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急坂や段差に設けられた木組みの階段です。
中にはかえって歩きにくいと感じる木段もありますが、木段は登山道の侵食防止や植生保護という意味もありますので、道をはずれずに歩きましょう。
岩屑がガラガラと積み重なった場所をいいます。沢の源頭や高山の稜線に多く、岩が大きくなると「ゴーロ」と呼ぶこともあります。
コースを外れると極端に不安定になることがあるので、マークに従い、コース上を歩くことが大切です。また、ガレ場では落石の危険があるため休憩はさけましょう。
ガレ場より岩屑がこまかく小石や砂を敷いたような場所をいいます。砂礫地もほぼ同じ意味で使われ、火山の火口周辺や、花崗岩などの岩盤が露出した山に多く存在します。
ザレを通過するときは、小石や砂に足をとられないよう注意しましょう。
両側が急な斜面で、幅の狭い尾根を「ヤセ尾根」といいます。
足もとに充分注意して歩くとともに、登山者が交差するだけの道幅のない場所では、通過する前に逆方向からくる登山者がいないかどうか確認してから進みましょう。
沢に橋がなく、飛び石伝いや水流に踏み込んで渡ることをいいます。一般的な登山道でも、ごく小さな流れを徒渉する場合があります。
沢の水流は、想像以上に力が強く、徒渉できるのは靴に水がかかる程度まで。足首以上の深さになると危険、膝まであったらまず歩けません。とくに雨天後など沢が増水しているときは、充分な注意が必要です。
残雪、特に夏まで消えずに残る雪で、谷を埋めるものを「雪渓」といいます。稜線や斜面の窪地の残雪を「雪田」と区別して呼ぶこともあります。夏山の一般コースでも雪渓が残っている場合があります。
大規模な雪渓を歩く際は、靴底に装着する滑り止め「アイゼン」が必要です。亀裂(クレバス)をさけたり、雪の上を転がる落石に警戒する、といった危険回避も重要です。
山歩きに慣れるまでは、規模の大きい岩場や、連続して岩場があるようなコースは避けたいところです。しかし、一般的なコースでも小規模な岩場を含むことがあります。
岩場を安全に登り下りする基本技術「3点確保」を知っておきましょう。
一般コース中の岩場には、クサリなどの補助物が設置されていることがあり、クサリのかかった岩場をとくにクサリ場(鎖場)といいます。補助物はクサリに限らず、ロープなどの場合もあります。
クサリ場の登り下りも「3点確保(3点支持)」が基本です。クサリに頼りすぎ、両手でつかんで体重を預けてしまうと、かえってクサリに振られることがあり危険です。
ハシゴの通過も、基本は岩場と同じです。体を起こし、3点確保で上り下りします。手はハシゴの横棒をにぎると、滑りにくくなる。
急峻な岩場や谷にかかる滝などの通過が困難な地形を迂回したり、尾根上の小さなピークに対し、ピークへは登らず、斜面を横切って通貨するような道を「巻き道」といいます。「岩場(滝)を巻く」「小ピークを巻く」と表現します。
難所の場合、無理をさけるには、巻き道を選んだほうがよいでしょう。
あまり利用されていないために踏み跡が不明瞭な巻き道や、巻き道と思って進んだらほかのコースへ進んでしまった、というケースもありますので、不安を感じたら地図で確認することも大切です。
沢(谷、川)の上流から下流を見て、右の岸を右岸、左の岸を左岸といいます。沢に沿って上流へ登っていく場合は向かって右が左岸、向かって左が右岸になり、間違えやすいので注意しましょう。
沢に関する地形の呼び名には、支流が本流に注ぐ地点をさす「出合」、沢の源頭にあたる尾根上の突起をさす「頭(あたま、かしら)」などがあります。
Step4 登山の基本装備 | Step6 山で泊まる |
山のさまざま地形に対して、より安全に歩くには、地形や道の状況に応じた歩き方を知ることが大切です。
変化に富んだ自然との出会いは、山歩きの楽しみのひとつですが、なかには危険がひそんでいる場所もあります。
ここでは登山で特徴的な地形や道の状況と、安全な歩き方について紹介します。