古きよき時代の雰囲気をそのままに、耐震・断熱を実現。北八ヶ岳・黒百合ヒュッテがリニューアル

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北八ヶ岳・黒百合平に立つ黒百合ヒュッテがこのほど、3年がかりのリニューアルを終えた。ファンに親しまれてきた山小屋の雰囲気は残しつつも、耐震性と断熱性をアップ。冬もより快適に過ごせる山小屋へと生まれ変わった。

北八ヶ岳・黒百合ヒュッテがリニューアル

元の雰囲気を残しながらリニューアルされた黒百合ヒュッテ(写真=いずれも菊池哲男)

北八ヶ岳・黒百合ヒュッテがリニューアル

以前から活躍していた薪ストーブを残した談話室

オーナーの米川岳樹さんによると、営業を継続しながらの工事だったので、いろいろ苦労があったという。

「黒百合ヒュッテの初期の建物は残っていませんが、現在の建物が、約60年前と約50年前に建てられた建物のため、老朽化が進み、立替のタイミングを計っていました。
そんななか、コロナ禍になり、休業を余儀なくされたり、お客さんの宿泊人数を制限したりするようになり、思い切って改装を決めました。業者さんが泊まり込みで作業するため、休業はせず使える場所を使って、営業をしながら改装をすることにしました。
雪がなくなるころから雪が積もり始める11月まで作業していただき、小屋を3ブロックに分け、3年かけて改装しました。改装なので屋根や柱、梁などはそのままです。ただ、基礎から直していただき、耐震構造の建物にしていただきました。また真冬も営業しているので全面に断熱材を入れ、窓を2重サッシにし、日当たりの悪い所はインナーサッシも取り付けて、断熱がとてもよくなりました。
まだ一部工事が残っていたり、片付けが追いついていませんが、残りの作業もがんばりたいと思っています。古さを残しつつ快適になった山小屋にお出かけください。お待ちしております」(米川さん)

北八ヶ岳・黒百合ヒュッテがリニューアル

オーナーの米川岳樹さん

リニューアル完了を聞きつけて11月下旬に泊まってきたという写真家の菊池哲男さんは「外壁や受付、食堂、調理場の移動などかなり大掛かりなものとなったようです。食堂兼談話スペースの一部として親しまれていたこたつがなくなったのは残念ですが、暖炉のある談話スペースの雰囲気は変わらないし、椅子に座って食事ができるのはありがたい。全体的に小屋の密閉度が上がったようで、暖かく感じました」と、リニューアルによる快適化を実感したとのこと。

黒百合ヒュッテは年末年始も含め通年で営業しているので、暖かい山小屋をベースに天狗岳登山などを楽しんではいかがだろうか。

北八ヶ岳・黒百合ヒュッテがリニューアル

雑誌『山と溪谷』に連載された先代オーナーの米川正利さんのエッセイ「ほろ酔い黒百合」の挿絵(作・福田文隆)も飾られている

北八ヶ岳・黒百合ヒュッテがリニューアル

天狗の庭より残照の天狗岳

関連リンク

黒百合ヒュッテ
https://www.kuroyurihyutte.com/

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