• このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

熊野古道(中辺路)前編

熊野古道(中辺路)( 東海・北陸・近畿)

パーティ: 2人 (うめぞー さん 、ほか1名)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 参考になった

行程・コース

天候

曇りのち晴れ

登山口へのアクセス

バス
その他: 熊野本宮前(8:20)発の龍神バスに乗り、滝尻(9:42)着で下車、熊野古道館でスタンプ帳を購入後、熊野古道館の向かい側にある滝尻王子から登山口が始まる。

この登山記録の行程

マイカーにて京都駅八条口(18:00)・・・わたらせ温泉前泊(22:30)・・・熊野本宮前駐車場着(8:00)・・・龍神バス田辺行き(8:20)・・・滝尻(9:42)・・・熊野古道館(9:50)・・・滝尻王子(10:00)・・・高原熊野神社(11:20)・・・牛馬童子(14:50)・・・継桜王子(17:00)・・・のなか山荘(17:30)

コース

総距離
約16.6km
累積標高差
上り約1,265m
下り約856m

高低図

GPX ダウンロード KML ダウンロード

登山記録

行動記録・感想・メモ

今回は2連休を利用して熊野古道を歩いてきました。
念願の中辺路を踏破しましたが全行程45kmほどありますので挑戦する方は無理のないプランを立てて挑戦してください。
普通は1、滝尻~近露 2、近露~発心門王子 3、発心門王子~熊野本宮と3回に分けて歩きます。
六甲全山縦走とほぼ距離は同じぐらいですが熊野古道は平坦な道はほとんどなく峠がかなりあるため内容は厳しいです。
またエスケープルートがほとんどないため無理をするとにっちもさっちも行かなくなりますので事前のプランニングは綿密に立ててください。
また今回は行程が長いので前編(滝尻王子~継桜王子)後編(継桜王子~熊野本宮)の2回に分けてご紹介します。
それではコース案内です。
滝尻のバス停までは各地から時間や便を調べてご自身にあったプランでお越し下さい。
滝尻のバス停左横に橋が掛かっており渡った左側が滝尻王子ですがまずは右側の熊野古道館へ立ち寄り中辺路の情報(道路事情や通行止めの情報)とスタンプ帳(100円)を購入します。(これはのちのちの思い出と完走証明書になりますので必須です。)
熊野古道館の前にはトイレもありますので済ませておきましょう。
ここから先、高原霧の里(滝尻から約1時間半かかります。)までトイレはありません。
準備が済めばいよいよ出発です。
熊野古道館から道を挟んだ反対側に滝尻王子があります。
ここが中辺路の起点ですので参拝と写真を撮ってスタンプを押印して先へ進みます。
(スタンプはゲゲゲの鬼太郎の妖怪ポストみたいなところに入っていますが使用したら元に戻しておいてください。)
ここから道標は適地に置いてありますので道標に従えば道迷いの心配はありません。
道標に従い進むといきなり急登が始まります。
ほぼ直登に近い形で320mほど登りますので事前にストレッチなどして体をほぐしておいたほうがいいでしょう。
急な石段や坂を上がっていくと最初に胎内くぐりがあります。
女性はここをくぐると安産に恵まれるそうです。
しかし実際は子供さんでないと最後の穴は通り抜けられないと思います。
(入口は大人の男性でも入れますので中には行くことができます。)
次に乳岩という巨岩がひさしを張り出したように鎮座しています。
昔、藤原秀衡の夫人がここで産気づき子供を産んだそうでお地蔵さまが祀られています。
この巨岩の間を抜けるように左へ進みます。
少し行けばネズ王子(不寝王子とされていますがこの字は後世の当て字のようです。)
があります。(スタンプの押し忘れに注意)
ここからは剣ノ山(371m)山頂までひたすら登ります。
山頂まで来れば少しなだらかな道が続きます。
途中、左手に古道ヶ丘へ行く道がありますがエスケープしないのであれば行かないように。
少し行くと飯盛山へ行く道と古道とに別れますが少しだけ登るだけなので是非とも飯盛山へ行ってください。(展望が開け景色がすごくいいのと三角点があります。340.7m)
景色を満喫したら飯盛山に別れを告げ、道を下ります。
直ぐに熊野古道と合流するのでそのまま古道を進みます。
(飯盛山からの下りは結構急なので足を痛めないように注意してください。)
ここからはなだらかな下りとなりしばらくすると車道に出くわしますが対岸直ぐに古道が再開します。(車道ですが車は通ってません。滅多に通らないようです。)
少し登ると針地蔵尊が祀られていますので参詣します。(立派なお堂です。)
ここからまたもやひたすら登ります。
NHKの電波塔を越えたあたりから道はなだらかになり少し行くと夫婦地蔵さまが祀られていますので参拝します。
夫婦地蔵さまを越えたあたりから里に入り民家が立ち並びますがどうもマナーの悪い方が通過しているみたいで立ち入り禁止の看板や庭に入れないよう網が張ってあるお家が目立ちます。(トイレはもうすぐなので勝手に民家へ入らないようにしましょう。)
集落の中を静かに進むと右手に高原熊野神社が見えてきます。
参詣を済ませ、スタンプを押したら先へ進みます。
(この神社のトイレは古道歩きの人へ提供されていません。看板もあります。)
すぐ先に霧の里たかはらというお土産物屋さん兼休憩所がありますのでそこのトイレを利用してください。
ここの休憩所はとても素晴らしく見晴らしもよく、何よりも地元のお年寄りの方が運営されているのですがよもぎ餅が絶品です。(一個100円なのにめっちゃ美味しいです。)
よもぎ餅とおばあさんの笑顔、素晴らしい景色に癒され霧の里を後にします。
霧の里たかはらの手前の道を右に折れ進むのですがここまで結構なだらかな集落を抜けてきたので油断していましたがここは山の中なのです。
ここからびっくりするほどの急登が始まります。
まず昔の旅籠(今はされていないが名残の提灯が軒先にぶら下げてある。)の間を抜ける細い道が急坂でそれが終わった頃に左手にお地蔵さまが有り、過ぎれば本格的な山道に入ります。
最初は石畳、その後は清々しい山道に変わり進んでいくと右手に池が見えてきます。
このあたりから少し道はなだらかになりその先に大門王子跡があります。
大門王子跡から次の十丈王子(本来の名前は重點王子です。)までは少しのアップダウンで基本なだらかな道が続きます。
ただし、十丈王子から先はまた上りとなります。
途中、飢えと疲労のため小判を口にくわえたまま亡くなられた巡礼者を哀れんで建立された小判地蔵さまが祀られています。(昔の熊野詣でが命懸けだったことが偲ばれます。)
ここから悪四郎山を右に巻き、上田和茶屋跡まで行けば標高約720mぐらいになります。
高原霧の里が約400mほどの標高なのでここまでで300mほど登ったことになります。
熊野古道はこうやって幾つもの山や峠を越えていくためバテと足を痛めないよう注意して歩く必要があります。(何遍も言いますがエスケープルートはほとんどありません。)
上田和茶屋跡から三体月観月所まではなだらかに進みますが三体月観月所からは急な下りで一気に400mまで下ります。
三体月観月所は毎年11月23日に月が3個現れるという謂れがある場所です。
逢坂峠まで三体月観月所から一気に下ると車道をはさんで反対側に古道が続きます。
車道をわたって古道を下り始めると直ぐに大阪本王子があります。
ここからは道がなだらかになり少し進むと右側直ぐに311号線が見えてきます。
そこからすぐに311号線から徒歩で入ってこれる牛馬童子口があり、ここからは一般の観光客も入ってきます。(この日はひと組しか見ませんでしたがシーズンは多いと思います。)
しかし道は山道ですのでハイヒール等では捻挫する恐れがあります。
山道を多少のアップダウンを繰り返しながら進むと近露と牛馬童子の分岐に出合います。
分岐といっても牛馬童子のある場所は少し丘のようになっているだけで見えています。
5mあるかないかの丘を上がれば牛馬童子が静かに鎮座しています。
穏やかなご尊顔を見たらひび割れが・・・どうやら自然にひび割れたものらしいのですがこれ以上傷まないように触らないでくださいとのお願いがしてありますので絶対に触ったりしないようにしてください。
牛馬童子様の前にベンチがありましたので遅い昼食をいただきました。
念願の牛馬童子様に会えて感無量の私は写真を撮りまくりご挨拶をして牛馬童子様を辞しました。(中辺路紹介写真で牛馬童子様を見た時から実物にお会いしたいと強く思っていたので目の前にしたときは感激しました。)
牛馬童子を後にした我々は一路近露を目指します。
ちなみに牛馬童子がある場所は箸折峠といいその昔、花山法皇がこの地で食事する際、かやの軸を折って箸替わりとしたため箸折峠と名前が付いたそうです。
箸折峠からすぐに近露の里が見えてきます。
いかにも里へ下りてきたな~と感じる景色が広がりますので是非ご自身で見てください。
ここから里までは下りのみです。
途中、車道を横切りますが里に出るまでは山道です。
左手に民家があり右手に工場が見えてきたぐらいで山道は終わりここから近露王子まで車道を歩きます。
近露王子は北野橋を渡った左側にあります。
ここには出口王仁三郎が書したと言われる近露王子の石碑があります。
日本で出口王仁三郎の筆跡が残るのはここだけとされています。(石碑として)
他は宗教弾圧で破壊されたようです。(人間っていつになっても同じことを繰り返すんですね。)
さてみなさん、本来はこの近露までがモデルコースです。
多くの方はここでバスに乗りエスケープするか近隣の宿泊施設で一泊して翌日近露からスタートして発心門まで行き、発心門でエスケープもしくは近隣で宿泊し翌日、発心門からスタートし熊野本宮までという通常2泊3日の行程です。
我々はこのまま継桜王子まで行きそこで一泊して翌日継桜王子から熊野本宮まで目指しましたがそうすると一日の行程が22km平均となるので健脚の方や六甲全山縦走完走された方以外の方はやめておいたほうがいいと思います。
特に今は草鞋峠から蛇型地蔵までのルートが崩壊しており迂回路を通らなければならず通常よりも距離が長くなるのと草鞋峠から発心門まではエスケープできないので一日で歩くには相当な体力及び脚力が必要です。
また六甲山と違い基本すべて山の中になりアップダウンも激しいので足を痛めてしまうととんでもないことになります。
また気象条件もめまぐるしく変わる可能性があります。(雨が多いです。)
それなりの装備(エマージェンシー・ツエルト)を持って万が一のため最低でも家族には詳しくルートを説明しておいてください。
番号のふってある道標が約500m間隔で設置してありますので万が一の時は道標そばで最寄りの警察や消防に道標の番号を伝えれば捜索してもらえますがそれまで時間がかかりますので非常食や飲料水は多めに持っておいてください。
近露王子から一路継桜王子を目指します。
野長瀬一族の墓あたりから坂道となり近野小・中学校を越えたあたりから山道に入ります。
近露王子から継桜王子までは高低差100m(400mから500mへ高度を稼ぎます。)ありますのでゆっくり進んでください。
途中、比曽原王子跡まで900mの道標あたりから車道歩きとなります。
車は来ませんがアスファルト歩きが継桜王子まで続きますので足を痛めないように。
比曽原王子まで500mの道標の左側にお地蔵さまが祀られておりその辺から道は平坦になります。
番号道標31番辺から右手が開けて絶景スポットとなります。
このあたりから地名も野中に変わります。
遠くの山々が綺麗ですがよく見ると左手の方面の山々は台風の被害でかなり斜面が崩落しているのが見て取れます。
ここから比曽原王子跡までは100mほどです。
比曽原王子跡を過ぎるとすぐに道は左右に分かれます。
左の坂道をあがりますので右へは行かないでください。
基本道迷いを防ぐため違う道にはすぐに「この道は熊野古道ではありません。」という看板が立っているので問題はないと思いますが間違えた道に行くと遠回りになったり全然違う場所へ行く可能性がありますので注意してください。
しばらく坂道を進むと左手に野中伝馬所跡地の看板がありその先少しで継桜王子です。
ここには野中の一方杉と言う不思議な杉があり枝が一方向にしか生えていません。
恐らく風の影響だとは思うのですが幹を見ても生えた痕跡すらないのが不思議です。
階段を上がった先に社が祀られていますが現在は改装工事中ですので立ち入ることができません。(残念でした。)
本日の行動はここまでなので我々はのなか山荘さんで一泊させていただくことに。
のなか山荘さんはとても素敵なお宿で食事も美味しかったです。
またこの日は翌日天気が悪くなるせいか宿泊客は我々だけだったので静かな時間を過ごすことができました。
翌日は早くから行動したかったのでこの日は早い目に就寝しました。
継桜王子から熊野本宮までは後編でお届けします。

続きを読む

フォトギャラリー:186枚

すべての写真を見る

装備・携行品

シャツ アンダーウェア ロングパンツ 靴下 レインウェア 登山靴
バックパック スタッフバック 水筒・テルモス ヘッドランプ 予備電池 タオル
帽子 地図 コンパス ノート・筆記用具 登山計画書(控え) ナイフ
ツエルト 健康保険証 ホイッスル 医療品 ロールペーパー 携帯トイレ
非常食 行動食 GPS機器

みんなのコメント

ログインして登山記録にコメントや質問を残しましょう

登山計画を立てる