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** レベルを問わず雪山を満喫 ** 
スノーシュー雪山楽しもう
写真/小関 信平

スノーシューの楽しみ方、冬の山の遊び方

春から秋は登山をしているけど、冬の山は不安がいっぱいで、二の足を踏んでいるという方、多いのではないでしょうか?
そんな方は、ぜひスノーシューにチャレンジを!

スノーシュー
 

スノーシューとは?

スノーシューは「西洋かんじき(ワカン)」とも呼ばれる、雪の上を歩くための道具。雪上での浮力が高く、坂もスイスイ上り降りができます。特別な技術も必要ないので、誰でもすぐにスノーシューハイクを始められますよ。

登山用の装備がそろっているなら、それを併用すれば基本的にはOK。加えてニット帽やサングラス、グローブやダウンなどの防寒着をプラスしましょう。

スノーシューハイクのエリアは、初心者向けのトレッキングコースが最適。だいたい12月中旬~4月上旬くらいがシーズンです。雪山に不慣れな人は、まずはガイドツアーで体験してみるのがいいでしょう。スノーシューなど必要な登山用品のレンタルもできるので、装備を持っていない人にもおすすめです。

まずは、雑誌『ワンダーフォーゲル 2017年12月号』に掲載された、中島 英摩さんと高橋 楓さんがスノーシューで歩いた戦場ヶ原の記事で、雪山気分を味わってみましょう!

スノーシュー
写真/小関 信平 文/高橋 楓(ワンダーフォーゲル編集部)
モデル/中島 英摩 協力/コロンビアスポーツウェアジャパン、VIST JAPAN、モチヅキ
 

奥日光 戦場ヶ原|温泉と雪原歩きの旅へ

『ワンダーフォーゲル 2017年12月号』より

ピークを踏まずに、のんびり雪原をスノーシューで歩く旅。 夜は宿のご馳走に舌鼓を打ち、温泉に癒される。

奥日光 戦場ヶ原って、どんなところ?
人気の観光地・日光からさらに車で1時間ほどの奥日光エリアに位置する。都内からのアクセスのよさや、スノーシューのレンタル施設もあり、スノーシューデビューにぴったり。

スノーシュー

奥日光で雪と温泉三昧

雪だ。車の窓から日光駅が見えてしばらく行くと、やっと周囲に白いものが見えてきた。出身地の新潟では冬になればどかどか降るので珍しくもなんともなかった雪が、降らない場所で数年も暮らすと、途端に非日常の舞台装置になってしまう。視界に入っただけで、わくわくさせられる。まあ、新潟でも初雪には毎年はしゃいでいたし、子どもっぽいだけかもしれないが。

スノーシュー
湯元温泉の源泉。ぽこぽこと湯が湧き出ている

今回はスノーシューと温泉を楽しむ旅だ。アイゼンとピッケルのハードな雪山登山もいいが、たまにはのんびり歩いて癒されたい。1日目は湯元温泉周辺を歩き、宿で1泊して、翌日に戦場ヶ原を歩く。戦場ヶ原を南北に流れる湯川は北の湯ノ湖から続いていて、その湖畔が湯元温泉だ。湯ノ湖はその名のとおり湯元温泉の温泉が流れ込んでいて温度が高く、山間の寒い地域にありながら、全面凍結することは滅多にないらしい。

湯元温泉の周辺にはスノーシューで歩けるコースが複数整備されている。宿泊する宿に車を停めて、さっそく準備開始。ウェアを着込み、スノーシューとスキーベンチャーを車から降ろす。スキーベンチャーは1mほどの短い板で、登山靴にも装着できる。今日は同行の中島さんがスノーシュー、私がスキーベンチャーを使うことにした。

スノーシュー
右がスキーベンチャー。左がスノーシュー

金精(こんせい)沢沿いのコースを歩く。しばらくは緩やかな登りだ。昨日から降ったという雪は、まだ誰にも踏まれていなかった。スキーベンチャーにシールをつけて登る。シールとは、スキー板の裏につける滑り止めのことだ。繊維が雪にひっかかって後方には滑らない仕組みらしい。これでスキーをはいたまま登れるようになるのだ。山スキーには必須アイテムだが、私はゲレンデでしか滑ったことがないので、初めて使う。本当に滑らない。

スノーシュー
金精沢コース。もふもふの雪の上を歩く

シールに感心しつつ歩くこと2時間弱で、コースの折り返し地点に着いた。ここからは下りになるので、いよいよスキーベンチャーの活躍である。……と思いきやうまくいかず、はじめのうちは転んでばかりだった。もふもふの新雪につっこんで倒れても痛くはないが。転ぶたびに中島さんは笑いながら手を貸してくれた。30分もするとようやく慣れて、スノーシューの中島さんを置き去りに滑ってみせたが、調子に乗るとすぐ転んだ。

スノーシュー
豪華な夕飯。日光名物の湯葉もおいしい

日が暮れる前に、宿へと戻った。さっそく温泉へと向かう。浴場に入ると、ふわりと湯気と硫黄の香りに包まれた。ささっと体を洗い、湯船へと体を沈める。湯元温泉は歴史が古く、開湯はなんと奈良時代。雪が深く、昭和まではもっぱら夏の間の湯治場だったらしい。温泉は好きでも、熱さに耐え切れずいつも早々に上がってしまうのだが、ここの湯は熱くてもいつまでも入っていたくなる。さすが奈良時代から続く名湯だ。都会の生活で積もるストレスにこわばった体と頭がゆるゆるにほぐされる。

夕飯後に、ウェアを着込み、えいやっと気合いを入れなおして外へ出た。雪がチラつく寒空の下、歩いて10分ほどの全日本氷彫刻奥日光大会の会場に向かった。湯元温泉では雪の時期にいろいろなイベントが行なわれており、氷彫刻大会もそのひとつだ。マリリンモンローやドラゴンの精巧な彫刻はまさに職人技だ。作品はかまくらの中にライトアップして展示され、雪に包まれた静かな夜の温泉街で、ここだけ特別華やいでいた。

スノーシュー
赤沼からしばらく林のなかを歩く

翌朝、戦場ヶ原へと向かう。今日は朝から快晴だ。葉がすっかり落ちた樹林の間から陽光が差し、木の長い影が雪の上に伸びている。時折、動物の足跡が点々とついている。今日は中島さんと交換して、スノーシューをはいた。実はスノーシューをはいて歩くのは初めてだ。戦場ヶ原は湯元よりも雪が少なく、トレースもばっちりあったが、スノーシューを楽しむべく、ちょっとだけトレースから逸れて歩く。雪に足を置くと、ふわりと沈み込む。

小田代ヶ原(おだしろがはら)の展望台で休憩する。中島さんが持ってきてくれた金柑をかじる。甘くて少しだけ苦い。山にこういうちょっと素敵なものを持ってくる人を、私は心から尊敬している。

スノーシュー
戦場ヶ原の雪原から見える男体山

金柑をごりごりとかじりつつ、白い雪原に浮かんでいるように見える男体(なんたい)山を眺める。最初に「戦場ヶ原」という名前を聞いたとき、きっと昔この場所で武士達が戦ったことが地名の由来で、平家の落ち武者伝説でもあるのだろうと勝手に思っていたが違った。男体山と赤城(あかぎ)山が戦ったという伝説が由来らしい。水が豊富な中禅寺(ちゅうぜんじ)湖をめぐり、男体山が大蛇、赤城山が大ムカデに化けて戦ったという。どんな怪獣戦争だ。ちなみに勝ったのは男体山だそうだ。

再び歩きだし、泉門池(いずみかどいけ)に着くと、ベンチでたくさんの人が休憩していた。クロカンスキーのおじさんたちや、小さな子どもを連れた家族、ツアーの団体。池にはカモがぷかぷか浮かんでいる。山の神々の戦場も、いまや人々の憩いの場所である。男体山は、遠い昔の大暴れなんて素知らぬ顔で、青空の下にどっしり構えていた。

スノーシュー
 ** 歩いた人 ** 

中島 英摩 /右
ライター。冬は日帰りスノーランから雪上泊縦走まで楽しむ。
高橋 楓 /左
編集部員。雪山はビギナー。のんびり雪山ハイキングはいいね。

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戦場ヶ原 コース紹介|静かな奥日光でスノーシューデビューを

標高1400m前後の高層湿原で、四季を通して人気が高い戦場ヶ原。雪が降ると湿原は一面の雪原となる。湯川沿いの自然研究路は木道でスノーシューに不向きなので、西側のヶ原へと向かうコースがおすすめ。スタートのからしばらくは樹林帯を歩くが、小田代ヶ原の展望台へ着くと、東に山が大きく見える。おおむね平坦な道が続くので、スノーシューデビューには最適。

また、温泉周辺のスノーシューハイキングもおすすめだ。スノーシューのために整備された複数のコースがある。戦場ヶ原よりも山沿いのため、積雪が多く、傾斜もある。

関東近郊からなら日帰りで行けるが、歴史ある温泉地に宿泊して、いろいろなコースをたっぷり楽しもう。


◇ 標高 / 1400m前後
◇ 泊数 / 日帰り
◇ 登山適期 / 1月上旬〜3月中旬
◇ コースタイム / 赤沼→光徳入口 計2時間30分
◇ アドバイス
装備は夏山装備に防寒着などを組み合わせても充分。三本松にはスノーシューやクロカンスキーのレンタルがある。湯元温泉のコースは、雪崩の危険箇所があるため、ビジターセンターなどで事前に確認を。
◇ アクセス
[公共交通]往路:東武日光線東武日光駅→東武バス(1時間・1500円)→赤沼
復路:光徳入口→東武バス(1時間5分・1550円)→東武日光駅
[マイカー]日光宇都宮道路清滝ICから約20km、約40分で赤沼。無料駐車場あり。
◇ 問合せ先
日光観光協会  Tel 0288-54-2496
東武バス日光  Tel 0288-54-1138
日光湯元ビジターセンター  Tel 0288-62-2321