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HOME > 月刊『山と溪谷』連動企画。フリーズドライ食品ができるまで(アマノフーズ工場見学)

フリーズドライ食品とは、「冷凍」と「乾燥」を組み合わせた、魔法の食品!

フリーズドライ食品は登山者にとってメリットになることばかり!

 最初のメリットに挙げられるのはその「軽さ」です。水分を飛ばしてあるので、非常に軽く、持ち運びが容易。これは装備を軽くしたい登山者には大きなメリットです。
 「香りがよく、おいしい」ということも魅力のひとつです。ドライフードでは、どうしても味や食感など本来の食事を再現できませんが、フリーズドライ食品は、味や色、香りなど変化が少なく、素材そのままの味でおいしく食べられるのです。
 また、「お湯を入れればすぐにできあがり。水でも復元するものもある」ので、山小屋でお湯をもらったり、コンパクトストーブでお湯を沸かして入れたりするだけですぐに食べられるので山では重宝します。
 いざ山に持って行ったものの、食べなかった・・・。そんな時でも長期保存がきくので、お腹にもお財布にもやさしいですよね。
 ほかにもフリーズドライ食品は、素材の成分変化が少なく、味、形態、ビタミン類などの栄養価も壊れにいので登山には、まさにピッタリの食品なのです!

フリーズドライの歴史を知っておこう!

 こうしたメリットを持ったフリーズドライ食品は、そもそもどんな経緯で生まれたのでしょうか? じつはこの技術の最初の利用は医学分野で、人体の器官や組織、さらには血清などを保存・利用することが始まりだったのです。
 それが月日とともに食品加工の分野まで広がり、インスタントコーヒーに始まり、後にカップラーメンの具材、そして今日のみそ汁やカレーなどへと発展していきました。
 日本でのフリーズドライ食品のトップクラスメーカー、アマノフーズではブロックタイプの食品を年間約1億食、生産しています。

1890年 Aitmanが組織学的研究のため器官・組織の切片を凍結乾燥する。
1909年 Schackelが血清の乾燥を行う。
1940年頃 Flosdorf,Muddらにより、赤十字の仕事として乾燥血漿の大量生産を進める。
1954年 英国食糧省が中心になり、凍結乾燥食品に関する広範囲な基礎研究を始める。
1960年 米国Armour社で凍結乾燥食品が市販される。インスタントコーヒーの製造が始まる。
1971年 カップラーメンのかやくに、エビ、肉のフリーズドライ食品が使用される。
日刊工業新聞社「真空技術」より

アマノフーズの工場見学でフリーズドライ食品を学ぼう!

 医療分野から発展して、今では「おいしい・お手軽・安心・安全」な食品として、ふだんの生活の中でも知らず知らずのうちに口にしているフリーズドライ食品。この食品の加工には、どんな技術が隠されているのでしょうか?
 そこで、アマノフーズの工場見学に行ってきました!

おいしさと安全の秘密 その1
手間ひまをかけて前処理を行ない、おいしい具材を仕込む

 具材は鮮度が命。ナスなどの仕入れられた具材は、鮮度を保つためすぐに前処理され、調理へと入ります。
 とはいえ、すべて機械化することは不可能。えびやカニの身をほぐしたり、カットした具材の大きさを検品したり、ひとつずつは手で作業されるのです。
 一方、みそ汁のスープ部分はニーダーと呼ばれる大きな鍋で仕込まれます。ここでは、みそ汁の風味を損なわないように設定しています。
これが「ニーダー」と呼ばれる大きな鍋。みそ汁のスープ部分が作られる
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みそ汁が仕込まれている様子。しっかりと温度管理して調理される
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具の調理は、手作業で行われる行程も多い。具の大きさや量が適切な量になるためのこだわりだ
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キモは、やっぱり「厳選された新鮮な食材」。
風味を損なわないための徹底した温度管理。
具や材料の配分や大きさが適切となるように、人の手を介して取り分け。

おいしさと安全の秘密 その2
凍結させた具材にスープを注ぎ込み、素材のうまみを保ったまま次工程へ

 前処理が終わったら、トレーに食材を詰めます。最初に具材を板状に凍らせます。これを小分けにして各トレーに入れ、その後、冷ましたスープを充填します。この工程でのポイントは、具材と汁を別々の工程に分けていることです。
 具材を先に凍らせているのは、具材に汁が染み込み過ぎてしまうのを防ぐため、また、野菜などの具材に長く熱が加わり続け、変質して味が落ちるのを防ぐためなのです。この2段仕込みがおいしさの“みそ”なのです。
冷凍された具材。具材は具材だけで調理される
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調理された具材が冷凍された様子
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トレーに載せられた具材に、みそ汁のスープを注ぎ込む
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具材とスープは別々に調理するのがポイント。
具材を凍結するのは、具材にスープが染み込み過ぎてしまうのを防ぐための秘密。
野菜などの具材に長く熱が加わり続け、変質して味が落ちるのを防ぐ効果も!

おいしさと安全の秘密 その3
零下40度で8時間かけて、しっかり予備凍結。おいしさを閉じ込める

 フリーズドライ食品はまさに言葉のとおりフリーズ(凍結)・ドライ(乾燥)させることで作られます。ドライフードと異なるのは、作業の前半、つまりフリーズさせることにあります。
 じつはここがポイントで、ドライフードの乾燥は水分が液体から気体に変化を起こし乾燥していくのですが、フリーズドライは水分が固体から気体へ一気に変化を起こし乾燥(昇華)していくのです。
 これにより、味や食感が保たれ、おいしいフリーズドライ食品が作られるのです。
調理され、トレーに載せられた製品が冷凍室に運ばれる
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冷凍室の温度は零下40度に設定。この温度がおいしさのポイントとなる
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おいしさのヒミツはフリーズにあった!
零下40度で8時間かけて、しっかりと予備凍結することで、おいしさを閉じ込める!

おいしさと安全の秘密 その4
真空凍結乾燥は24時間かけて食品を乾燥する

 トレーの食材が凍ったら、すぐ隣の真空凍結乾燥機へと運ばれます。収められた食材はここで約24時間かけて水分が昇華されていきます。「その3」で解説したとおり、水分を昇華させることがおいしさのポイントなのですが、これにはもうひとつキモがあります。
 真空状態にすることで、食材から水分がゆっくりと昇華され、おいしさをとじこめることができるのです。
 お湯を注いですぐに食べられる特長は、約24時間もの長い時間をかけて真空凍結乾燥させる最新技術の賜物なのです。
真空凍結乾燥機の外観。この中で凍結された水分が昇華される
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凍った食品が真空凍結乾燥機に運び込まれる
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真空凍結乾燥機で乾燥中。約24時間かけて商品を乾燥する
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予備凍結された具材の様子。具材、スープの水分が、
それぞれ凍結している
  真空状態にすると、昇華が始まり、水分のみが具材から抜けていく。
これでフリーズドライ食品ができあがる

水分を昇華させることで、素材の食感や風味を確保。
型崩れすることなく見た目の美味しさも保持。
約24時間もの長い時間をかけて乾燥させる工程が、お湯を注いですぐに食べられる特長を産み出す。

おいしさと安全の秘密 その5
金属検知機とX線検知機で検品。安全食品への徹底した設備

 乾燥した食材は選別コンベアーに乗せられ、金属検知機とX線検知機を通して安全確認が行われます。金属検知機は金属の検知を、またX線検知機では金属以外のもの、つまり石や骨などの異物を検知します。
 こういった機器を使用することで製品の安全性が保たれているのです。
X線検知機で安全確認を行っている様子
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完成した食品はすべて各検知機にかけられる
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入念なチェックで安心・安全
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金属検知機では、文字通り商品中に金属が紛れ込んでいないかチェック。
X線検知機は、金属以外(素材に紛れ込んだ小石や骨などの異物)を検出。

おいしさと安全の秘密 その6
窒素充填でパッケージして酸化を防ぐ。包装状態も徹底チェック

 パッケージはピローラインと呼ばれる包装機で行われます。密閉する際には酸化防止のため、商品特性に合わせて窒素が充填されます。
 包装フィルムには光と空気を通さない専用のアルミを用いた素材を使用。最終段階では目視検品で、印字のカスレや穴あき、密閉の完成度をチェックし、完全なものだけが製品として出荷されます。また、パッケージの最終チェックは、ラインごとにランダムに商品が取り出され、パッケージ内の酸素濃度が社内基準に保たれているか調べます。
パッケージは、シール強度検査も実施。減圧して検査しているので、気圧の下がる高山でも安心です。
一機あたり1日約3万~5万個が生産できる
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包装時は酸化を防ぐために窒素が充填されていく
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残存酸素もチェックして完全なものだけが出荷される
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シール強度検査を行っている様子。丈夫なパッキングは山でも安心
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密閉する際には酸化防止のために窒素を充填。
包装フィルムには専用のアルミを用いた素材を利用。
減圧検査で高山でも安心。

おいしさと安全のために、工場ではこんな取り組みも!

 アマノフーズのフリーズドライ食品は、上記のようにおいしさを徹底追求しています。また、昨今の食品では大きなキーワードとなっている、「食の安全」についても、しっかりとした取り組みを忘れていません。
 その一部を、ここで確認してみましょう。

おいしさと安全の秘密 その7
工場は衛生管理を徹底したつくりに!

 工場へ入るスタッフは、まず頭まで覆う作業服とマスクを着用し、専用の靴に履き替え、手をよく洗います。エアシャワーを通る前に、自ら粘着ローラーを使って念入りに衣服に付着したゴミや毛髪などを取り除きます。
 エアシャワールームに入って、エアシャワーを浴び、やっと工場内へ入ることができます。トイレも、アルコール消毒をしないと扉が開かず、作業に戻れないような仕組みになっています。徹底した衛生管理がなされているのですね。
粘着ローラーを使って念入りに衣服に付着した
ゴミや毛髪を取り除く
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エアシャワールームで、衣服に付着したゴミなどを飛ばす
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エアシャワーと粘着ローラーで衣服に付着したゴミや毛髪などをシャットアウト。
トイレも、アルコール消毒しないと扉が開かず、作業に戻れないような仕組みに。

おいしさと安全の秘密 その8
細菌検査で、「食の安全」をより完璧に!

 細菌検査はひとつの商品ごとに行なわれます。その手順は、初めにシャーレに試料を作り、そこに50℃以下(←検査に適した温度)のカンテンを入れて、カンテン培地とします。24~48時間をかけて大腸菌群や一般細菌の発生を観察するという方法をとっています。
 もちろん製品に対しても細菌検査は行われており、完成した製品の検査の場合は、10グラムをミキサーで粉砕して90グラムの水で10倍に希釈。その後、大腸菌群や一般細菌のコロニーの発生・発達を観察する方法で行なっています。
こういった安全対策のおかげで安心して製品を口にすることができるのです。
細菌検査で、安全性をさらに高める
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シャーレに試料を作って細菌検査を行う
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大腸菌群や一般細菌の検査で、ダブルチェック!

おいしさと安全の秘密 その9
官能検査で製品の味や香りを分析・管理

 官能検査という専任のスタッフが製品の味や香りをチェックするテストも行われています。このテストは、ニーダーから取り出したもので1回、完成した製品をお湯で戻したもので1回と合計2回行なっています。
 まずは、機械で塩分と糖度が規定値にあるかチェックし、香りや旨味については社内検定を通過した熟練スタッフの味覚や嗅覚によって判断されます。アマノフーズの商品がおいしいのは、こういったテストによっても維持されているのです。
     
専任のスタッフが製品の色や香り、そして味をチェック
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塩分と糖度については、機械でチェックする
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前処理段階と完成品の両方の味をチェック。
機械だけではなく、熟練したスタッフの味覚や嗅覚によってもチェック。
 アマノフーズの新入社員、タケです!!
 軽くておいしい、しかも安心・安全、さらには長期保存が可能なフリーズドライ食品はこうして作られていくのです。お召し上がりの際は包装に記載の湯量を注ぐと、よりおししくなりますよ。アマノフーズ社員はみな正確を期すため“メスシリンダー”を使っています! あ、でもさすがに山には持っていけないので(笑)、シェラカップなどに印字されている目盛りを活用すると良いですよ!

小屋番さんも絶賛! フリーズドライのおいしさに舌つづみ

 上記のように、おいしさと安全性にこだわりをもって調理している、アマノフーズのフリーズドライ食品。そんなこだわりは、山にも味にもウルサイ、標高2,400m、登山者の聖地・涸沢で小屋番をしているみなさんに食べてもらいました! 果たしてそのお味は?
芝田隆輔さん (涸沢小屋)
★ かに汁
尾宮直樹さん (涸沢小屋)
★ なすのおみそ汁
小野田晶仁さん (涸沢小屋)
★ トムヤムクン
栃沢竜哉さん (涸沢小屋)
★ 野菜カレー
武内孝輔さん (涸沢小屋)
★ 甘酒

北アルプス・涸沢で
食べてもらったフリーズドライ食品。
撮影場所は標高約2400mなので
パッケージは気圧で膨らんでしまったが
味にはもちろん、影響なし!
富永佳奈さん (涸沢ヒュッテ)
★ 甘酒
小林剛さん (涸沢ヒュッテ)
★ なすのおみそ汁
山口浩一さん (涸沢ヒュッテ)
★ かに汁
福島清志さん (涸沢ヒュッテ)
★ チキンカレー
藤家道義さん (涸沢ヒュッテ)
★ トムヤムクン

まだまだあるぞ、フリーズドライ食品。ヤマケイオンラインが選んだ、山で食べて美味しかったBest 3!

第1位
山芋とろろ
ネバりといい、味といい、とろろ、そのもの(当たり前か!)。朝飯にみそ汁と併せて食べれば最高!
第2位
りんごとマンゴーの
杏仁豆花
フルーツも杏仁豆腐も、味・食感ともに言うことなし。おやつとしてもデザートとしても、是非、オススメ!
第3位
おくらと押し麦の
生姜スープ
おくらの食感とインパクト、そして生姜との相性が絶妙! このネバネバを山でも食べられるとは、まさに感動! 
★アマノフーズのフリーズドライ食品は、店頭または「美食宣言オンラインショップ」でお買い求めいただけます。

アマノフーズのフリーズドライ食品を2010涸沢フェスティバルで試そう!

2010年8月27日(金)~29日(日)、北アルプス・穂高連峰・涸沢カールとその周辺で行われる山岳祭『涸沢フェスティバル』にアマノフーズが出展します。ぜひ涸沢カールで美味しいフリーズドライ製品をお試しください。
詳しくは、カラサワフェスティバル特設サイトで発表します!