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日本千山 766/1357

丸山(ニペソツ山)( 北海道)

パーティ: 1人 (1357 さん )

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行程・コース

天候

快晴

登山口へのアクセス

マイカー

この登山記録の行程

幌加ダム(5:00)尾根取付(6:15)P1,220(7:55)鞍部(1185m/8:10)鞍部(1165m/8:35)鞍部(1295m/9:35)丸山(11:15~40)取付(13:55)ダム(15:15)

コース

総距離
約19.5km
累積標高差
上り約1,254m
下り約1,254m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 国道から林道に入ると凍結した雪がバリバリと音を立てて車が振れる。ワカンが無いので、雪が締まっているのは大歓迎だ。古いトレールが残って「このルートから丸山に登った人が居たんだ」と喜ぶが、三の沢川の方へ直進している。林道には鹿や熊の足跡がたくさん目に付き、5分おきに大声を上げながら進む。
 スキーの跡がほとんど付かないような硬い雪なので「靴で歩いた方が早いんだけど、ワカン代りだからなあ。帰りの滑りを楽しみにしよう」等と考えながら、熊と未知のルートへの不安を抱きながら淡々とした林道を行く。五の沢を右岸へ渡り、東尾根の末端に達して大休止する。林道は左右に分かれて奥へ続いているようだ。
 目の前のピーク(870m)は急で、林の中には藪が見えるのでスキーを諦めてデポする。針葉樹の間の格好の空隙を行くと明瞭な熊の足跡と一緒になり、「熊も人も、歩き易い所は同じだな」と納得しつつ、気持ちは落着かない。急斜面や雪の少ない所では靴が潜ってワカン無しを不安に思うが、P870、P993、P1,000mと越えて高度を上げると雪質も次第に安定して歩き易くなる。明瞭になった尾根をP1,220に登り、緩い雪原を慎重に進んで1,185m鞍部へ下降すると、樹幹に巻いた赤テープを数本発見する。
 この先は、尾根通しに行くとアップダウンが大きくアルバイトを要するので、P1,250mの南斜面とP1,370の北斜面を巻いて山頂から東へ落ちる尾根の1,295m鞍部へ出るのだが、「このルートの注意箇所だ」と気持ちを引き締める。
 小うるさい針葉樹の幼木帯からはP1,370の東尾根の雪原が輝いて見え、高木林に入ると雪は程好い固さで快適に歩けるが、雪に慣れない人はアイゼンが欲しくなる急な斜面も現れる。傾斜が落ちて緩く下ると1,165m鞍部に着く。
 P1,370北斜面のトラバースは日が当たらないので雪が締まらず、深く潜って梃子摺り息が上がる。ワカンを持ってこなかったのは覚悟の上だ。倍の時間を掛けて突破するしかない」と焦らずに歩く。沢を巡る急斜面をトラバースして行くと見上げる稜線には雪庇が輝き、沢底には小規模なデブリが出ている。鞍部間の標高差が130mあるので登り気味のトラバースを心掛けているのだが、ラッセルとトラバースは相性が悪くて高度を稼ぎ難く、最後は50mほど直登して鞍部手前の尾根へ上がる。
 2つ目のトラバースに1時間を要したものの、「計画より1時間以上早く着いた。7割方は丸山を手中にしたな」と安堵しながら大休止する。帰りの水や食料、予備のシャツ、バイル等をデポして身軽になり、眩く輝く山頂への雪稜に取掛かる。
 P1,385を越えると岳樺に覆われた急斜面が視界を占領する。標高差200mの登りで上部へ行くほど傾斜が急な斜面だが、陽射しのために表面の凍結は緩んでキックステップが小気味良く利き、苦しい息遣いの下で雪山の醍醐味に快哉を叫ぶ。「中山さんも、橘井さんも来れば良かったのに」と、喜びを分かち合う岳友が居ないのを惜しむ。
 傾斜が落ちた所で一息入れ、シャツを増し着して雪稜の背に立つと雪原と霧氷を着けた岳樺の先になだらかな丸山の山頂が見える。純白の大雪原に足跡を印して三角点に立つ。雲が取れたニペソツ山がピラミダルな全貌を現して壮絶な印象を与え、反対側にはウペペサンケがスノーリッジを擁して目を惹く。
 南西方向間近に、三角点より高いかも知れないと思われるナイフリッジの鋭峰が目に入り、「えっ、丸山は双耳峰だったのか」と我が目を疑い、慌てて地図を取出してP1,690であることを確認する。
 雲一つ無く晴れ上がった純白の山頂を後にするのは勿体無いが、帰りはラッセルが酷くなる事を考えるとあまりゆっくりも出来ない。苦労して高度を稼いだ急斜面も下りはあっと言う間で、登りの85分に対して25分で鞍部に戻る。
 デポを回収し、以降も登りの約半分の時間で順調に下降を続け、尾根取付点へ下山する。林道の雪は軟化し、板の下で凸凹の雪面がギュッギュッと鳴いてスキーが滑らない。疲れて推進滑降も力無く、登りと同じ時間を掛けて車に戻る。

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装備・携行品

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登った山

丸山

丸山

1,692m

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