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日本千山 502/1357

トマム山( 北海道)

パーティ: 1人 (1357 さん )

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行程・コース

天候

登山口へのアクセス

バス

この登山記録の行程

トマムリゾート/泊(16:00/12:50)トマム山(14:55)トマムスキー場(15:40)

コース

総距離
約7.0km
累積標高差
上り約679m
下り約679m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 新千歳空港から迎えの車で札幌に向かう。高速道路は除雪が行き届いて路面が乾いている部分が多いが、市内に入ると雪の為に渋滞しており、近道しようと国道を外れると一転して雪の凸凹道となる。 社長・専務と合流して得意先へ挨拶に出向いた後空港へ向かい、プロペラ機で釧路へ飛ぶ。曇天に加えて窓の無い窓側の席に座ったので、残念ながら日高の山並みを眺めることは叶わない。出迎えのYas氏とO社の釧路営業所に挨拶してホテルに落着き、夕食を2人で食べ、興に乗って酒を飲む。
 明日に掛けて低気圧が通過し、冬型になるとの今朝の天気予報なので、明日は吹雪になる可能性が大だ。天気が良ければ朝寝してゆっくり出掛け、明日トマム山に登りたいところだが、登頂のチャンスがあるとすれば今日で、しかも早い時間ほど天気は好いと思われるので、気力を振り絞って一番電車で行くことにする。ホテルの朝食券を購入済みなのだが二日酔いで食欲が無く、パンとお茶を買って特急に乗る。
 白波が打ち寄せる海岸には釣人が居り、諮ったように3本の竿を立てている。内陸部に入って荒野の雪景色を眺めている間に居眠りし、目覚めるとトマム駅は近い。下車する人は4人と少ないが、雪上車が出迎えて有難くホテルの玄関まで運んでくれる。
 雲が流れて雪がチラホラ降っているものの、時々山頂が見えるので何とか登れそうだ。二日酔いのうえにお腹の調子が落着かないのが気に入らないが、「空腹では山登りが出来ない」と考えてリゾートセンターへ立寄り、無理して半ラーメンを食べる。
 ゴンドラ乗場でシールを板に貼付けて歩き出す。初心者ゲレンデからエキビジョンBに入って高度を上げると、雪上車のパトロールが「何処まで登るのか」と聞くので、「トマム山頂まで行く」と答えると、「山頂は登山禁止です。L8の山頂駅までならOKです」と言う。「判った」と言って前進を続け、P962mまで行って一本立てる。
  平坦部を少し行くと急傾斜のザ・グローリーが見上げられる。上部はガスの中で見えないが、思い出したようにスキーヤーがガスの中から現れて来る。「山頂まで300mだから、1時間頑張れば行けるだろう」と、ゲレンデの幅を目いっぱい使ってジグザグに登って行く。幅の狭い部分で右手の岳樺帯へ踏込むと深雪で、50cmほども潜って手に負えない。
 アルファキャビン山頂駅の高さである標高1,080mまで登ると視界は10m程となり、ガスの中からボーダーがヌーッと姿を現す。前進するかどうか迷うが、諦めると来年再び来る気がしないように思え、「よし、登るぞ!」と気持を鼓舞し、左手のL8ゲレンデへと上がる。
  雪が緩く登行に苦労するが、50m程登ると締まった雪となり、逆にスリップしないようにとエッジングに気を使う。ゲレンデを区切る柵沿いに最上部まで上がり、ロープの外に出て僅かに黒い樹影が見える左手のクラストした斜面に入り、下山時のことを考えながら注意深く登る。
 雪壁を強引に登って尾根の上に出ると風当りが強くなる。頂上は近い筈だが、高度計の表示は山頂よりも高くなっていて当てに出来ない。黒い影を見付けて近付くと鉄の箱で、シュカブラを叩き落して剥き出しにして下山時の目印とする。
視界は1m程で、センサー連動換気扇付きゴーグルを以てしても如何ともし難く、高い方へと登るしかない。前進を続けているとスキーの抵抗が無くなり、ヘッドが空中に遊んでいる。前方に高い所が無いことを確かめ、トマム山頂に達したと確信する。

 直ぐに下山に移る。下りは逆風のためにシールを着けたスキーは滑らず、足探り状態で下降するのに好都合だ。黒い箱を過ぎ、見当を付けて雪壁を左へ下りて頂上の南斜面へ入るとスリップするが、直ぐに停止する。標高と方向を確かめながら勘に頼って滑って行くと次第に視界が伸び、L8ゲレンデへ出る。やや安心して右へ滑って行くと下方に人の姿を認め、アルファキャビンのゲレンデへ出て安堵する。
 雪の上に体を投げ出し、大の字になって休む。シールを外し、目標を達成した満足感に満たされながらザ・グローリーをゆっくりと滑って行く。「迷うことの無いゲレンデを滑る事の、何と言う安寧さだろう」と彼我の差の大きさを思うと、先刻までの緊張感が懐かしくさえ思える。
 エキビジョンBを堪能して滑り、センターまで戻ると二日酔いの頭痛は消えている。時間も遅くお腹も空いたので早々に部屋に戻ることにして第5リフトで中間点まで上がり、既に照明が点灯されたナイターゲレンデを第10リフト乗場へと滑降し、第4リフトで最上部まで上がる。フリーウェイの途中から左の林へ入って連絡道を推進滑降するとホテルの前へ出て、能く計算されたゲレンデとホテルの配置に感心する。
 夕食は山仲間の評判が好かった(夏に泊って芦別岳と夕張岳、二ペソ留に登った)海鮮市場に入り、北海道の海産物を満喫して豊かな夜を過ごす。惜しむらくは、周りのテーブルが全てカップルや家族であるのに比して唯一人で座っていることだ。

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登った山

トマム山

トマム山

1,239m

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