汗ばむくらいで、オーバーヒートはありませんでした。気温やコース、汗をかきやすい体質かにもよりますが、秋冬に一般的なコースを標準タイムで行動するぶんには、暑すぎるということはないと思います」と話す吉澤さん。

秋冬のフリースミッドレイヤーとしての保温力と通気性、吸湿拡散性などの機能性は十分に備わっていると評価する吉澤さんだが、運動量が上がってくるならば、別の選択肢もあるという。

「仮に、もっと体力がついてペースアップしたり、急登が続くようなコースにチャレンジするなら、さらに通気性が高いR1やR1エアを選択肢に入れるといいです。ただ、R1やR1エアは、グリッド・パターンやジグザグ織りの溝があり、汗抜けがよく、蒸れにくい反面、極端に言うと風が抜けやすくスースーするわけです。一般的なフリースとはちょっと異なるので、これに違和感を覚える人、あるいは汗をかきにくい人や寒がりの人、シェルを羽織るなど、レイヤリングでうまく調整できない登山初心者の方なら、R1デイリーのほうが、通気性がよすぎることなく、包まれている感もあって使いやすいでしょうね」

R1デイリーとR1、R1エアの使い分けについて聞いてみた。

「どのモデルも優れた保温性や通気性があって、機能的にクロスオーバーする部分があるので、アクティビティを限定するのは難しいですが、あえて使い分けるなら、R1は、無雪期の3000m級の山から積雪期~冬山まで一般的な登山で使う用。R1エアは、アイスクライミングだったり、ラッセルが予想される運動量が多い山行に。R1デイリーは、そういうのに関係なく、ハイキングや日常で使うイメージですね」

R1デイリー・ジップネックとボトムで、ほんのりあったか快適登山。
表地はツルツルで滑らか( 左)、裏地は起毛したフリース生地(右)。
左がグリッド・パターンを採用したR1。右は裏地がフラットなR1デイリー。
フロントジッパーには滑りのいいビスロンジッパ―。胸下まで開き、大換気が可能に。
風を通しすぎることなく、休憩時も汗冷えせず、ウェア内の暖かさをキープ。
「フィット感がよく、着心地軽く、肩ひじ張らずに着られる」

機能性のみならず、フィット感やデザインにも汎用性の高さがうかがえるという。

「着用時のシルエットやフィッティングがいいですね。自分は、身長180cmちょっとでやせ型。パタゴニアなら、普段はSサイズを着用していますが、今回はMサイズのR 1デイリーだったからか、腕周りなど、若干余裕が感じられました。立体裁断ですし、生地の伸縮性が高いので、どんな体形の人にもフィットしやすいと思います。

デザインはカジュアルです。R1やR1エアは、『これから山へ行くぞ!』みたいな、やる気感、山用ギアっていう雰囲気があるじゃないですか。でも、R1デイリーは、普段から、肩ひじ張らずに着られる感じがありますね。着用したR1デイリーが落ち着いた色だったからかもしれませんけれど……。実際、ストレッチ性があって、着用時のストレスがないし、表地がツルっとしていて重ね着しやすいし、耐久性もありそうだから、秋冬の日常の普段着としても使いやすいでしょうね」

ストレッチ性に富み、フィット感がよく、長時間着用してもストレスがない。
襟の内側には、肌当たりのいいキャプリーン・クール・ライトウェイトを採用。
肩部分は縫い目をショルダーハーネスと干渉しない位置に設計。
ストレッチ性も相まって、腕の挙げ下ろしにストレスはない。
人間工学に基づいたパターン設計で、脇下のかさばり感はない。
「ちょうどいい保温力、デザイン、ストレッチ性。ボトムの有用性にびっくり」

トップスもさることながら、ボトムの有用性にも驚きを隠せない吉澤さん。

「家を出るときは、夏用のパンツをはいていました。理由は、『あんまり格好よくないんじゃないかな』と思って。登山口で、インプレッションのため、R1デイリーのボトムにはき替えたら、ぜんぜん変じゃない。単体だけで、シュっとしてて、格好いい。結局、下山後、R1デイリー・ボトムで家まで帰りました。これなら、電車移動時も、サービスエリアなどでも、違和感なく着ていられます。

使用感もいいですね。腰から足首にかけてテーパーしていて、足さばきがよく、ストレッチ性が高いので、大きな段差を登り下りする際も突っ張る感じがありません。

保温力もちょうどいい。冬季の登山では、タイツの上に夏用のソフトシェルのようなパンツ、これにハードシェルパンツの3枚重ねを基本にしています。でも、レイヤリングが多いとちょっと動きにくかったりして……。これからは、R1デイリー・ボトムとハードシェルパンツの組み合わせでいけそうですね。登山口まではR1デイリー・ボトムで、いざ登り始めるときにハードシェルパンツをはく。

裏起毛のトレッキングパンツ+ハードシェルパンツという選択肢もありますが、裏起毛のトレッキングパンツは暑すぎたり、かさばったり、伸縮性に限界があったりするので、いまいち。驚くほどのストレッチ性と適度な保温力と通気性をもったR1デイリー・ボトムのほうが、ハードシェルとの相性がいいと思います。

右太もも部分に収納力のあるポケットがありますが、欲を言えば、ポケットは両サイドの高い位置に、ハンドポケットとして設けてほしかったなぁ」

裾にかけて細くなるデザインで、軽快な足さばきが可能。
驚くほどのストレッチ性で、極端に膝を屈曲させても、動きに追従する。
ウエストには紐を装備。フィット感の調整が可能。
右の太もも脇に大画面のスマホも収納できるポケットが備わる。
街にも馴染むデザインで、山はもちろん、デイリーユースにも最適。
「山用フリースのベンチマーク的存在。R1デイリーは初心者のファーストチョイス」

「いま、ミッドレイヤーは細分化されてて、登山初心者は何を選んだらいいのか分からない人も少なくないでしょう。秋冬用ならなおさらです。そんななかで、R1デイリーは、真っ先に選択肢に挙がってくるフリースミッドレイヤーだと思います。山用高機能フリースのベンチマーク的な存在で、安心して使えます。これを基準に山行を重ね、自分の体力や体質、山行スタイルやレイヤリング術などに合わせて、さらに保温性のあるもの、または、R1やR1エア、R1テックフェイスといった、より特化した製品を試してみるのもいいでしょう。

R1デイリーは、本格的登山でもデイリーユースでも使える汎用性の高さがありますし、R1シリーズのなかでは、一番リーズナブルですから、コストパフォーマンスにも優れています。迷ったら、まずは、R1デイリーから始めてみてください」

Lineup of R1
R1のラインナップ
Men’s
  R1デイリー
ジャケット
パタゴニアR1デイリージャケット
ジップネック
パタゴニアR1デイリージップネック
ボトム
パタゴニアR1デイリーボトム
ビーニー(UNISEX)
パタゴニアR1デイリービーニー(UNISEX)
グローブ(UNISEX)
パタゴニアR1デイリーグローブ(UNISEX)

Women’s
  R1デイリー
ビーニー(UNISEX)
パタゴニアR1デイリービーニー(UNISEX)
グローブ(UNISEX)
パタゴニアR1デイリーグローブ(UNISEX)

  パタゴニア公式のR1特集ページはこちらから

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