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日本千山 598/1357

北見富士( 北海道)

パーティ: 2人 (1357 さん 、ほか1名)

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行程・コース

天候

登山口へのアクセス

マイカー

この登山記録の行程

富士見/泊(15:30/6:25)尾根取付(6:40)北見富士(11:10~40)富士見(13:40)女満別空港(19:00)

コース

総距離
約6.0km
累積標高差
上り約799m
下り約799m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 仁頃山から下山して、橘井さんと富士見へ走ると、集落には民家が1軒建っているのみで、目指す場所であることを確認するために地形図に描かれている神社を捜すが、無くなってしまったようだ。降りしきる雪の中、林道の入口に車を停め、雪を踏み固めてテント場を作りながら札幌から来る吉永・鈴木の両名を待つ。
 初対面の鈴木さんと挨拶を交わし、「林道にテントを張るのは、断った方が良いだろう」と言うことになって民家の主人を表敬訪問すると、「ああ、良いよ。車は家の庭に停めたら」と言ってくれる。
庭には、母屋に増設した三面を透明なビニール波板で囲った100㎡ほどの真新しい建物が在り、居心地良さそうに見える。鈴木さんが上手く話を誘導して、とうとうこの部屋に泊めてもらう事になる。
 
 無加川に架かる生間内橋を渡って行くと、エゾシカが慌てて川を横断して林の中へ逃げ込む。降雪に埋もれた古いスキーの跡は橋の先で左折する林道沿いに進んでいるが、我々は山頂から南に派生する尾根に直に取付こうと考えて直進する。
 パオマナイ川の流れは雪の下に隠れ、問題無く左岸へ渡って尾根に取付く。斜面は急なうえに雪がほとんど無く、板を担いで先行すると「スキーは置いて行こう」とストップが掛かる。100m余登り、林道を横断して尾根の背へ上がる。
 緩く進むと少しずつ雪が増え、鹿の足跡を辿ってラッセルを回避するが、獣道は空間が狭いのでしゃがんで枝の下を潜り抜けたりしなければならず、意外と疲れて思ったほどには楽が出来ない。やがて雪が深くなり、獣道も進む方向にそぐわなくなったのでスノーシューを履くことにする。自分はワカンを持参しなかった(プラブーツ等でザックが満杯になった)ので、吉永さんが札幌の山仲間から調達してくれた物を借用する。
 初めて履くスノーシューは大きな板みたいな感じで、違和感はあまり無いが、フラットに置かないと変な具合に雪面に突き刺さって始末が悪い。柔らかい表情の針葉樹林に4人でトレースを付けて進む。しばらく行くと右手に林道が現れて足が捗る。右カーブする付近で林道を放棄して樹林へ戻り、先頭を交代しながら徐々に勾配が増す斜面をラッセルする。女性2人は初めてのラッセルで、物珍しさも手伝ってか楽しそうに元気に歩いている。林道を数回横断して高度を稼ぐと標高850mから傾斜が増し、3人が次第に遅れるようになる。以後、先頭に立ってラッセルを続ける。
 スノーシューは先端を雪面に蹴り込むのが難しく、靴の爪先が利かないので滑り易く、急勾配部ではワカンより歩き難い感じがする。橘井さんは斜面の直登を避けてジグザグに緩く登って来る。それを見て、「まだ、ラッセルのしんどさを知らないから、一歩でも節約しようという気にならないのだ」と、せっかく付けたトレースが生かされないのを惜しく思う。
 次第に登るピッチが落ち、残り時間が少しずつ減って帰りの飛行機が気になってくるが、辛抱してラッセルを続け、標高1,180mの頂稜の肩まで登り着いて「残りの標高差が100mになった。何とか頂上を踏めそうだ」と愁眉を開く。筋肉の疲労が大きく痙攣しそうになるが、「自力でラッセルして登るしか、山頂を踏む手立ては無い」と萎えそうな気力を奮い立たせ、一歩一歩足を前へ出し、持続できるスピードでラッセルを続ける。
 急斜面の五月蝿い針葉樹の薮を抜けると雪稜状の尾根の上に出て左手が開ける。相変わらずの小雪で視界は悪いが相当高くまで上がったことが判り、地図を開いて確認すると残りの標高が50mを切ったと知り、勇気付く。
針葉樹の大木の陰を回り込むと前方が開け、雪に覆われた純白無垢の頂上に辿り着く。奥には立派な山名柱と赤布が賑やかで、原始的な雰囲気の針葉樹林の中を長時間ラッセルしてきた身にはしっくりこず、何だかきょとんとする眺めだ。ザックカバーを雪の上に広げて手袋を載せ、腰を下ろしてコーヒーを飲む。「それにしても、頑張ったなあ。登ることが出来て良かった」と、苦しいラッセルから解放され、安堵しながら体を休める。
 「4人揃った写真は良い記念になる」と楽しみにしながら後続を待つが、なかなか現れず次第に体が冷えてくる。辛抱強く待っていると、20分後に橘井さんのみが姿を現す。「2人は途中で止めて、先に降りて待っているって」と聞き、「欲が無いんだなあ」と言葉を失う。
 尾根取付点に下山して4人が合流して写真を撮る。「挨拶しよう」とブリーダーの家を覗くと留守で、昨夜の話の通り札幌へ犬を卸しに行ったようだ。塩別温泉に入って札幌の2人と別れ、橘井さんに留辺蘂駅まで送ってもらい、網走行の電車を待つ。

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フォトギャラリー:3枚

装備・携行品

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登った山

北見富士

北見富士

1,291m

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