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主要山域

霧島連峰

霧島連峰

写真:足利武三  旧ゲート付近からの霧島連峰。左から新燃岳、中岳、高千穂峰

 霧島連峰は、霧島火山群と称し、宮崎県と鹿児島県境を南北に連なり、多くの旧火山からなる山群である。
 この地域は昭和9年(1934)、霧島国立公園に指定され、現在は錦江湾国定公園と屋久島が加わり、霧島屋久国立公園として、本州最南端にある国立公園である。
 県境に沿う山々は、南の高千穂峰と北の韓国岳(からくにだけ)との間に中岳(なかだけ)、新燃岳(しんもえだけ)、獅子戸岳(ししこだけ)が連なり、夷守岳(ひなもりだけ)、甑岳(こしきだけ)、白鳥山(はくちようざん)、栗野岳(くりのだけ)、大幡山(おおはたやま)それにえびの高原、大浪池(おおなみのいけ)など大小28にのぼる峰や旧火口、火山湖を集めた火山群である。現在活動中の新燃岳火口を除いて、どの火口や山群もミヤマキリシマ、カヤ、深い樹林に包まれて静まり返っている。
 高千穂峰、中岳、新燃岳は比較的新しい火山で、その他の火山は、山麓一帯にかけてモミ、アカマツの深い原生林で覆われ、新緑、紅葉、初夏のミヤマキリシマ、冬は樹氷や白紫池の天然スケートリンクと、四季折々の姿で、登山者を楽しませてくれる。
 原生林にはウグイス、カッコウなど野鳥も多く、ヤイロチョウをはじめ、高原町狭野(きの)神社社域一帯のブッポウソウ繁殖地、えびの高原のノカイドウ自生地、谷筋に咲くキリシマミズキ、またニホンジカの姿も多く、自然が豊富である。
 火山地帯特有の温泉、自然、国立公園、整備された交通網などにより、国際的な観光地として、また南九州観光のメインルートとして、観光客と登山者で賑わっている。
 登山ルートは宮崎県えびの高原から韓国岳、獅子戸岳、新燃岳、中岳、高千穂峰、高原町御池への長大なルートがあるが、高千穂河原までの縦走が一般的。ほぼ6時間を要する。平成4年(1992)には新燃岳周辺の火山活動が活発なため立入禁止となったが、翌年に解除された。
 縦走以外のコースは、えびの高原か大浪池登山口、夷守台から、それぞれ韓国岳を目指すのもよく、アカマツ、ブナ、カエデ、モミ、ミヤマキリシマ、ドウダンツツジ、ミツバツツジ、ナナカマドと新緑・紅葉、花の季節は楽しい登山が期待できる。
 高千穂河原から高千穂峰往復コースは登山者のみならず、ハイカーにも人気のコースで、山麓の温泉レジャーも合わせて人気がある。往復2時間30分。
 連峰からの展望もよく、大浪池から新燃岳、韓国岳方面と連峰を見渡し、各山頂から錦江湾、桜島方面、九州山地南部と360度の大展望である。鹿児島市、宮崎市からえびの高原へ直通バスがあり便利。鹿児島側は新湯温泉、湯之野、宮崎側は御池、皇子原(おうじばる)にも登山口がある。

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霧島連峰の主要な山

霧島山

1,700m

高千穂峰

1,574m

新燃岳

1,421m