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日本千山 1123/1357

羽後朝日岳( 東北)

パーティ: 1人 (1357 さん )

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行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー

この登山記録の行程

林道(7:35)部名垂沢(7:40)奥二俣(870m/10:10)稜線(1275m/11:30)朝日岳(12:00~30)下降点(12:55)林道(15:35)

コース

総距離
約9.0km
累積標高差
上り約1,108m
下り約1,108m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

 昨年6月に夜の生保内林道を心細く走って部名垂林道入口まで行ったのだが、朝になって『県の山』を見ると、一般登山道とばかり思っていたのに沢登りで山頂を踏むことを知り、沢靴を準備してこなかったので他の山を目指す破目になった。今回改めて山頂を目指す次第だ
 
 林道終点の広場に車を停め、少し戻って部名垂(へなたれ)沢へ下り、左岸へ渡って赤テープを追って河原を歩く。砂防堰堤数基を何れも左岸側から越えると左岸沿いの荒廃した林道に踏跡が通じているが、あまりはっきりせず薮道でもあるので川原を主体に歩いて345m二俣に着き(8:00)、本流の左俣へ入る。
 こちらにも左岸の工事用道路の跡に踏跡が通じている。最終堰堤を越えた所で川原へ下り、竿を取り出して岩魚釣りを試みるが全く当りが無く、30分で切り上げて遡行に専念する。荒れた感じの川原が続き、勾配が出て転石が大きくなる。「出水時には、かなりの激流になるんだろうなあ」と視点を変えて観察すると、流入する枝沢は何れも急峻だ。
 急折部を捨て縄のある右岸から高巻いて進むと、右から大規模なガレ沢(伏流水の大カッチ沢、705m、9:30)を合わせる。勾配がさらに増し、40分で奥の二俣に着く。右俣には急なナメ滝が連続するのが見上げられる。遡行するのは面白そうだが、下降路としては左俣の方が容易なのだろう。
 昨日、女神山を欲張った所為か体が重い感じで、「稜線に上がると山頂までは近いし傾斜が緩いから、沢靴で歩いても大して苦労しないだろう」と考えて、山靴とバイルをデポしてザックを軽くする。これまでぽつぽつと目に付いた赤布が二俣に無いのを不審に思いながらも左俣へ入り、遡行を続ける。
 10m余の滝を捨て縄に助けられて右岸の踏跡から越え、数か所の捨て縄通りに歩いて最後のサミダレ状滝を左岸から巻いて登ると、標高900m付近で水が涸れる。水筒に必要量を補給してしばらく登ると再び流水が現れるが、1,100mで完全に涸れる。岩溝状の源頭を詰め、灌木の下の踏跡に取付いて最後の100mを右寄りに急登してp1,280南の稜線へ出て一息入れる。
 尾根には登山道は開けておらず稜線漫歩とならないのに失望するが、灌木の下には植生の無い微かな筋が続いており、抵抗の少ない空間を足で探って慎重に進む。少し先で1,270mの小ピークに隠れていた朝日岳の山頂が姿を現す。
 少し下ってp1,700に登ると、尾根の西斜面に踏跡の筋が断続して見えている。「思ったより時間が掛かりそうだ」と灌木と草が交互に現れる踏跡を気が急いて辿ると、スリップして転倒し足がもつれて疲れが加速する。沢靴はエッジが利かず、傾いた踏跡や木の根、草の葉に乗るといとも簡単に滑って腹立たしく思う。
 辿り着いた山頂の草の原には数人が休んだと思われる跡が残っており、登頂記念(昭和9年)の古びた自然石の碑が置かれている。草に覆われた朝日岳の稜線には郷愁を誘われるような優しさがあり、なかなか他へ目を移せない。和賀山へ登った時の感慨をも思い併せながら、「良い山だなー」と登頂の喜びを噛み締める。
 和賀山が間近に大きく、秋田駒ヶ岳も全貌を見せている。岩手山には雲が掛かって頭を傾げた優雅な姿にはお目に掛かれない。二ノ沢畚は急峻な沢を何本も落とし、堂々として迫力がある。モッコ岳へ続く尾根は笹に覆われて登山道は完全に消失しているが、中間のP1,260の笹原にはっきりした筋が残っている。
 今は足下となった部名垂沢を見下ろし、「捨て縄や巻道のお陰で数個の滝にも苦労しなかった。一般ルートと言うには少しレベルが上だけど、三つ道具も不要だ」等と遡行を反芻し、緑の中に静まり返る幻想的な色合いの夏瀬湖に目を細める。右奥には仙北市の田園が光り輝いて平和に見えている。
 林道出合まで戻り、流れに全身を浸して火照った体を冷やし、汗みずくの体を洗い清めて朝日岳に別れを告げる。

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装備・携行品

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登った山

朝日岳

朝日岳

1,376m

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