行程・コース
天候
曇り・雪
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
勝原スキー場の駐車場。ただし、勝原スキー場はつぶれているため、ナビには勝原駅をセット。福井(大野)方面から来ると駅を過ぎて少し行ったところの右手。見落としやすいので注意。駐車場は30台程度。無料。トイレもあるが、冬季は閉鎖につき注意。
この登山記録の行程
駐車場(07:53)・・・荒島岳登山口標柱(08:36)・・・白山ベンチ・・・シャクナゲ平(10:02)・・・もちが壁(10:38)・・・前荒島・・・中荒島岳(11:12)・・・頂上(11:29)・・・中荒島岳・・・前荒島・・・もちが壁(12:05)・・・昼食(12:26~13:05)・・・シャクナゲ平・・・白山ベンチ・・・荒島岳登山口標柱・・・駐車場(14:17)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
2023年兎年。ぴょんぴょん跳ねて飛躍の年という。自分の場合、別に飛び跳ねなくても良いが、それこそぴょんぴょんとフットワーク軽く、いろんな山を登り歩く山三昧の一年にしたいものだ。そんな年頭の想いを抱いて今年の登り初めとして選んだのは、地元の百名山「荒島岳」。冬にこそ登るべき山だ。
山メンバーとともに勝原の駐車場に8時前に到着。いつもに比べたらかなり遅い出発にも関わらず、駐車場は半分程度しか埋まっていなかった。理由はおそらく雨交じりの悪天候。どうも年末から山へ行くたびに天気が悪い。
最初から、アイゼンを装備して歩き出す。アイゼンを装着した瞬間に背筋が伸びて緊張感が高まるから不思議だ。
ゲレンデのトップまで延びる林道をくねくねと歩き登山口へ到着。
毎回ながらここまでの工程が一番、退屈で苦手だ。それでもここまで高度を上げると、真っ白な経ヶ岳が出迎えてくれて気持ちも昂るが、今日は残念ながら厚い雲に覆われていた。
登山口からは尾根伝いに「シャクナゲ平」までを真っすぐに登っていく。ここは体感的にも距離が長く、ひたすら雪と向き合いながら登っていく。ただ、今日は降ったばかりの雪がふかふかで歩いていてもとても気持ちが良かった。
少し前までは名物「トトロの木」の倒木跡があったが、今や完全に無くなってしまったようで、通り過ぎても全く気が付かなかった。場所を確認する良いポイントだっただけに残念だ。
白山ベンチ付近を過ぎると、試練の急登がやって来る。
なかなか手ごわくて、急登好きにはたまらない。
威勢の良いことを書いたが、暴飲暴食で重くなった身体が言うことをきかず思った以上に苦戦してしまった。
失速しそうになりながらもなんとかシャクナゲ平へ到着。
ここは樹氷ゾーンの中にあり、見晴らしも良く雪中キャンプにはお勧めの場所で、今日も一張りテント泊をされている方がいた。
いつの間にか、天気が回復してきたようで、振り返ると経ヶ岳が雲から少し姿をのぞかせていた。荒島岳の山頂方面を見ると、こちらはまだ雲に覆われていたが、太陽のシルエットが微かに見えていた。登頂する頃には快晴になっていて欲しいものだ。
キラキラする樹氷を抜けながら「もちが壁」をアタックしていく。
ここから先が冬の荒島岳の真骨頂。アイゼンとピッケルを使いながらまさに壁のような雪面を登っていく。
数年前の地元新聞では、荒島岳でもスノーモンスターが観測されたとニュースが話題になったことがあった。スノーモンスターの条件が学術的にどういうものなのかは分からないが、素人目にはどれも立派なスノーモンスターで、雪が織りなす芸術にうっとりする。
晴れへの期待とは裏腹に、中荒島を過ぎたあたりから濃霧が立ち込め、前荒島へ着く頃には、雪交じりの風が吹きつけて来るようになった。
太陽の光は薄っすらと射し込んでいるが、逆に霧に白く乱反射するため、自分がどこを歩いているかさえ分からなくなる。トレースも風で完全にかき消されているため、あまり端を歩くと雪庇で滑落しかねない。緊張しながら慎重に足元を確認しながら進んで行く。
だいぶ歩いたころで、足元に大きな穴を見つけた。
最初、樹木の上を誰かが踏み抜いた跡かと思ったが、よく見てみると祠の屋根の一部と思われるものが穴の中に見えた。祠が完全に雪に埋まり足の下にあるという驚き。
「祠がある!と言うことはここが山頂だ」と思わず叫んでしまった。
気が付かなければ通り過ぎていたかも知れない。それにしても、ただ真っ白な世界をそろりそろり歩き、気が付いたら山頂なんて、こんなにも達成感のない登山も珍しい。苦笑。
吹き荒れる風の中、雲の切れ間を期待して10分以上粘ってみたが、結局、晴れる気配がなかったので、諦めて下山を開始する。
登り初めの記念すべき登山に、最高の絶景が見たいと思っていたが、これもまた登山。
そう思っていたら、
前荒島を過ぎたところで、一瞬、すーっと雲が動き、樹氷で覆われたシャクナゲ平が眼下に見下ろせた。森全体がキラキラと輝いていて、何とも言えぬ美しさ。
今年も記憶に残る景色を求めていっぱい山へ行こうと思った。
みんなのコメント