腰痛対策(2) 腰回りの筋力を強化しよう!|登山者のための肉体改造塾(10)

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もっと健康的で、タフな登山ボディをめざして。さまざまなお悩みに、肉体改造の達人が答えます。今回は、腰回りの筋力を強化するためのエクササイズを紹介。

文=芳須 勲、イラスト=平のゆきこ

【登山者のお悩み】

重いザックを背負うと
腰に違和感があって、
腰痛になりそうです。

2つのアプローチで、
腰への負担を軽減させましょう。

 

装備やフォームを見直して直接的に腰への負担を軽減させる

重い装備を持たないことがいちばんよいのですが、安全上必要な装備は省けないので、より軽量なギアを選び、パッキングを工夫することで腰にかかる負担を減らしましょう。また、体が大きく揺れる歩き方にならないよう、フォームの見直しも大切です。

腰回りの筋力を強化して、相対的に腰への負担を減らす

力士が60kgの米俵を軽々と担いでしまうように、筋力を強化すれば、同じ重さのザックであっても軽く感じるようになるため、相対的に腰への負担を減らせます。また、筋力の強化は体の動きをコントロールしやすくするため、フォームの改善にもつながります。

 

【実践1】
脊柱起立筋を強化する
「バックエクステンション」

脊柱起立筋は背中を伸ばし、姿勢を維持する背筋群の総称です。登山中は、ザックの重さで姿勢が崩れないように常に働いています。このエクササイズでは脊柱起立筋を中心に背中全体を鍛えることができます。

うつ伏せになり、両手をバンザイの方向に伸ばし、
手のひらを内側に向ける。
足は腰の幅程度に軽く開く

両手両足を3秒かけてゆっくりと持ち上げ、
3秒キープ。
ゆっくり3秒かけて元の姿勢に戻る。
10回×3セット行なう

 

【実践2】
体幹を安定させる
「バードドッグクランチ」

このエクササイズは、左右非対称に動かすことで、より登山に近い動きで背筋群やお尻、太ももの裏を強化できます。また、姿勢を安定させるための腹筋群なども同時に強化できるので、体幹の安定にもつながります。

背中が反らないように注意しながら、
両手と両膝を肩幅程度に広げて床につけ、
四つん這いの姿勢になる

片方の手と反対側の足を浮かせ、
ゆっくりと体を丸めて、
肘と膝をつける。
呼吸を止めないように注意すること

浮かせている手足をゆっくりと持ち上げ、
3秒キープ。
ゆっくり2番目の姿勢に戻る。
左右を替えて10回×2セットずつ行なう

山と溪谷2023年6月号より転載)

プロフィール

芳須 勲さん(登山ガイド、健康運動指導士)

よしず・いさお/いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん。として活動。管理栄養士の資格も持つ。「登山で健康づくり」をモットーに運動・食事指導・山の安全管理を柱とした登山プログラムを提案している。

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