行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
この登山記録の行程
天狗峠(13:20)P849(13:20)天狗岳(15:00~20)天狗峠(17:05)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
西目屋村を抜けて西を目指すと美山湖付近では盛んにトンネルを掘っている。山間の大規模な工事を見て「白神ラインを再整備でもするのだろうか」と、コスト勘定が気になるところだ。アクアグリーンビレッジの在る川原平までは細い道ながらも舗装がなされ、「こんな山奥に!」と吃驚するほどの大型バスや乗用車が停まっている。川原平からは暗門ノ滝を眺めて津軽峠へ上がる遊歩道が整備され、2本/日のシャトルバスも運行されている。「これも、世界遺産白神山地の為せる業だ」と、ネームバリューの偉大さを思い知る。
2本の源流を横断して上下する天狗峠までの26㎞の砂利道は長いが、津軽峠の先に在る展望所から向白神岳と白神岳、天狗岳の姿を眺めて気分を良くし、慎重に車を走らせる。峠に着くと下山したばかりの男性が居り、道の様子を聞くと「はっきりしているけど、薮が茂っている」とあまり嬉しくない返事が返ってくる。
峠の道標から天狗岳北尾根に踏み込み、先ずはP849を目指す。はっきりした道形が緩い尾根に続いているが、笹や小枝が張り出し夏草が足元を隠して煩い(結局、登山口から山頂までの5.2㎞の尾根道には薮の無いすっきりした所は皆無に近いことが判明する)。
500m毎の里程標は熊に傷められて壊れたり無くなったりしている。「糞は見当たらないが、熊への警戒は必要だ」と、時々大声を出して人の存在を知らせながら歩く。小ピークを越えて上下を繰り返し、登山口よりも低い鞍部を経て最後の登りに掛かり、急斜面に取付いて「山頂は近い!」と背丈を超える笹道を突き進むと、傾斜が無くなって開けた空間に飛び出す。
逆光に眩しい向白神岳と白神岳の姿を目にして、ガスの中の登頂で山頂の形さえ判らなかった10年5月の山行に留飲を下げる。左手には県境のピーク群が姿を現し二ッ森や小岳が見えていると思うのだが、20万分の一地勢図が手元に無くて同定出来ないのが悔しい。追良瀬川の沢が複雑に入り組んだ源流域は樹林に覆われて一片の地肌も見えず、世界最大規模と言われるブナの原生林の緑が席巻している。
ほっと腰を落ち着けて無心の時を過ごす間も無く、「暗くなる前に下山しなくては」と腰を上げ、時間に追われ単調さに飽きて歩き、登山口へ戻る頃には疲労を覚える。峠にはジープに代ってライトバンが停まっており、「滋賀からフェリーで秋田へ上陸して二ッ森や小岳、藤里駒ヶ岳に登った」と言う同年代の同好の士と出会い、暫しの会話を楽しむ。
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