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東北の名峰五葉山

五葉山( 東北)

パーティ: 2人 (Yamakaeru さん 、ほか1名)

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行程・コース

天候

登山口へのアクセス

マイカー
その他: 船渡市と釜石市の境界付近にある「赤坂峠登山口駐車場」を利用。三陸沿岸道路の大船渡ICから向かうと、一部細い箇所はあるが舗装された林道で危険個所はない。50台以上収容できる大きな無料駐車場(未舗装)。トイレあり。登山口は、道路を挟んで駐車場の反対側にある。

この登山記録の行程

赤坂峠登山口駐車場(06:17)・・・赤坂峠登山口・・・賽の河原(06:57)・・・畳石(07:15)・・・8合目(08:11)・・・石楠花荘(08:29)・・・日枝神社(08:39)・・・五葉山(山頂・三角点)(08:57)・・・五葉山(日の出岩)(09:05)・・・五葉山(山頂・三角点)・・・石楠花荘(09:30)(休憩~9:40)・・・畳石・・・賽の河原(10:50)・・・赤坂峠登山口・・・赤坂峠登山口駐車場(11:18)

コース

総距離
約9.0km
累積標高差
上り約712m
下り約711m

高低図

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登山記録

行動記録・感想・メモ

東北紅葉遠征1日目「三ツ石山」と「松川温泉」を堪能して、すいた小腹を牛丼屋「すき家」で満たしてから、明日の登山に向けた拠点として「道の駅 釜石仙人峠」を目指した。
峠道を使いゆっくりと走ったとともあり、着いた頃にはすっかり真っ暗になってしまった。しかも、途中から降り出した雨がどんどん強さを増し、本当に明日は登れるのかと不安になるほどだった。
ともさんに迷惑をかけないようツェルト持ってきたが、この大雨ではずぶ濡れになってしまうと言うことで、ともさんの車に泊めさせて頂くことにした。シートを倒すとフラットになり快適だった。やっぱり車が大きいとこういう時に便利だ。
遠征に出てから2人ともほぼ睡眠をとっていなかったため、最初の数分は記憶があったが、最後は何を話していたかも分からないうちに眠りについていた。
4時に起床して、まだ薄暗い中、五葉山へ向かう。わずかな期待にかけていたが、無情にも雨は降り続いていた。それでも明るくなるにつれて気持ち、優しい雨になった気がした。このまま止んでくれとよいが。
蛇行した林道に身体を揺さぶられながら走り、赤坂峠登山口駐車場に到着。
普通、峠の駐車場棟とよくて10台程度だが、大型バスもゆうに数台は停めることができる大きな駐車場だった。五葉山の人気の高さが伺える。
五葉山は、岩手県住田町、釜石市、大船渡市にまたがり、北上山地では早池峰山(1,914m)やその横に位置する薬師岳(1,645m)に次ぐ高さの山で、海に近いことから山頂からは三陸のリアス式海岸が一望できるという。「五葉山」の名は、阿弥陀如来、薬師如来、観音菩薩、虚空蔵菩薩、愛染明王の五仏を祀ることから来たという説と、藩政時代に伊達藩にとって重要な山であったことから「御用山」と呼ばれていたことから由来するという2つの説があるようだった。
レインウェアを着込み歩き始める。ついでに傘もさしての二刀流。
登山口は道を挟んで道路の反対側にあった。
小さな鳥居をくぐり、いざスタート。
緩やかな登山道をゆっくりと登っていく。
登山道というより林道のような箇所もあった。
水平移動になるとようやく登山道っぽくなってくる。周囲の樹々がわずかに色づいていて綺麗だった。
ひょっとしたら三陸海岸が見えているのかも知れないが、真っ白で何にも見えなかった。これで、「五葉山の魅力はもう半減した」と思いながら登っていたが、実はこの後、五葉山の魅力あふれる実力に感嘆することになる。
登っていくといきなり開け、石がゴロゴロと転がる荒涼とした場所にやってきた。
名前を聞かなくても観ただけでピンとくる「賽の河原」。雨でガスっているため、雰囲気も申し分ない。本当に鬼もいそうで、「あの世」感満載だった。
緩やかな登山道に導かれるまま、更に進んでいくと、今度は森の中に公園のような空間が現れた。休憩ポイントのようで、椅子やテーブルも設置されていた。
奥の方に巨大な岩が横たわっている。五葉山見どころの一つ「畳石」のようだ。とんでもなく大きな一枚岩で、まさに畳サイズだった。
その奥にある木製の小さな鳥居をくぐり、登山道は斜面に向かって延びていく。これまで、正直、散策道みたいだったが、ようやく登山らしくなってきた。
「さぁ、登ろうか!」。ちなみに、畳石のところが四合目なので、まだまだ先は長い。
整った綺麗な森の中をひたすら登っていく。濡れた樹々の葉が瑞々しく、気持ちが良かった。静かな森の中を黙々と登る。こんな雨降り登山も良いものだ。
7合目で小休止。急登も一段落したようで、幾分緩やかになってきた。
少し進んだところに小さな祠があった。
7合目を過ぎるとツツジに加えて、シャクナゲが目立つようになってきた。春は、さぞかし綺麗な花が咲き誇ることだろう。
更に進むと、小さな鳥居と祠が見えてきた。先ほどの祠より少しだけ立派な感じだった。
8合目を過ぎ、いよいよ山頂に近づいて来た。登山道もほぼ水平移動。
樹木が切れて視界が開けた霧の中に、立派な山小屋が建っているのが見えた。
「石楠花荘」。
身体が冷え切っていたので、「休憩」の二文字が頭に浮かんだが、ここで暖をとると動けなくなってしまいそうだったので、先に山頂を目指すことにした。
シャクナゲの迷路のような登山道を進むと、広い頂が見えてきた。
木製の鳥居と石垣で囲まれた祠がある。「日枝神社」だ。
晴れていればここから三陸海岸が綺麗に見渡せるという。今日は心の目で見るしかなかったが、この霧が立ち込めた風景もこれはこれで素晴らしかった。
先ほど「頂」と表現したが、実は三角点のある本当の頂は日枝神社のまだ先にあり、また、最高地点は頂とは別に更にその奥位置している。
何も見えずただ肌寒かったが、折角なので行ってみることにする。
海岸線にある山だけあって、常に風にさらされているのだろうか。背の高い樹はなく、膝くらいの低いマツが群生していた。日本庭園のように見えた。面白い景観の山だ。
マツの間を縫うように歩いていくと、5分もしないうちに霧の中にぼんやりと頂の標識が見えてきた。正直、ピークと言うより真っ平な場所なので、山頂と言われてもピンとこなかった。
標識にあった解説によると東日本大震災で地盤沈下がおき、標高が1m近く下がったという。能登沖地震でも海岸線が1m動いたと言われているが、地震による巨大なエネルギーが三陸海岸に与えた影響は計り知れないと改めて思った。
山頂からは、北側に遠野の街並みとその奥に「早池峰山」が見えるという。見たかった風景だけに、視界を遮っている霧が恨めしい。
これはもう「いつか三陸海岸の景色と早池峰山を見るために、五葉山を再訪しなければならないな」と思った。
真っ平過ぎて、「本当にこの先に最高地点があるのか?」と思ったが、登山道に導かれるままに進んでいくと森に行き当たった。
中に入っていくと少し鬱蒼とした感じで、八ヶ岳を彷彿とするような苔ワールドが広がっていた。趣があってよい。
200m程進んだところで、巨大な石柱を見つけた。天を穿つような岩は、「日の出岩」というらしい。手前には小さな祠が祭られていた。
大きな岩を見るとつい登りたくなる衝動が抑えられなくなる。一番高い岩にも登れると思ったが、濡れているので無理して落ちて怪我をしてはいけないと、その周辺にある岩に留めて登ってみた。きっと、ここからも素敵な景色を見ることができるのだろう。
日の出岩の先はもう一つの登山ルート「楢ノ木コース」へと続いていくが、散策はこの辺にして石楠花荘へ戻り早めの昼食とした。
石楠花荘はとても綺麗な建物で、こんな場所で一夜を明かしながら山仲間と宴会が出来たら楽しいだろうなと思った。
結局、下山まで雨は止むことはなかったが、終始、楽しい登山だった。
正直、五葉山はロケーション的にアクセスし辛い場所にあるため、これまで候補には上がってこなかったが、登ってみて分かるまさに三百名山に相応しい、いやそれ以上に素晴らしい名峰だと感じた。晴れた日にもう一度チャレンジしたい。
かくして、東北遠征2日目の行程を終了。
その後は、「道の駅 さんりく」でお土産を購入してから、ひたすら下道で家路へと向かった。めちゃくちゃ遠かったが、三陸自動車道の無料区間のお陰でだいぶ楽ができた。

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みんなのコメント

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  • 一雨ごとに秋が深まるのですね 一山越えるごとに心が深まるような気持ちです

  • 東北秋の旅だね。

登った山

五葉山

五葉山

1,340m

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最適日数
日帰り
コースタイプ
往復
歩行時間
3時間25分
難易度
コース定数
15
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