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玉川温泉雪崩事故の発生原因は大雪ではない❣ 気象予報士解説 白馬乗鞍岳雪崩事故との共通点

焼山 玉川温泉( 東北)

パーティ: 1人 (隊長O さん )

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◎◎玉川温泉雪崩事故(2012年2月1日)もサンドイッチ構造!誘発原因は強風

秋田県仙北市玉川温泉雪崩災害調査報告(速報)
独立行政法人土木研究所 雪崩・地すべり研究センター(著書)
https://www.pwri.go.jp/team/niigata/snowslide1.pdf



破断面での積雪断面調査図(SPIN)
秋田県仙北市玉川温泉雪崩災害調査報告(速報)より
青色棒グラフ左にいくほど硬い
表面から70cm下に柔らかい層
こしもザラメ雪とザラメ雪の混合もある弱層でサンドイッチ構造

(写真にしてあります)

雪崩概況図・積雪断面観測地点
秋田県仙北市玉川温泉雪崩災害調査報告(速報)より
発生区の傾斜:地形図読み取りで約42度

(写真にしてあります)

位置図
秋田県仙北市玉川温泉雪崩災害調査報告(速報)より
温泉客3名が亡くなる。

(写真にしてあります)

過去の気象データ・ダウンロード 阿仁合(アメダス)
弱層の位置は積雪断面観測より表面から70cm
弱層の原因となった暖気を伴った低気圧は1月22日に通過
(北海道登別に湿った大雪をもたらした)
気温上昇、発生日までの積雪増加(66cm)を見てもこの低気圧であると言えます。
雪崩を誘発した原因は2月1日の低気圧前面の南東よりの強風(瞬間最大風速は20m/sを超える)

(写真にしてあります)

弱層の原因となった暖気を伴った低気圧は1月22日に通過(気象庁過去の天気図)
北海道登別に湿った大雪をもたらした
雪崩発生区に湿った雪を降らせた。

(写真にしてあります)

1月18日~26日の天気図(気象庁過去の天気図)

(写真にしてあります)

1月27日~31日の天気図(気象庁過去の天気図)

(写真にしてあります)

地形図
雪崩発生区と強風の方向を図示しました。

(写真にしてあります)

2月1日の天気図(気象庁過去の天気図)
雪崩発生当日、南東よりの強風が吹いた

(写真にしてあります)

2月2日の天気図(気象庁過去の天気図)
副低気圧が三陸沖に残っている。

(写真にしてあります)


◎◎玉川温泉雪崩事故の原因分析


◎弱層の原因となった暖気を伴った低気圧の特定

1,積雪断面観測より表面より70cmの深さにあること、アメダス阿仁合の積雪量の変化と気温上昇により1月22日通過の低気圧が弱層の原因であると特定した。

2,1月22日低気圧通過前に降水が少ない状態が続いており、1月17日に131cmあった積雪が106cmまで減少し圧密が進み、硬い層が湿った雪の層の下にできていた。

3,1月25日に139cmあった積雪が1月27日には135cmまで減少し圧密が進み、湿った雪の層の上に板状化した層ができた。

4,1月22日の低気圧通過後、低温傾向が続き、湿った雪の層から過冷却水(水蒸気)が供給されソフトライム(柔らかい霜)に変化して弱層となった。


◎雪崩誘発の原因


大雪だと言われていますが斜面に万遍なく積雪すれば不安定にはならないので、
もう一つ気象要素が必要なのです。

寒冷地の方は平坦地の道路に吹き止め柵や吹き払い柵があることをご存じでしょう。
強風が吹き抜ける平坦地には地吹雪対策がしてあるのです。
北海道では地吹雪より数時間で車が埋まり道路で遭難して8名が亡くなっています。
大雪山や羊蹄山では沢が地吹雪で埋まり平坦になるのです。

玉川温泉の雪崩発生区の上は平坦な地形です。
この平坦地形を通って発生区に強風が吹けば数時間で車が埋まるぐらい積雪してしまうので、雪崩ても、
なんら不思議はないのです。

2月1日は低気圧の前面は南東風が吹く場で玉川温泉付近は北にある焼山を回り込む風が吹く所。
阿仁合(アメダス)で瞬間最大風速は21.1m/sの南南東風を記録しています。


◎白馬乗鞍岳雪崩事故との共通点

 ①サンドイッチ構造である。
 ②暖気を伴った低気圧が弱層の原因となる湿った雪を降らせた。
 ③弱層から雪崩発生時点の積雪が近隣のアメダス地点の積雪から算出してほぼ一致する。


白馬乗鞍岳雪崩破断面の積雪断面調査図(SPIN)

グラフよりサンドイッチ構造は明らかです。

滑った弱層までは表面から135cm
1月30日に降った35cmを引いて、100cmが弱層から29日までの積雪になる。

https://snow.nadare.jp/news/snow_jan/img/230129_tenguhara_fracture%20data.PNG

(写真にしてあります)

過去の気象データ・ダウンロード 小谷・白馬(アメダス)

積雪情報から発生区の積雪を推定する。

30日の白馬の積雪が26cm増えている。
雪崩発生区が35cmであり2割〜3割多いと読んで

雪崩発生日(1月29日)の小谷の積雪は112cm

14日の低気圧通貨前の積雪は
31cmで81㎝の増加で
3割増で105㎝でほぼ発生区と一致する。

しかし27日の低気圧が弱層の原因とすると
27日の低気圧通過前の積雪は82cmで30cmの増加
3割増して27日の低気圧以後の積雪は39cmなので発生区の積雪と相違する。

(写真にしてあります)

※※長野県の白馬乗鞍岳で29日、複数人が巻き込まれた雪崩について、防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの上石勲・特任参事(雪氷学)は、降り固まった古い雪の上の新雪が崩れる「表層雪崩」が引き起こされた可能性があると指摘する。「27日夜に本州上を通過した低気圧が、崩れやすい雪を降らせた」と分析した。(毎日新聞より)

https://mainichi.jp/articles/20230129/k00/00m/040/231000c

1月29日の雪崩発生時点の雪の表面から弱層までは100cmあり27日の低気圧が弱層の原因だと言う防災科研の主張は積雪量で不合理であり的外れと言わざるを得ない。

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破断面での積雪断面調査図(SPIN)

秋田県仙北市玉川温泉雪崩災害調査報告(速報)より
青色棒グラフ左にいくほど硬い
表面から70cm下に柔らかい層
こしもザラメ雪とザラメ雪の混合もある弱層でサンドイッチ構造

雪崩概況図・積雪断面観測地点

秋田県仙北市玉川温泉雪崩災害調査報告(速報)より
発生区の傾斜:地形図読み取りで約42度

位置図

秋田県仙北市玉川温泉雪崩災害調査報告(速報)より
温泉客3名が亡くなる。

過去の気象データ・ダウンロード 阿仁合(アメダス)

弱層の位置は積雪断面観測より表面から70cm
弱層の原因となった暖気を伴った低気圧は1月22日に通過
(北海道登別に湿った大雪をもたらした)
気温上昇、発生日までの積雪増加(66cm)を見てもこの低気圧であると言えます。
雪崩を誘発した原因は2月1日の低気圧前面の南東よりの強風(瞬間最大風速は20m/sを超える)

弱層の原因となった暖気を伴った低気圧は1月22日に通過(気象庁過去の天気図)

北海道登別に湿った大雪をもたらした
雪崩発生区に湿った雪を降らせた。

1月18日〜26日の天気図(気象庁過去の天気図)

1月27日〜31日の天気図(気象庁過去の天気図)

2月1日の天気図(気象庁過去の天気図)

雪崩発生当日、南東よりの強風が吹いた

地形図

雪崩発生区と強風の方向を図示しました。

風が吹き抜ける平坦地形の縁辺の崖(急傾斜地)が危険。

2月2日の天気図(気象庁過去の天気図)

副低気圧が三陸沖に残っている。

白馬乗鞍岳天狗原の雪崩の破断面付近の積層断面観測データ

(SPIN)日本雪崩ネットワークより

グラフよりサンドイッチ構造は明らかです。

滑った弱層までは表面から135cm
1月30日に降った35cmを引いて、100cmが弱層から29日までの積雪になる。

白馬乗鞍岳天狗原の雪崩

アメダス小谷・白馬

30日の白馬の積雪が26cm増えている。
雪崩発生区が35cmであり2割〜3割多いと読んで

雪崩発生日(1月29日)の小谷の積雪は112cm
14日の低気圧通貨前の積雪は
31cmで81㎝の増加で
3割増で105㎝でほぼ発生区と一致する。

しかし27日の低気圧が弱層の原因とすると
27日の低気圧通過前の積雪は82cmで30cmの増加
3割増して27日の低気圧以後の積雪は約40cmなので発生区の積雪と相違する。

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