行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
マイカー
その他:
カーナビには「小町の館」をセット。無料の大きな駐車場がある。小町の館を起点に「天の川沢コース」「尾根コース」等の小町山ハイキングコースがある。綺麗なトイレや休憩所もあり。
この登山記録の行程
小町の館駐車場(09:34)・・・登山口(赤鬼・青鬼)(09:50)・・・朝日峠駐車場(10:15)・・・朝日峠展望公園「やすらぎの森」展望台(10:21)・・・よろこぶ(10:45)・・・小町山(10:57)・・・鬼越山(11:12)・・・宝篋山(11:59)(昼食~12:20)・・・東城寺(13:20)・・・熊の石(13:43)・・・小町山登山口(13:52)・・・小町の館駐車場(14:01)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
3連休最終日。
どうしても雪山リベンジがしたくて早朝2時に起きるも二度寝をしてしまい、不覚ながら気がついた時にはすっかり朝になっていた。
窓から差し込む朝の光を見て、自分の不甲斐なさに苛立ち、更に窓の外に広がる快晴の空を見上げて「もし登っていれば、さぞ、最高の雪景色が楽しめたことだろ」と行かなかった(行けなかった)ことに激しく後悔した。
いつまでも落ち込んでいる訳にはいかなかったので、せめて近場の山でも登ろうと、県内の低山巡りをすることにした。
目的地は以前から気になっていた「小町山」。
「小町」とは本来その町一番の看板娘(美人さん)を指す言葉だが、一般的には「小野小町」そのものを指すことが多い。勉強不足で自分も知らなかったが、実は茨城県と小野小町は縁(ゆかり)が深く、晩年は茨城県土浦市(小野地区)で亡くなったらしい。そんな関係から、小町山と言う名前も小野小町から由来しているようだった。
ちなみに、登山の起点となる「小町の館」は、小野小町の茨城県との繋がりを伝承するために建てられた資料館(?)らしい。
かなり出遅れたが、身支度を整えて国道6号線をつくば方面へと走る。途中、フロントガラスから、青空に映える双耳峰の筑波山が、得も言えず美しく見えて、「登りたい!」と強い衝動に心動かされそうになったが、なんとかハンドルを握りしめ8:30に小野の館へ到着した。観光客も含まれているようだったが、既に駐車場は満車の状態。小野山の人気が伺えた。
早速、ザックを背負い、ハイキングコースの看板に導かれるまま山へと入っていく。
最初に目指すは「朝日峠」。
登山口の手前で、人サイズの大きな赤鬼と青鬼が出迎えてくれた。何ゆえに鬼なのかは分からなかったが、日本昔話に出てきそうな、ほどよいおとぼけ感で愛くるしい顔をしていた。また、その横にはヒマラヤのベースキャプを模した色とりどりの旗が飾られていた。なんでも、楽しく登山をしてもらえるよう安全を願って設置したとか。これだけもで地元に愛されたファリー向けの良い山であることが伺えた。
登山道を登って行くと、最初に「水飲み沢」と書かれた看板が目に入った。しかし、その下には「ここの水は飲めません」と注意書きがされていた。「水場じゃないじゃん!」と軽くツッコミを入れ通り過ぎると、次に「顔洗いの水」と書かれた看板を見つけた。看板の横にはパイプがあり、勢いよく水が流れ出ている。「冷たいかな?」と試しに両手で流れ出る水を掬って飲んでみたが、お世辞にも美味しいとは思えなかった。それもそのはず、その水はおそらく先ほどの飲めない水場と同じ水源のものと思われる。確かに飲まない方が賢明だと思った。笑
そこから直ぐのところに次のスポット「グーの木」と書かれた看板があった。
見ると確かにこぶしを握り締めたような形をしたコブ付きの樹があった。ちょいちょい観光スポット的な小ネタを織り交ぜて来る山だ。
クスっと笑いが出て、気がつけば雪山に行けなかった不機嫌さもどこかへ消し飛んでいた。
10:10、朝日峠駐車場に到着。
峠の走り屋が集まる休憩ポイントにもなっているようで、駐車場には大きなマフラー音を響かせながら、派手な車が何台も出入りしていた。
駐車場からの眺望を写真に収めて引き返す予定だったが、奥の方に朝日峠展望公園「やすらぎの森」の看板が見えたので、足を延ばしてみることにした。
展望台と呼ばれる芝生に包まれた小高い丘の上に立つと視界が開けて最高の景色が見渡せた。目の前には霞ヶ浦。太陽の光を受けて湖面が輝いて見えた。右手側にはこれから歩く小町山や少し離れた奥には筑波山も見えた。
目の前の芝生には、公園のものなのか小さな鯉のぼりが設置されていて2匹の鯉が気持ちよくそうに風に揺られていた。ひょっとしたら霞ヶ浦に泳ぐ魚をイメージしているのかも知れない。勝手な推測だが、ほのぼのとした光景で見ているだけでも楽しくなってくる。
登山に戻り、次の目的地「小町山」を目指して進む。
途中の分岐点で「おかめ岩」という看板が気になったので、100mほどルートを外れて行ってみた。小さな沢の上にせり出している巨大な岩。だだし、どうしても「おかめ」というかそもそも人の顔には見えない。昔の人の想像力に感心するものがある。岩の手前に解説があったので読んでみると、「小野小町の化身」と書かれていた。なぜゆえ小野小町がおかめにならなければならなかったのか?ますます謎が深まった。笑
ルートに復帰しようと分岐点まで戻ったところで、「おかめ岩」の看板下に「ハート石」と書かれた小さな看板に気が付いた。先ほどは「おかめ」に目が行き見落としていたようだった。そのハート石の看板の下に子供の頭大くらいの石が置かれていた。微妙すぎて一瞬意味が分からなかったが、どうもそれがハート石らしい。どう見てもハート型には見えなかったが、「山屋たるもの常におおらかな心であれ!」ということか。
小町山へ向かって進んでいくと、今度は「木を食う木」と「よろこぶ」という2つの変木ポイントを通過した。「木を食う木」は成長過程で他の木を幹に取り込んでしまったたまにある現象で、どちらかというと「木を咥えた木」という印象だった。個人的にツボだったのが「よろこぶ」。先程の「グーの木」と同様、大きなこぶがついているだけの樹だったが、これはネーミングの妙だった。
この2つのほのぼのポイントが終わると、今回の登山で一番の急登ゾーンに突入する。
低山と舐めていたが、なかなかの急斜面で足が止まりそうになった。
登り切ったところにある「女坂展望台」で息を整える。ベンチが設置されていて休憩もできる眺望良し!の素敵な場所だった。
その女坂展望台からわずか1分で小町山の頂へ到着。10:52。
標高361mと書かれた看板の向こうに筑波山がよく見えていた。広い山頂で、ここにもベンチが設置されていて、何人かの登山者が早めの昼食を取っていた。
山頂のすぐ傍にある道を50mほど進むと、ハンググライダーの発射場があった。最初に立ち寄った朝日峠駐車場が見下ろせた。発射場だけあって、空に広がる解放感が半端なかった。ここもお昼スポットに最適な場所だと思った。
山頂に戻り、自分もお昼ご飯を食べようかとも思ったが、筑波山の手前に大きなアンテナの鉄塔が建っている山が見えた。見覚えのあるアンテナはまさにこれから目指す宝篋山。折角なのでお昼ご飯は宝篋山まで我慢しようと、再び縦走を開始した。
ほどなくしてあった「鬼越山」という看板の「鬼」という文字に誘われて、頂に立ち寄ったが、小さな頂にはベンチが一つあったのみで、期待したような鬼にまつわる祠の類はなかったのでそのまま通過した。
今回、ネットに公開されていた登山活動より軌跡をダウンロードさせて頂き、それを基にルートを作成してGPSにセットしているが、どうも「進入禁止(通信設備等が設置された林道がありゲートに注意書きがあった)」のエリアを通過しているようだったので、その部分は藪漕ぎしてコースを繋いだ。笹と藪なのであまりお勧めしない。山の中は私有地ではないと思うが、そもそもどの部分が禁止エリアなのかははっきりしなかった。
11:50、宝筐山に到着。
超人気の山だけあって、今日1番賑わっていた。やはり宝筐山は茨城県の山でもピカイチの眺望と言える。
霞ヶ浦がよく見渡せる場所に腰を下ろして、ゆっくりお昼ご飯を頂いた。
ぽかぽかと春陽気でつい長居をしてしまった。たまにはこんなのんびり登山も良いものだ。
宝篋山からは、もう下山するだけ。地図を頼りに森の中を進んでいく。鬱蒼とした杉の森だったが、誰もいないのが返って山を独占しているようでワクワクした。ただ、標識がないため迷いやすく、何回か道を間違え行ったり来たりを繰り返してしまった。
途中で「熊の石」と言う看板が目に入った。
最初はルートから外れるので、無視して歩いていたが、あまりにもあちこちに看板が設置されていたので、ここまで言わるのであれば「見ない訳にはいかない」と、来た道を戻って一見することにした。たまたま出会ったおじさんが、走って戻って来た自分を見て、道に迷ったのかと心配で声を掛けてくれた。「熊の石を見てきます!」と伝えると「たいしたことねえっぺ」と言っていたが、まぁ、確かに実物はどの辺が熊の石なのかは意味不明だったが、巨大な岩でどことなく神秘的で見応えはあると思った。
13:55、周遊を終えて小野の館へ帰着。
色々あったが、小ネタ的なスポットも沢山で、上機嫌で楽しく過ごせた良い一日だった。ありがとう小町山。





























