• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

高野七口街道の一つ黒河道をゆく

雪池山、黒河道( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 4人 (Yamakaeru さん 、ほか3名)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

晴れ

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 南海高野線の橋本駅を起点にされる方が多いが、今回は周遊するため南海高野線の学文路駅を目指す。駅前に有料駐車場らしいものがあったが、深夜だったため無人だったので、近くの河川敷の無料駐車場に停める。結果的に良い場所だった。マップコードは「205754391*7」。トイレはないが、コースに向かって数100m歩けばコンビにあり。

この登山記録の行程

河川敷無料駐車場(05:33)・・・定福寺(06:11)・・・明星ヶ田和の辻(07:00)・・・市平橋(07:57)・・・久保小学校跡(09:11)・・・雪池山(10:17)・・・子継(粉撞)峠(10:46)・・・不動坂女人堂(12:40)・・・極楽橋(13:24)・・・日本最後の仇討墓所(13:59)・・・八坂神社(14:43)・・・大師の硯水(15:01)・・・河川敷無料駐車場(15:41)

コース

総距離
約31.7km
累積標高差
上り約2,481m
下り約2,481m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

今回はソロではなくリーダーのお誘いでロングコースへ。
目的地は和歌山県、高野山。選んだコースは、高野七口に通じる参詣道(いわゆる高野七口街道)の一つ「黒河道(くろこみち)」。紀伊山地の霊場と参詣道の一部として世界遺産(文化遺産)に登録された古道だ。ちなみに高野七口街道は、黒河道の他に、高野山町石道、高野街道京大坂道、大峰道、熊野古道小辺路、有田・龍神道、相の浦道がある。それにしても今年は長野よりも近畿方面の遠征が多いような気がする。
4時頃に学文路駅に到着。駅前に有料駐車場らしいものがあったが時間的に無人だったため、どの道、周遊する計画だったので、もう一つの候補としていた河川敷の無料駐車場に停める。結果的に良い感じの場所だった。夜空には満天の星でキラキラ輝いていた。空気が澄んでいる証拠だ。少し仮眠をとって5時半に活動開始。ヘッドライトを点けながら民家の間を抜けていく。遠くにこれから向かう山々がシルエットとして見えていた。登山口となる定福寺(じょうふくじ)へと向かう。真夜中に車道を歩いていると、特別なイベント(強歩大会)のようで妙なテンションになる。
定福寺にたどり着く頃には、だいぶ山際もハッキリと見えるようになってきた。そうなると明るくなるのも早い。
入口には河童のようなマスコットが書かれたのぼり旗が立っていた。あとで聞くところによると橋本市の所謂ゆるキャラ?「はしぼう」だとか。柿を帽子のようにかぶっていた。それってサザエさんのパクリでは?!。
黒河道は、民家の裏通を抜ける様な感じで徐々に山の中に入っていく。看板はあちこちにあって整備はされているが、見る目(能力)がないのか設置側のセンスがないのか(ごめんなさい)、時々、道を見失いそうになる。
畑を抜けて本格的に山に入る。ようやく登山らしくなってきたと、ペースを上げていく。
市平橋へと降る道では、岩肌を滑るように流れていく沢がとても綺麗だった。紅葉はほぼほぼ終了しているものの、たまに真っ赤な枝があったりと目を楽しませてくれる。なによりふかふかに積もった落ち葉の絨毯を踏みしめて歩いていくのがとても気持ちが良い。
アスファルトの道に合流。玉川峡の景色に浮かれて歩いていたらポイントの市平橋を通り過ぎてしまい、再び戻ってを川の反対側にある尾根へと入っていく。
写真を撮ろうと思っていた「市平の桂の巨木」も勢いあまって通り越してしまう。
久保小学校跡へ到着。趣のある木造の建物。裏側には小さいながらプールもあった。こんな山の中に、当時を想像しても相当立派な小学校だったのだろう。
小学校を過ぎ、次の尾根へと入っていく。一段、山の深さが増した感じだ。比例して汗の量が増す。いつのまにか勾配がきつくなっていて、結構な登りの道が延々と続く。
尾根の分岐に到着。そのまま進めば子継峠につながるようだがなにやら雪池山と書かれた看板が目の前のピークに挑むかなように建っていた。まだ先は長いというのに、魅力的な登りに、つい行きたくなってしまう。最初、目の前のピークを登ってしまえば直ぐにたどり着けるのかと思っていたら大違い。実際のピークは登りきったあと、水平移動に入り峰沿いに少し進んだ後、もう一度ぐわっと登る。ぐわっと表現したが、登山道らしいものはなく、ただ踏み跡だけが垂直に天に向かっている。短い距離とはいえ今回一番の急登だった。そこまで、頑張ったのに意外に山頂の眺望はなかった。名前から、雪が降った時に映える綺麗な池でもあるのかと思っていたが、単なる1ピークに過ぎなかった。残念。
気を取り直して子継峠へと目指す。
ここまでくると大きな山はほぼ終了。子継峠で左に折れて、高野山の街中へと目指す。転軸山にはそれほどそそられ無かったので時間の関係からスルー。それにしても、今回、山の中では誰にも会わなかった。世界遺産だから登山者以外でもいっぱい賑わっているかと思ったのに。。。
公園のような場所があったので、テーブルに腰をかけてお昼とする。止まると流石に肌寒いが、もう12月と言うことを考えれば、今日は異常なほどポカポカしている。
お昼を食べて女人堂へと向かう。途中、高野豆腐のお店でお土産でも仕入れようと思っていたのに、偶々なのかどこにも開いているお店がなかった。
山から住宅街を抜けてまた山に入る。なんだか六甲トレイルを思い出す。しかも、家と家の間のようなところをすり抜けるように山へ。入り口には小さな鳥居があった。トレイルのようなコースを歩いていくと、お寺の裏側のようにたどり着いた。休憩ポイントかと思ったら、そこが不動坂女人堂の裏側だった。
正面に回ると、現在の参道か舗装道路が走っていた。女人堂の道向かいには、巨大なお地蔵さんが鎮座していた。なんでこんなにでかいんだ???
高野山は、明治まで女人禁制として入山禁止だったため、女性がお参りするためのお堂として設けられたのが、女人堂。高野山にはそういった女人堂が点在しており、それらを巡礼するための道が「女人道」。高野山を一周するように円を描いている。不動坂女人堂はその中で唯一現存する女人堂だ。
さて、ここから帰路に入る。ここからバスに乗ることもできるが、細いアスファルトの舗装道路を下って行く。林道からそのまま古道に入って行くのかと思ったら、どこまでも続くアスファルトの道。なるほど、インターネットの公開記録で黒河道を調べると、多くの人が片道通行となっているはずだ。どうも帰りは公共機関で帰るのが一般的らしい。それでも、山に囲まれての歩きは癒される。ケーブルカーのトンネルをくぐる。太いケーブルがとんでもない斜面に沿って延びているのが見える。よくもあんな斜面を大きな車体が昇り降りするものだ。
ケーブルカーの駅を過ぎて真っ赤な極楽橋に出る。橋を渡り切ったところには南海高野線の線路があり、極楽橋駅が見える。駅には目もくれず、線路に沿いながらまだまだ下って行く。いい加減、アスファルトが辛くなってきたので頭のスイッチをオフにして自動運転モードに切り替える(笑)。そのため殆どの記憶が飛んでいるが、最後の方では走り出すと止まらないくらいの急こう配なアスファルト斜面が容赦なかったのは覚えている。
ようやく町(村)が見えて平地に降り切ったと思ったのもつかの間。どう見ても地図を見る限り、目の前にある尾根を越えないといけないようだ。せっかく降りてきたのにもう一度登るのかー?!。。。覚悟を決めて歩き出す。登る前に炭酸系で喉を潤したかったが、どこを見ても自動販売機一つない。なんてことだ。残念。
最後の尾根越えは思っていた以上にシンドイ坂だった。もちろんここも苦手なアスファルト。重力と真っ向勝負の坂に登りきった時の達成感は半端なかった。登り切ったところを少し進むと大師の硯水があった。名前でピンときたが、弘法大師が旅の途中に筆を取ろうと硯の水を求め、地面に杖を突きさしたところ水が湧き出てきたとか。まるで和製モーゼだ。でも、今はポンプでくみ上げているのか、低いモータ音が聞こえていた。
大師の硯水の脇を通り抜け、ゴールに向かって下って行く。柿の木が山の斜面一面に植わっていた。殆どは木は収穫が終わっていたが、一部育ち過ぎたため放置されているのか、真っ赤に実ったたわわな柿の木が何本かあった。その下では、農家の人が野焼きをしていて、あちこちで煙が上がっている。この辺りの風物詩だろうか。
下には紀ノ川が見える。もう目的地も近い。
家と家の間を抜けて大きな道路に飛び出す。学文路駅の近くだ。右へと折れて車道沿いに進み、途中から河川の堤防沿いの遊歩道へとり、ショートカットで駐車場を目指す。犬を連れた方やジョギングしている方。周囲はすっかり町の風景で、ザックを背負っている自分の方が不釣り合いないで立ちだ。
どんなに長いコースも、歩き続ければいつかは着くもので、駐車場が見えてきた。ガラガラだったのが、今はいっぱいの車で埋まっている。ふと見る駐車場手前の土手に、なんと桜が咲いていた。季節外れの桜かそもそもこの晩秋に咲く特殊な種なのかは分からないが、頑張ったご褒美には違いない。可憐な桜を写真に納め、最後の土手を車に向かって駆け降りゴール!!。
最後に、汗と埃を洗い流すために、日帰り温泉にGO。「天然温泉ゆの里このの」。ちょうど河の反対側にあって車で数分と便利。高野山麓に湧く「金水」「銀水」のお水をブレンドした温泉施設だとか。しかし、駐車場が狭いのか、車を停めるのがやっとだった。料金はタオルとバスタオル付きで千円。いらないから800円にして欲しいところだったが、幸いJAFの割引がきいて800円になった。そうなるとタオル付きでお得、と急に現金になる。^_^

続きを読む

フォトギャラリー:29枚

すべての写真を見る

装備・携行品

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

  • 橋本市だから「はしぼう」だったんですね。今頃、気が付きました。

  • 高野山らしいお土産が何1つ買えなかった。。。

  • 晩秋の長距離楽しかったです(^.^)いよいよ雪山シーズンがやってきますね

  • 企画有難うございました。^_^
    今日は雪山の記事をずーっと読んでいました。待ち遠しいですね。

登山計画を立てる