登山でも、避難生活でも役立つサバ缶。食材は消費の順序も大切です/登山×防災お役立ちレシピ①

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登山技術は災害時にも活用できます。家に常備している食材を登山で活用して、災害時にも役立つレパートリーを増やしましょう。第1回は大人気の缶詰・サバ缶を使ったレシピです。

文・写真=芳須 勲・芳須思帆、食材写真=中村英史

常備しておきたいサバ缶の実力とは!?

一時はテレビ番組でも取り上げられ、話題となったサバ缶。EPAやDHAが豊富で、血液サラサラ効果が期待されますが、その効果はダイエットや生活習慣病予防だけではありません。サバ缶は1缶で成人男性1日の必要量の半分以上のタンパク質を摂取でき、疲労回復に役立ちます。また、骨ごと食べられるので、鮮魚のサバよりも多くのカルシウムを摂取できます。

みそ煮やオイル漬けといったサバ缶も人気。汁ごと調理することで、水や調味料を節約でき、登山や災害時にも強い味方になります。

サバ缶が防災・登山に向いている理由

  • 不足しがちなタンパク質・カルシウムが豊富
  • 常温での持ち運び・長期保存ができる
  • 調理がしやすく、ガス缶の節約ができる
  • 味付け済みを使えば、最低限の調味料で調理できる

【レシピ①】
1泊までの登山、発災直後に「サバ缶焼きうどん」

材料(2人分)

  • 冷凍うどん … 2玉
  • サバ水煮缶 … 2缶
  • 野菜 … キャベツ、ニンジンなど、お好みの野菜200gくらい
  • オイスターソース … 大さじ2
  • 生姜チューブ … 5cm
  • 塩・こしょう … 適量
  • ごま油 … 大さじ1
  • かつお節 … 1パック

調理手順

  1. フライパンにごま油を入れ、食べやすい大きさに切った野菜を中火で炒める
  2. 生姜チューブとサバ水煮缶を缶汁ごと、冷凍うどん(解凍されているもの)を加え、全体によくなじむまで炒め合わせる
  3. オイスターソースを加え、塩・こしょうで味を整えて、お皿に盛り付けたら、かつお節をのせる

1泊までの登山、発災直後に「サバ缶焼きうどん」

【レシピ②】
長期縦走や長引く罹災生活に「サバ缶カレー」

材料(2人分)

A
  • サバ水煮缶 … 1缶
  • カットトマト(紙パック) … 1パック
  • フライドオニオン … 大さじ4
  • 固形コンソメ … 1個
B
  • カレー粉 … 大さじ2~3
  • サラダ油 … 大さじ2
  • にんにくチューブ … 3cm
  • 生姜チューブ … 3cm
  • ミルクチョコレート … 2かけ
  • 塩・こしょう … 適宜

調理手順

  1. クッカーにBを入れ、全体をなじませたら火にかけ、弱火で香りが出てくるまで炒める
  2. Aを加えて中火にする。ふつふつと沸騰してきたら弱火にし、蓋をして時々かき混ぜながら10分程度煮込む
  3. 火を止める直前にミルクチョコレート、お好みで塩・こしょうを加えて混ぜる

長期縦走や長引く罹災生活に「サバ缶カレー」


登山でも防災でも、食材の消費は「順序」が大切です

1泊までの山行であれば、生鮮食品を持っていくことも可能ですが、長期縦走の場合は後半になるにつれ、乾物や根菜、レトルト食品など、保存性に優れた食材へとシフトさせる必要があります。この食材シフトは災害時にも通用します。停電が続くと冷蔵庫の食材が長持ちしないため、まずは肉、魚などの生鮮食品や冷凍食品を中心に利用し、罹災生活が長引くにつれ、日持ちする食材へとシフトさせます。計画的な消費で食材を無駄にしないことが大切です。

【当日〜3日目】

【3日目以降】

『山と溪谷』2019年6月号より転載)

プロフィール

shiho & ヤッホー!!さん

登山ガイドのヤッホー!!さんこと芳須勲さんと、アウトドア料理研究家のshihoこと思帆さんは、ともに管理栄養士の資格をもつ夫婦ユニット。2人の子どもと一緒にキャンプを楽しみながら、食べておいしく、カラダにうれしい山ごはん・焚き火料理・アウトドア料理のレシピを発信している。

登山×防災 お役立ちレシピ

登山技術は災害時にも活用できます。家に常備している食材を登山で活用して、災害時にも役立つレパートリーを増やしましょう。

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