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【速報】羊蹄山バックカントリー雪崩事故❣(2023年3月5日)気象予報士解説

羊蹄山( 北海道)

パーティ: 1人 (隊長O さん )

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2023年3月5日羊蹄山・ペケレベツ岳でバックカントリー雪崩事故発生との報道
亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
発生区も積雪断面情報も不明ですが過去の気象データから分析推定しました。

①2月28日はアメダス喜茂別7.9度日照時間6.0時間翌日が4.4時間と晴れていた。
発生区の積雪表面は気温上昇と日射により解けて、その夜の放射冷却でザラメ化(融解凍結層)表面が霜化した可能性がある。
硬い層(滑り台)と弱層(ワックス)が同時にできたという事です。

②3月3日から翌日にかけ北海道に小低気圧が北西方向から南東方向に通過し湿った雪を降らせた。
シベリア上空にはこの時期としては珍しい暖気(上空1500mで0度)があり暖気を伴った低気圧である。
アメダス喜茂別の日降水量は3日~4日にかけ5mm日降雪量は21cm。アメダス真狩の同日の日降水量は8.5mm日降雪量は観測していないので推定で約35cmであった。

③5日は南高北低気圧配置で南西の強風が吹いている

爆風だったというヤマップ日記
https://yamap.com/activities/22797807

まとめ
2月28日から3月1日に硬い層ができたあと表面霜などで弱層ができた可能性がある。滑り台とワックスができた。
3月3日から4日に湿った雪が30~40㎝降っている
湿った雪は風で閉まりスラブ化(板状になる)しやすく。ソリになる。
これが破断し雪崩れたと考えられる。

スラブ化してクラックが走ったというヤマップ日記
https://yamap.com/activities/22765845

※これから硬い層(融解凍結して出来たザラメ雪層)ができた後のまとまった湿った新雪には注意が必要です。
気温上昇、雨により弱層が濡れ、その後、再凍結でザラメ雪に変わればこの種の雪崩はなくなります。

★★3月10日追加、雪崩発生場所の推定
倶知安署が発生場所を真狩村から喜茂別町の訂正した事から微妙な位置にあると理解
当時の気象状況から発生区を推定し地形図に記載しました。
推定位置は南西の強風により雪が堆積(吹き溜まり)し不安定になる場所です。


情報が入り次第更新いたします。

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フォトギャラリー:6枚

推定位置は南西の強風により雪が堆積(吹き溜まり)し不安定になる場所です

5日12時は南高北低気圧配置で南西の強風

小低気圧に暖気をもたらせた上空1500m0度の暖気
3月5日9時

湿った雪を降らせた小低気圧
3月3日18時には北海道の北にあります。

湿った雪を降らせた小低気圧
3月4日6時には北海道の南(襟裳岬沖)に移動しました。

過去の気象データ

①2月28日はアメダス喜茂別7.9度日照時間6.0時間翌日が4.4時間と晴れていた。


②アメダス喜茂別の日降水量は3日~4日にかけ5mm日降雪量は21cm。アメダス真狩の同日の日降水量は8.5mm日降雪量の推定で約35cmであった。

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