** レベルを問わず雪山を満喫 ** 
スノーシュー雪山楽しもう
写真/小関 信平

スノーシューの選び方のキホン! ふっかふかの雪山遊びを楽しもう!

スノーシューとは雪の上をラクに歩くための登山用具。スノーシューハイキングは、冬のシーズンがはじめての登山初心者にもおすすめできる雪山遊びです。ふっかふかの雪を思いっきり楽しみたいあなたのために、好日山荘 池袋西口店の高野さんに、スノーシューの選び方について聞きました。

取材・文/中島 英摩
スノーシュー
好日山荘 池袋西口店の高野 優さん
 

スノーシューってどんなもの? 種類や履き方、歩き方

ライターN:今年こそ雪山デビューしたい! という初心者のために、まずはスノーシューってどんなもの? というところからお願いします!

高野さん:スノーシューは、雪の上で浮力を使って歩くための登山用具です。フレームにデッキと靴を固定するためのベルトがついていて、雪上で滑らないように裏側にツメがついています。

スノーシュー
スノーシューを履くことで地面と接する面が大きくなり、雪上でも沈みにくくなる

ライターN:ふむふむ。では、履き方を教えてください。

高野さん:まず、スノーシューには左右があります。モデルによるのですが、印がついているので、それを確認しましょう。

ライターN:なるほど! まずはそこからですね。

高野さん:スノーシューのつま先のツメの付け根に、母指球(足の裏の付け根のふくらんだ部分)が乗るように靴の位置を合わせます。そして、つま先側から順にベルトを締めていきます。はじめはゆったりめに締めて、靴の位置を調整してから、さらに締めていってください。歩行中に外れないように、しっかりと靴に装着しましょう!

スノーシューの取り付け方(MSR「ライトニング アッセント」の場合)

ライターN:スノーシューにはどんなタイプがあるのでしょうか。

高野さん:雪原での歩行に適した雪山ハイキング用、傾斜のある地形に対応した雪山登山用、雪上で走ることに特化したスノーラン用などがありますが、雪山登山用で、重量が両足合わせて2kg弱くらいのスノーシューが一般的です。傾斜を登りやすいように、ヒールリフターが付いているものを選ぶといいと思います。

ライターN:ヒールリフターって何ですか?

スノーシュー
かかと部分につけられているのがヒールリフター

高野さん:平坦な雪原歩行では、スノーシューのデッキ面全体を使って歩くことができますが、登りで勾配があると、かかと側が低くなってしまいますよね。そのまま登るとふくらはぎに負担がかかり、疲れやすくなってしまいます。そうならないように、かかと側を上げることで足を水平な状態にして、足への負担を軽くすることができる機能です。

ライターN:それは選ぶ時に大事なポイントですね! ヒールリフター、覚えました! ちなみに女性用、男性用などサイズの違いはあるのでしょうか。

高野さん:だいたい、どのブランドも定番のシリーズには女性用と男性用のサイズ展開があります。女性用はスノーシューの幅が狭くなっていたり、体重が男性より軽いため、スノーシューも軽量になっていたりします。

ライターN:男女で歩幅・歩隔(歩行時の左右の足の間隔)が違うから、女性用はコンパクトになっているわけですね!

高野さん:体重と荷物の総重量や雪の状況によって、デッキ面が大きいものを選んだほうがいい時もあります。本格的な雪山登山やバックカントリーをする人は、体重と荷物の総重量が重くなりがちなので、雪上で沈みやすくなります。また、新雪が降って雪が深い場合もより浮力が必要になります。そんなときは、スノーシューのデッキを伸ばす「フローテーションテイル」(※)といったオプションパーツを付けてみるのもいいでしょう。

スノーシュー
好日山荘 池袋西口店の登山靴売り場

ライターN:スノーシューを使う時に履く靴はどんなものがいいのでしょうか。やっぱり冬山用の登山靴を買う必要があるのでしょうか。少々出費が・・・。

高野さん:スノーシューハイキング程度であれば、防水性のあるハイカットの3シーズン(春、夏、秋)対応の登山靴でも問題ないと思います。ただし、アッパーやソールが柔らかい登山靴だとスノーシューのベルトが食い込んでフィットしないことがあるので、ある程度、剛性がある登山靴がいいと思います。

ライターN:ちなみに、もこもこしているスノーブーツやスノーシューズでもいいのでしょうか?

スノーシュー
登山用品店にはスノーブーツも売られているが――

高野さん:たとえば、SOREL(ソレル)などは女性に人気のスノーブーツですが、そういったブランドのスノーブーツを選ぶのであれば、アッパーやソールがしっかりしていて、紐で締め上げられるタイプがいいですね。

スノーシュー
 
SOREL「カリブー」
サイズ 25~32cm
重量(片足) 964g
価格 20,000円+税

ライターN:スノーシューでの歩き方で、注意する点はありますか?

高野さん:まずは、「まっすぐ歩くこと」が基本です。スノーシューはバックができません!

ライターN:あぁ! そうですね! 意外と聞いておかないと初心者はわからないかもしれません。

高野さん:スノーシューは横にも歩きにくいです。方向を変える時は、つま先から角度を変えましょう。それから、スノーシューの幅に慣れていないうちは、歩行中にもう片方の足のデッキを踏んでしまうことが多く、転倒につながりやすいです。歩きはじめは、意識して左右の足の間隔を取って歩くといいと思います。

 

人気モデルは定番のMSR! 着脱のしやすさではTUBBSがおすすめ!

ライターN:好日山荘 池袋西口店では、どんなスノーシューが人気ですか。

高野さん:MSR(エムエスアール)の「ライトニング」シリーズですね。その中でも、特に「ライトニング アッセント」が人気です。値段はそれなりにするのですが、バックカントリーや雪山登山で使う登山者に人気で、毎年の定番商品です。

スノーシュー
好日山荘 池袋西口店では、「ライトニング アッセント」が人気
 
MSR「ライトニング アッセント」
サイズ 22(20cm×56cm)
25(20cm×64cm)
30(20cm×76cm)
重量(ペア) 1.81kg(22)
1.88kg(25)
3.15kg(30)
価格 42,000円+税

ライターN:どんなところが人気のポイントなんですか?

高野さん:「ライトニング アッセント」は軽量でデッキが柔らかく、しなりがあるので、さまざまな地形に対応します。フレームそのものが波刃状になっているので、他のブランドのスノーシューよりグリップ力があるのも特徴ですね。また、ベルト部分が柔らかいので、畳みやすくて、コンパクトになることや、登山靴だけでなくスノーボードブーツなどにも対応しており、靴を選ばないというのも支持されているポイントですね。

スノーシュー
MSRの「360°トラクションフレーム」は、フレームの裏側を
波刃状にすることでグリップ力を強化している

ライターN:「ライトニング アッセント」の次に人気のスノーシューはどれですか?

高野さん:TUBBS(タブス)の「フレックス」シリーズです。これは、靴を固定するためのベルトが、バックルで留めるタイプのものではなく、つまみを回すだけでベルトを締めることができる「Boaクロージャーシステム」を搭載していて、初心者の方でも簡単に装着することができるのです。

スノーシュー
TUBBSの「フレックス VRT」も人気のスノーシューだ
 
TUBBS「フレックス VRT」
サイズ 21(女性用のみ)
25
30
36(男性用のみ)
重量(ペア) 2.2kg(25)
価格 26,000円+税

ライターN:これは便利ですね! 厚いグローブをしていても操作しやすそう!

高野さん:しかもベルト部分の幅が広く面で固定するため、フィット感が高くなります。

スノーシュー
つまみを回すとワイヤーが締り、甲のパーツが登山靴を面で固定する

他にもあります! おすすめスノーシュー

スノーシュー
 
MSR「デナリ クラシック アッセント」
カラー レッド
サイズ 20×56cm
重量(ペア) 1.79kg
価格 21,000円+税
MSR「デナリ クラシック アッセント」は、1996年に発売した人気モデル「デナリ アッセント」の復刻版。MSRスノーシューの中では「ライトニング アッセント」の次に人気のモデル。
スノーシュー
 
エアモンテ「スノーシュー(アルミワカン)」
サイズ 19×42cm
重量(ペア) 410g
価格 12,000円+税
エアモンテ「スノーシュー(アルミワカン)」は、いわゆるワカン。スノーシューよりも浮力はないが、軽量でアイゼンとの併用もできることから、急峻な地形の多い本格的な雪山登山に向いている。
 

スノーシュー遊びに必要な登山用品のほとんどは夏山登山の装備でいいの?

ライターN:スノーシューハイキングをするために、スノーシュー以外にそろえておくべきものはありますか?

高野さん:身体の末端を冷やさないためのアイテムとして、グローブ、耳の隠れる帽子(ニット帽、ビーニー)、ネックウォーマーかバラクラバ、保温性のある靴下や寒冷地に対応したインソール、それにゲイターがあるといいでしょう。また、雪の反射光から目を守るためのサングラス、歩行のためのストックとスノーバスケットが必要です。

ライターN:ウェアは夏山登山で使っているものでもいいのでしょうか。

高野さん:もちろん冬山用の防寒着があればいいのですが、日帰りのスノーシューハイキングなら、フリースなどの保温着の上にレインウェアを重ね着するといいでしょう。

スノーシュー
夏や秋の登山で使ったウェアも活用できる

ライターN:グローブはどんなものを選べばいいですか?

高野さん:保温性能のあるインナーグローブの上から防水・防風性能のあるオーバーグローブを重ねて使うといいと思います。例えばこのBAILESS(バイレス)のオーバーグローブ「GORE-TEX ロング カフ グローブ」は、ゴアテックスを使った防水・防風仕様で、手のひらや指の一部に合成皮革を使うことで、ピッケルやストックを持った際に滑りにくく、冷たくならないようにしています。単体でも使えますが、インナーグローブと合わせて使うことをおすすめしています。

スノーシュー
BAILASSは好日山荘のオリジナルブランドだ
 
BAILESS「GORE-TEX ロング カフ グローブ」
サイズ S、M、L
重量(片手) 約70g(L)
価格 9,800円+税

ライターN:靴下も暖かいものを購入するのがいいでしょうか。

高野さん:そうですね、メリノウールなどの保温性がある厚手の登山用ソックスを履くといいのですが、普段、夏山登山で薄手のソックスを履いている方が、夏山と同じ登山靴をそのまま使う場合は、ソックスの厚みでサイズ感が変わるので注意が必要です。インソールは、寒冷地対応のものがおすすめです。例えば、SUPERfeet(スーパーフィート)の「レッドホット」(男性用)と「ホットピンク」(女性用)は、標準モデルのサポート機能に加え、防寒性、保温性を高めたものです。こういった製品で、足元の冷え対策を行いましょう。

スノーシュー
SUPERfeetの「ホットピンク」(左)と「レッドホット」(右)
SUPERfeet「レッドホット」
サイズ C(23~25cm)
D(25~27cm)
E(26~28cm)
F(27~30cm)
価格 6,000円+税
 
SUPERfeet「ホットピンク」
サイズ B(21~23cm)
C(23~25cm)
D(25~27cm)
E(26~28cm)
価格 6,000円+税

ライターN:ゲイターはショートタイプのものでもいいですか?

高野さん:ないよりはあったほうがいいのですが、丈の短いゲイターは、足がもつれたときにスノーシューで踏んでしまうおそれがあるので、丈の長さがあって、耐摩耗性のあるゲイターがあれば、なおいいと思います。

ライターN:ストック(トレッキングポール)は、夏山登山で使っているものでもいいですか?

高野さん:はい。ストックを地面についた時に雪に埋まらないよう、スノーバスケットをつけるようにしましょう。各メーカーからスノーバスケットが販売されていますし、あらかじめスノーバスケットが付属しているストックも販売しています。

スノーシュー
スノーバスケット付属のストックも販売されている

ライターN:スノーシュー遊びをやってみたいけれど、どこからはじめていいかわからなくて、スノーシューを買うのをためらっている人もいると思います。そんな方は、何からはじめればいいでしょうか。

高野さん:登山専門のツアー会社や好日山荘のような登山用品店などがスノーシューツアーを開催しています。まずは、初心者向けのスノーシューツアーに参加するところからはじめるといいでしょう。ツアーによってはスノーシューのレンタルもあります。購入する前に試着もかねて参加してみるのもいいでしょう!

※商品情報に記載の価格はすべて2018年11月12日現在の情報です


スノーシュー
 ** 教えてくれた人 ** 

高野 優 / 好日山荘 池袋西口店
日本山岳ガイド協会 山岳ガイドステージⅠ。大学山岳部で登山を学び、夏は沢登り、冬は雪山、シーズン通してフリークライミングと幅広く活動しています。好きなエリアは、沢なら谷川岳周辺、冬は穂高岳、クライミングは瑞牆山、城ヶ崎です。自宅が奥多摩に近いのでパートナーがいない日はよく自転車で奥多摩周辺の低山に出かけます。知識と経験を積んでお客様のチャレンジを応援できるよう努めてまいります。池袋西口店で皆様のご来店お待ちしております。

   
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