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中央アルプス・空木岳(千畳敷から稜線を縦走)

( 中央アルプス)

パーティ: 1人 (好日山荘: 山口 英彦 さん )

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行程・コース

天候

■1日目:晴れ時々曇り ■2日目:晴れ

登山口へのアクセス

この登山記録の行程

■1日目
千畳敷駅→25分→極楽平→10分→島田娘→39分→濁沢大峰→74分→檜尾岳→102分→熊沢岳→69分→東川岳→18分→木曽殿山荘→84分→空木岳→11分→駒峰ヒュッテ泊
歩行:7時間12分 休憩:45分 合計:7時間57分

■2日目
泊駒峰ヒュッテ→15分→駒石(駒石山)→18分→空木平カール分岐点→28分→ヨナ沢ノ頭→8分→小地獄→10分→大地獄→32分→マセキ平→6→分尻無→21分→池山尾根水場→30分→タカウチ場(池山分岐)→19分→空木岳登山口駐車スペース→12分→空木岳登山道入口(第二取付点)→4分→空木岳登山道取付地点→33分→菅ノ台駐車場
山行:3時間56分 休憩:16分 合計:4時間12分

コース

登山記録

行動記録・感想・メモ

【コース状況】
■千畳敷~極楽平~檜尾岳
大きな危険個所はありません。極楽平~檜尾岳の稜線は緩やかです

■檜尾岳~熊沢岳
檜尾岳から少し下って登り返します。
岩場で両脇が切れ落ちた個所があり、歩行注意

■熊沢岳~東川岳
危険個所はありません

■東川岳~木曽殿小屋~空木岳
東川岳から大きく下り、空木岳へ向かって標高差400mを登り返します。
空木岳直下は急な岩場、鎖場があり、強風時、雨天時や岩が濡れているときは注意が必要。

■空木岳~池山~菅ノ台
比較的緩やかな尾根道で、登りも下りもそれほど足が疲れません。一部、やせ尾根や急峻な岩場がありますが、全体的に大きな危険個所はありません。

【感想・コメント】
先日、三ノ沢岳に向かったとき、檜尾岳、空木岳へ続く中央アルプスの稜線の美しさに惹かれました。
空木岳(うつぎだけ)はまだ未踏の山。

「日本百名山(深田久弥)」より
空木はおそらく植物のウツギから来たのだろう。三千米に近い頂上にはもちろんそんな落葉灌木はない。山の上部がまだ雪で輝いている頃、山麓ではすでにウツギの花ざかりである。その景色から来た名前かもしれない。

とても美しい山であるという話は聞いていたのですが、奥深いところにあり、これまでなかなか足が向きませんでした。
快晴が連続する土日、登山者がものすごい多いことを覚悟して1泊2日で、稜線を縦走して空木岳に向かうことにしました。

バス、ロープウェイで千畳敷に上がり、千畳敷から稜線を縦走して檜尾岳、熊沢岳を経て空木岳へ。空木岳直下の駒峰ヒュッテに泊まって、翌日、菅ノ台へ下山というプラン。
日帰りでも行けないことはないですが、1泊2日ならのんびり行けます。

この時期、菅ノ台の千畳敷に登るバスの始発は5時15分。
なんとかこのバスに乗りたくて、金曜日の夜、仕事が終わってすぐに出発し、途中2時間ほど眠って、3時半に菅ノ台に到着すると、なんとすでに100人ほどの登山者のバス待ちの列が。
手軽に登れる木曽駒・宝剣は大人気ですね。
すぐにザックを持って列に並びます。その後もどんどん列が続き、5時ぐらいにはもう列の最後尾が見えないほど。

臨時のバスが5時ごろから出発し、千畳敷に6時過ぎに到着できました。予定通りです。
天気は良いのですが、風があり寒いです。
稜線に上がると、西からの風がとても強く、体が流されそうになります。
檜尾岳までは快適な稜線歩きです。
東側には南アルプス、西側には御嶽山を眺めながら歩けます。

檜尾岳からは少し下って、登り返して熊沢岳へ。
熊沢岳という山の存在を初めて知りましたが、とても個性的な山です。
山頂には鳳凰三山のオベリスクのような岩の塔が立っていて、遠くからでもよく見えます。

振り向くと自分が歩いてきた縦走路と宝剣の頭が見え、とても気持ちいい。
そしてだんだんと空木岳が近づいてきます。
ただ、このあたりで寝不足のせいか頭痛がしてきてペースが鈍ります。
早く小屋について昼寝をしたい感じ。

東川岳からは荒々しい空木岳の姿が目の前に。
裾野が大きく、肩もしっかりしたとても堂々とした姿で、蝶ヶ岳方面からの常念岳の姿を思い出しました。

東川岳から大きく下って、木曽殿小屋に到着。
ここでお昼ご飯を食べて空木岳への最後の登りに備えます。
空木岳への標高差400mの登りは、ここまで稜線を歩いて披露した足にこたえます。

空木岳の頂上付近は岩で覆われていて、花崗岩の白砂と奇岩が織りなす姿はまるで燕岳のようです。
最後の岩場と鎖場がやや難所ですが、がんばって空木岳の山頂に到着。
千畳敷から休憩込みで8時間弱。
もっと早く行けると思っていましたが、意外としんどかったです。

空木岳のすぐ直下に駒峰(こまほう)ヒュッテという素泊まり専用の山小屋があり、ここに泊まります。
シュラフを持ってきたので3,500円。※シュラフ貸し出しはプラス1,000円
この山小屋の展望テラスからの景色がとても美しく、ビールを飲みながら今日歩いてきた稜線を眺めます。

ただ、この日はやはりすごい人で大盛況!
次から次へと登山者が入ってきます。
そんなわけで「今日はスペースは一人45cmで」ということ。
常に隣の人と体が接しており、寝返りもできない状態でしたが、寝不足と疲労のおかげでぐっすり眠れました。

翌朝は4時に起きて、空木岳の山頂でご来光待ち。
風が強く寒かった。ダウンジャケットを持ってきてよかったです。
南アルプスの甲斐駒あたりから朝日が昇ってきて、周囲をオレンジ色に染めていきます。
山の上で過ごす、朝のこの10分ほどの特別な時間がとても好きです。

少し行動食を食べて、5時半に出発。
駒峰ヒュッテから菅ノ台まで標高差約2000mの尾根を一気に下ります。
ただ、この尾根道がよく整備されており、とても緩やかで歩きやすい。
下りではかなりスピードを上げて歩けます。
登りも急登と呼べる個所がないので、気持ちよく登れそうです。
9時45分に菅ノ台の駐車場に到着。

空木岳は想像以上に素晴らしい山でした。
奇岩と白砂、ハイマツの緑に彩られた山頂。
標高が2863mとそれほど高くないため、その山容が麓から見えにくく、あまり多くの人に知られていないのが残念です。

山の様子も登山者も南アルプス南部の山の雰囲気を持っています。
アプローチもそんなに悪くないので、山頂付近に燕山荘みたいなステキな山小屋があれば、老若男女に大人気になりそうですが、このひっそりとした感じを維持しておいてほしい気もします。

中央アルプス南部の南駒ヶ岳、越百岳(こすもだけ)も近いうちに登りに行きたいと思います。

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