モニター特派員・山旅レポート
小諸の街を巡り
黒斑山雪と遊ぶ
街と山を繋ぐ
2日間の山旅
写真=田渕睦深 特派員=水口真菜美、吉川はるか
デザイン=a-pexdesign
協力=(一社)こもろ観光局
Sponsored Contents
 

顔を上げれば悠々とした浅間山の姿が見える小諸市。
市内の歴史と食を楽しむ名所を巡った後は、
雪化粧をした浅間山の絶景が見える黒斑山へ。

水口真菜美さん(写真左)
東京都在住。都内近郊の低山を中心に毎週のように山に行くが、雪山登山は未経験。実は長野市出身。
吉川はるかさん(写真右)
東京都在住。登山イベントで出会った友人の水口さんに誘われて参加。登山は昨年秋に始めたばかり。
浅間山が育んだ人と土地の歴史

「おはようございます!」と小諸駅に現れたのはモニターツアー参加者の水口真菜美さんと吉川はるかさん。このツアーでは東京から来てくれた山友達のお二人に、小諸の魅力を体験してもらいます。

まずは中棚荘の荘主・富岡さんの指導のもと、そば打ちを体験。そば粉は中棚荘の自家農園で作った無農薬、つなぎの水は温泉水です。

「教えてもらう通りに、そばをこねたり広げたり、切ったり。見よう見まねで作っているつもりでも、難しいですね。ところどころ荘主がリカバリーしてくれたおかげで、なかなか美味しそうなそばを作ることができました。」(水口さん)

作ったそばは、「お煮かけそば」で頂きました。野菜やキノコなどの具材がたっぷりの鍋に、小さなかごでそばを一杯ずつあたためながら食べる郷土料理です。

「自分で作るそばは格別で、つゆでも、地元の郷土料理お煮かけそばとしても味わうことができ、とても満足でした。お出汁、野菜も絶品で、旨味が身体と心に染み込んでいくようでした。」(吉川さん)

次に向かったのは、小諸城址・懐古園です。ここはかつての小諸城が公園へと整備された場所です。三の門から先は、人力車観光ガイドの磯貝さんが引く人力車で園内を巡ります。女性ならお姫様、男性ならお殿様気分が味わえる楽しいガイドツアーです。磯貝さんの軽妙なトークで、楽しく懐古園の歴史や特徴を学ぶことができました。

「この立札には“下馬”とあります。さて、どういう意味でしょう?」と磯貝さん。

「えーと…ここで馬を降りる…?」と吉川さん。

「正解です! 1ポイント!」

立派な石垣を眺め、城を敵襲から守ったという断崖絶壁を展望台から覗いたあとは、青空の下で磯貝さんが一曲、歌声を披露。曲は「SUKIYAKI」の名前で世界でもヒットした「上を向いて歩こう」です。小諸は作詞の永六輔氏が戦時中に疎開した場所で、その当時の辛い思い出が歌詞に反映されたという逸話があるそうです。

「人力車のお兄さんのお話、歌、とても心に残りました。お兄さんの丁寧なお心遣いで本当のお姫様になったような、タイムスリップしたように思いました。桜や紅葉が楽しめるそうで、また違う季節にぜひ来てみたいものです」(吉川さん)

展望抜群のジオヒルズワイナリーでベトナムコーヒーとワインで一息ついた後は、布引いちご園でいちご狩り、本陣主屋ではお守り作りと、さらに小諸を満喫しました。

夕食の前に、今日の宿へとチェックイン。粂屋は、旧脇本陣の建物を改築して2019年にオープンした宿です。小諸は江戸への参勤交代や物資を運ぶために使われた北国街道が通る宿場町でもありました。加賀藩や高田藩などが利用したそうです。大名行列では殿様が本陣に、家老が脇本陣に泊まりました。複数の大名行列の到着が重なってしまったときには、一方の殿様が脇本陣に泊まることもあったそうです。それほど格式が高い宿だったのです。

「昔の良いところをいかした、歴史をありのまま感じられるところが素晴らしいです。エアコンも戸の向こう側に収納するなど現代の機能を取り入れつつ、外観にとても気を遣われているリノベーションに感動しました。また、テレビを設置してないところも良いですね。情報社会の現代から少し距離を取り、江戸時代に宿泊されていたお殿様やお侍さんたちに想いを馳せながら、のんびりと旅のひとときを楽しむことができました。」(吉川さん)

夕食は、小諸の食材をふんだんに使ったイタリアンのコース料理をHARADAで頂きました。HARADAは実は1898年創業の小諸でも老舗の手打ちのおそば屋さん。5代目となった現在は、そば屋とイタリアンが融合したちょっと不思議なお店となっています。

小諸産りんごジュースのカクテル、小諸産のセリと信州サーモンのカルパッチョ、小諸産の豆たっぷりの「ミックスビーンズのハラ黒」ピッツァ、小諸産黒大豆味噌の肉みそ「こもろん味噌」を使ったボロネーゼ「コモローゼ」など、どれも美味しく頂きました。

「全ての料理に小諸の食材を使っていて、独創的で手がこんでいるものばかりでした。お世辞なしに全て美味しかったです。私の一押しはミックスビーンズのハラ黒ピッツァ。黒い生地にお豆がゴロゴロ、チーズもたっぷり。面白い食感がクセになり、リピートしたくなるくらい絶品でした。」(水口さん)

浅間山の雄姿をめざして
黒斑山スノーシューハイク

粂屋でたっぷり休んだ翌朝は、いよいよ黒斑山でスノーシューハイキングです。二人ともスノーシューハイキングは初めてです。今シーズンは暖冬でしたが、今朝の黒斑山は最高気温なんとマイナス10℃! ガイドの佐藤さん、森田さんの指導でしっかり防寒をして、スノーシューを装着し、出発します。車坂峠からの登り始めは、緩やかな樹林帯です。

「スノーシューは靴の3倍くらい大きさがあり、雪の上でも沈み過ぎず、ぱふぱふと歩けるようになります。新雪でも歩ける歩ける! 登りは歩き始めて少し経てば、ほぼ慣れることができました。雪があると、普段とは全く風景が変わります。」(水口さん)

途中で少し道を逸れて、丘からそりで滑り降りて遊びました。「気分が若返りました」と水口さん。転んでもふかふかの雪の上なので、痛くなくて安心です。

ガイドの佐藤さんによる植物の解説も、山歩きを楽しくしてくれます。「これがオオカメノキの花芽。真ん中が花になって、両側は葉っぱになります。万歳しているみたいでかわいいでしょ?」

2時間ほどで、樹林から稜線へと出ました。周りは真っ白で、晴れていればここから見えるという浅間山も見えません。気温はマイナス15℃。お昼のお弁当もカチコチに凍っています。寒さに強いらしい水口さんと吉川さんは元気そうですが、今回は残念ながらトーミの頭まで行って引き返すことにしました。

トーミの頭で記念撮影をして、後ろ髪を引かれつつ下っていると、急に明るくなり、青空も見え始めました。振り返ると、浅間山の姿が…! 慌てて写真に収めた後は、しばらくみんなで浅間山の雄姿を眺めていました。

「私達の状態に寄り添いながらペース配分や誘導をして頂き、新雪遊び、そり遊び、また野生動物や植物の観察を含め、思う存分雪山を楽しむことができ充実したスノーシューハイキングでした。マイナス15℃の世界は木々が雪化粧を纏い、そのなかを粉雪がきらきらと美しく舞う大変美しいところでした。山頂付近からの浅間山の眺めは最高で、感動しました。雲がはけて現れた雄大な姿は、忘れることのできない小諸の風景の一つです。」(吉川さん)

わずかでも見られた浅間山も美しさにすっかり満足して、あたたかい温泉をめざして下っていきました。

モニター特派員スナップ

 

 黒斑山コースガイド
■コースタイム
車坂峠(1時間)赤ゾレの頭(10分)トーミの頭(30分)黒斑山(20分)トーミの頭(1時間10分)車坂峠 計約3時間20分

■アドバイス
人気のコースなので、土日は人が多く、雪が踏み固められているときにはスノーシューよりもアイゼンがいい場合もある。スノーシューを楽しむなら降雪直後を狙おう。尾根に出ると風も強く、東側は切れ落ちた崖になっているので注意。

■「こもろの冬山でスノーシュー2020年 黒斑山コース 初中級編」開催
2020年3月14日(土)に、黒斑山スノーシュー体験プログラムが開催されます。
詳細・お申し込みは、(一社)こもろ観光局のHPで。
https://www.komoro-tour.jp/blog/fuyuyama2020/
モニター特派員コメント

水口真菜美さん
「1日目は本当に魅力が詰まった観光ツアー。楽しいし、たくさん学ぶことができたし、美味しいものをお腹いっぱい食べることができました。2日目はなんといってもスノーシュー。直前まで天気が良くなく、風も強いため、できるかどうか怪しかったのですが、決行できて良かったです。前日にお祈りした、てるてる様のおかげです。とても楽しい経験をすることができました。雪の中を歩き回るのは東京じゃ絶対にできないことなので、最後は雪が名残惜しくなりました。食べ物、歴史、自然、運動、温泉など、たくさんの内容がギュッと詰まった、充実したツアーでした。小諸市は、街をあげて建物や城跡など昔からのものを、大切に保存している、とても素晴らしいところだと感じました」

吉川はるかさん
「地域全体で歴史的建造物や豊かな自然を大切にし、現代に引継いでいる小諸市。この2日間を通して、小諸の魅力を多角面、総合的に体感することができ大変充実した旅となりました。小諸のあたたかい人々、雄大な自然、美味しい果実、料理、おもてなしは心の奥深くに響き、幸福感をもたらしました。この幸せな思い出を持つことができ嬉しく思うとともに、さらに小諸の魅力を知りたい、沢山の人に知ってもらいたいとの思いへと繋がります。昔から現代へ続いてきたように、現代から未来への架け橋の一員となれば幸いです。冬も素敵でしたが、雪解けした春も素晴らしいことでしょう。これからの小諸市に胸が躍ります」