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ザ・ビーチ的登山_久須夜ヶ岳(泊コース)

久須夜ヶ岳( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 1人 (Yamakaeru さん )

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行程・コース

天候

晴れ(酷暑)

登山口へのアクセス

マイカー
その他: エンゼルラインには入らず左に折れて泊集落を目指す。泊集落入口で道が二手に分かれる。右側を数十m進むと小さい橋と橋の横から山側に延びている林道が目印。駐車場は、橋の手前右手側。3台程度は停められそうな未舗装の空き地がある。橋を渡って直ぐの左手に公園があってトイレらしものはあったが、トイレかどうかは未確認。

この登山記録の行程

泊集落登山口(07:36)・・・泊乗越・山頂分岐(08:33)・・・エンゼルライン山頂駐車場(08:49)・・・久須夜ヶ岳(08:56)・・・泊乗越・山頂分岐・・・泊乗越(09:31)・・・<ミスルートあり>・・・大門小門(10:22)(休憩~10:40)・・・<ミスルートあり>・・・泊乗越(11:59)・・・泊乗越・山頂分岐(12:10)・・・泊集落登山口(13:02)・・・海岸(13:05)・・・泊集落登山口(13:10)

コース

総距離
約12.0km
累積標高差
上り約1,471m
下り約1,473m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

少し前に腰を痛め、山にも海にも行けずストレス溜まりまくりの日々が続いていた。特に、カヌーイーストとして、シーズンの夏に腰を痛めたのは致命的だった。よく誤解されるが、カヌー(カヤック)は上半身ではなく下半身で漕ぐスポーツなので、当分、復帰は無理だろう。一方で、「山はバランスとリズムで登るもの」というのが持論。まだ痛みと痺れが残っているが、体幹が戻りつつあったので、そろそろ試しにリハビリ登山をすることにした。単に待ちきれなかっただけとも言えるが。。。
海恋しの気持ちから、今回、海と山の両方の景色が頼める久須夜ヶ岳(くすやがだけ)を登ることにした。
題して「ザ・ビーチ的登山」。映画のザ・ビーチは、デカプリオが秘密の楽園を求めて、島に泳いで渡るが、こちらは山から秘密の楽園へのアプローチとなる。楽園は、福井県が誇る景勝地「蘇洞門(そとも)」。その中でも有名な「大門小門」に直接アプローチできる唯一の山ルートになる。一般的には、エンゼルラインを使って車で山頂付近まで行ったのち、大門小門へ向かう下りから始まる、ちょっと風変わりな登山となる。
エンゼルラインが無料開放されてからもう久しいが、昔は結構な値段だったため子供の頃に一回親と来た程度の記憶しかない。久しぶりにエンゼルラインを走るのも乙なものだと意気揚々とやってきた。が、入り口付近で気になる看板を見つけた。「一部通行止め?!」。車を停めてインターネットを確認すると、今年の4月29日に山頂付近で土砂崩れがあったようで、いまだに一部通行止めが続いているとのこと。折角、楽しみにやってきたというのに、どうやら天使には嫌われてしまったようだ。
リハビリ登山として、様子見程度の軽い登山を考えていたが、ここまで来て中止は嫌だったので、行程は長くなるがもう一つの登山ルート、泊集落起点で登ることにした。
登山口は、泊集落に入って直ぐにある。集落入り口の分岐した道を右側に数十m進むと右手側に僅かな駐車スペースがある。
車から降りると、ギラつく日差しと絡みつくような湿気。今日もすこぶる猛暑の予感。駐車場から川を挟んで山に向かって延びている林道があったので疑いもせずに歩き出す。が、100m程で行き止まり。あれ?と思い、もう一度、駐車場まで戻ると、停めた車のすぐ脇の草むらに「登山口」と書かれた小さな看板があった。つくづく人間思い込みの行動はよくない。
いきなりの藪漕ぎか?!と、恐る恐る草をかき分け進む。幸い、草が茂っていたのは僅か5m程。そこから先は意外にしっかりした登山道が続いていた。
久須夜ヶ岳は、小浜湾を囲む内外海半島の先端部に位置し、海から一気に競り上がった、半島で最も高く目立つ山容をしている。登山道はその急な斜面に挑むかのようで、直登気味に登っていく。結構、荒れているが、目印の赤テープも等間隔に設置されており、危険な場所や道に迷うような箇所はない。
これと言った花に出会うこともなく、ただただ大汗をかきながら黙々と登る。そろそろ水分補給をした方がよいかと思ったタイミングで、尾根にたどり着いた。ここまでは心配していた腰も特に問題はなさそうだ。尾根を左に進めば泊乗越を経て大門小門。でも、調子も良いので、右へと曲がり山頂を目指す。尾根沿いの道はとても歩きやすい。時折、薄っすらと樹木の間から青い海が見えた。程なくして、アスファルトの道に交わる。もう、山頂の駐車場も間近だ。通行止めの影響なのか、道には小さな落石がごろごろしていて、結構荒れていた。人間が近寄らなくなって喜んでいるのは動物だけか、ウリ坊1頭と鹿数頭が突然の来客に驚いて走り去っていった。
駐車場に立つ。360度、ぐるりと見渡せる素晴らしい景観。青い海にモクモクと真っ白な入道雲が立ち上っている。カヌーでお気に入りの常神半島と御神島もよく見える。反対側の大飯方面にはひと際目立つ双耳峰の山がそびえている。青葉山。国道27号線で敦賀方面から向かうと、若狭富士と呼ばれるだけあって綺麗な正三角形の山容が楽しめるが、本当は東峰と西峰からなる双耳峰で、個人的には正三角形よりも双耳峰の山容の方が気に入っている。双耳峰の姿がこれだけはっきり見えるポジションもなかなかないのでは?!。
久須夜ヶ岳の山頂は、駐車場から少し登ったところにある。景観はあまりないが、せっかくなので山頂の看板をカメラに収めてから、大門小門へ向かうべく来た道を折り返す。
泊集落への分岐まで戻り、更に尾根沿いに少し下ると、「蘇洞門右」の看板にぶつかる。泊乗越。ここから道は右へと折れ、山の反対斜面へと移っていく。泊集落側は直登気味だったのに対し、こちら側はトラバースの部分が多い。登山道もところどころ、道と言うよりは踏み跡がある程度で、はっきりしない場所も多く。また、土砂崩れで道が根こそぎ流されて判別できないところも見受けられた。事実、泊乗越を降って直ぐのところで、気を付けていたにも関わらず、行きも帰りも道を見失って藪漕ぎをしてしまったほどだ。
半島を巻くように進み、最後は尾根沿いにまっすぐ降ると滝の音が聞こえてくる。そうなるとゴールも間近。突然、視界が開けて、南国のように青く透き通った海が目に飛び込んでくる。頂上にあった駐車場を除き、これまで眺望らしいものが一切なかっただけに、ガイドブックのような風景に思わず「おおっ」と声が出てしまう。暑い中、我慢して歩いてきただけのことはある。足元をのぞき込むと東尋坊のような入り江があり、その横の壁には一条の滝が流れ落ちていた。冒頭に秘密の楽園という言葉を使ったが、まさしくそんな言葉がよく似合う風景だ。
入り江へ降りる断崖には階段が整備されていた。急な階段をジグザグと体の向きを変えながら降りておく(途中で崩落しているところがあったので要注意)。入り江には船着き場があって、2隻のレジャーボートが停泊していた。そのボートで来たのだろうか、子供連れの親子がシュノケーリングを楽しんでいた。人がいなければ真っ先に海に飛び込んだかも知れないが、さすがにヒンシュクなのでやめておく。代りに滝の真下に行って、汗だらけの顔を洗う。首筋に冷たい水が気持ちよく、生き返る。
入り江には、海の浸食で出来た門のような縦状の大きな穴が2つあった。これが大門と小門。穴の中からは、壁の向こうに広がる青い海と白い入道雲が見えた。大門と小門には、小浜から観光船に乗って来たことがあるが、船から見る風景とはまた違って、汗をかきながら山を越えて来たぶん、感動も格別だ。このままここで夕日を眺めたら、さぞかし綺麗なことだろう。しかし、照りつける日差しが半端なかったので、早めに戻ることにした。
休憩でスイッチが切れたのか、急な階段の一段いちだんがとてもきつい。そういえば、直ぐに帰るつもりだったので朝食をとっていなかった。完全なシャリバテだ。暑さも加わりヘロヘロになりながら登っていく。久須夜ヶ岳は標高自体600m程度の山だが、ほぼ海抜から登って降ることを考えると、ピストンのコースは山二つ分の登山になる。腰を痛めてすっかり身体がなまったしまったようでとてもシンドイが、我慢しきれずにやって来た久しぶりの山。シンドイことも含めて楽しい。結果的にリハビリ登山としては逆に悪化した感があるが、しっかり治して一日も早く思う存分山を楽しみたいものだ。

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みんなのコメント

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  • 海もいいですね。

  • そのまま海でキャンプしたかったね。(^-^)滝=真水もあるし。

登った山

久須夜ヶ岳

久須夜ヶ岳

619m

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