バランスクッション(3)足首の強化で捻挫予防|登山者のための肉体改造塾(13)

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もっと健康的で、タフな登山ボディをめざして。さまざまなお悩みに、肉体改造の達人が答えます。今回は、バランスクッションを使った足関節と股関節を強化するトレーニングを紹介。

文=芳須 勲、イラスト=平のゆきこ

【登山者のお悩み】

階段や岩場などで
うまくバランスが取れずに
フラついてしまいます。

足関節と股関節を強化して、
バランス力をアップさせよう。

 

重心移動は足首と股関節で行なっている

山行中(歩行中)は片足立ちになっている時間が長く、左右の足が何度も入れ替わるので、その都度、重心移動が必要になります。細かい重心移動は足首で行ない、大きくバランスが崩れたときには股関節で大きく重心移動を行なって姿勢を修正しています。

大きい重心移動は股関節で
小さい重心移動は足首で

バランス力は筋肉によって生み出される

バランス力は、足裏、視覚、三半規管から得た情報をもとに、体幹や足の筋肉を使って重心を修正する働きです。このため筋持久力柔軟性に大きく影響されます。山行中、疲労による筋力低下を防ぐためにも、日頃のトレーニングやストレッチが大切です。

 

【実践1】
バランスクッション・ニーアップ

足首でバランスを取ることをアンクルストラテジーとよびます。少ない動作で素早く反応ができるため、細かい重心の修正に適しています。このエクササイズは足首周辺の筋肉強化が目的なので、アンクルストラテジーを意識して行ないましょう。

バランスクッションの上で片足立ちになり、両手を腰に当てます
まっすぐな姿勢で膝の上げ下ろしをします。片足10回×左右2セットずつを毎日行ないましょう

 

【実践2】
バランスクッション・ニータッチ

登山中に大きくバランスを崩したときにリカバーするのが股関節周辺の筋肉群です。このエクササイズは股関節を使ってバランスを取る能力(ヒップストラテジー)を強化します。これが簡単にできるようになったら、つま先タッチにチャレンジしましょう。

バランスクッションの上で片足立ちになり、両手を水平に広げます
体をひねるように軸足と反対側の手で軸足の膝にタッチし、元に戻ります。片足10回×左右2セットずつを毎日行ないましょう

山と溪谷2023年9月号より転載)

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プロフィール

芳須 勲さん(登山ガイド、健康運動指導士)

よしず・いさお/いきいき登山ガイド・ヤッホー!!さん。として活動。管理栄養士の資格も持つ。「登山で健康づくり」をモットーに運動・食事指導・山の安全管理を柱とした登山プログラムを提案している。

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