古賀志山からの下山メシは宇都宮餃子と決めている。山帰りには大通り沿いの支店がおすすめ
下山後に味わいたい粋なごはんを紹介するライター西野淑子さんの「下山メシのよろこび」。今回は、古賀志山に行ったら必ず食べるという宇都宮餃子のお話。みなさん、お気に入りのお店はありますか?
栃木県宇都宮市の北西部にそびえる古賀志山。クライミングのゲレンデとして人気が高い山で、ちょっと登りごたえのあるハイキングコースも整備されている。
仲間どうしで古賀志山でクライミングをした帰りは、餃子を食べて帰ると決めている。
(スーさんの登山記録より)
宇都宮のご当地グルメ、餃子。一時期は「1世帯あたりの餃子年間購入額日本一」の町であり、餃子が地域に根付いている。駅近くには地元産の大谷石でできた「餃子のビーナス像」なるものもある。店が多いのはJR宇都宮駅、東武鉄道の宇都宮駅の周辺で、休日には餃子の食べ歩きをするご当地グルメファンも多い。
一皿250円!(税込・2021年4月時点)
宇都宮の餃子は、奇をてらっていない正統派。もちろん店によって入っている野菜や、肉と野菜の割合、皮の厚み、具の味付けなどは異なるが、スタンダードな形と味わいの小ぶりな餃子だ。焼餃子のほか、水餃子、揚げ餃子などがある。水餃子は餃子がスープではなく湯に入って供されるものが一般的だ。
宇都宮で餃子が味わえるのは中華料理店だけでなく、餃子専門店も多い。そのなかでも、古くから店を構え、観光客のみならず市民にも愛されているのが「みんみん」と「正嗣」。いずれも本店は宇都宮の中心街にあるが、支店があり、大通り沿いの店舗もあるので、宇都宮近辺の山帰りに寄るのに適しているのだ。
お腹のすいている山帰り、行列せずに入れますようにと祈りながら目的の店に向かい、すんなり入れるとホッとする。餃子にはビールが合うけれど、たいがい山帰りは車なのでお酒は飲まない。というか、宇都宮餃子を食べるときは餃子だけでお腹を満たしたいので酒は要らない(あくまで個人の意見です(^^)☆)。
餃子は1皿5~6個、絶対に一皿では足りない。ジューシーで香ばしい焼餃子にするか、肉と野菜の風味を味わえる水餃子にするか。皮のサクサクした触感が楽しい揚げ餃子も悪くない。
揚餃子のメニューもある。
…ちょっと悩むがたいがい焼餃子と水餃子を1皿ずつ。お腹がすいていたらライスを1杯。でも、餃子専門店によってはライスがメニューにないところもあるので要注意。
今日のクライミングの話などしながら待つことしばし、餃子登場。
まずはアツアツ、ツルツルの水餃子。野菜と肉のやさしい甘みがふんわりと口に広がる。ちょっと辛めのつけだれと合わせるのが好きだ。はぁ、幸せ。そして焼餃子、肉汁とともにパンチの効いた濃厚なうまみがガツンとくる。はぁ、たまらん。みんな無言になって、夢中で食べ進める。小ぶりな餃子、あっという間になくなる。
焼餃子をもう一皿頼めばよかった、お土産の冷凍餃子も買えばよかったかもしれないと後悔しながら店を出るのがいつものパターン。まあいいや、登れなかったルートをまた登りにくればいい、そして帰りに餃子を食べればいいのだ。
プロフィール
西野 淑子(登山ガイド・フリーライター)
初心者向け登山ガイドブックや山岳雑誌などで取材・執筆を行なうフリーライターで、登山ガイドの資格を持つ。関東近郊を中心に低山歩きからアルパインクライミングまで楽しむオールラウンダー。気の合う仲間と山を歩き、下山後においしいものでお腹と心を満たすことに無上の喜びを感じている。
下山メシのよろこび
登山後、すなわち下山後の楽しみの一つが、山麓にあるグルメ。ご当地の名物料理もあれば、鄙びた駅前に立つ小さな食堂で出す普通の料理まで、その楽しみは幅広い。 登山ガイド・フリーライターの西野淑子が下山後に味わった数々のとっておきのお楽しみを紹介する。