行程・コース
天候
晴れ
登山口へのアクセス
バス
その他:
荒川登山口まで車で行きそのまま駐車。そこからはタクシー(約8,000円)にて白谷雲水峡へ。
この登山記録の行程
【1日目】白谷雲水峡 入口(6:30)・・・ さつき吊橋~楠川歩道に入る(6:50)・・・ くぐり杉(8:00)・・・ 白谷山荘(8:05)・・・ 七本杉~苔むす森に入る(9:35)・・・ 辻峠(10:15)・・・ 太鼓岩(10:35)・・・ 辻峠(10:50)・・・ 楠川分れ(11:40)・・・ 小杉谷山荘跡(11:45)・・・ 翁岳ビューポイント(11:55)・・・ 大株歩道入口(13:10着~昼食 13:40発)・・・ 扇杉(14:05)・・・ ウィルソン株(14:15)・・・ 大王杉(15:50)・・・ 夫婦杉(16:00)・・・ 縄文杉(16:30着~16:50発)・・・ 高塚小屋(17:00)・・・ ★高塚小屋 テント場にてテント泊
【2日目】高塚小屋(6:00)・・・ 縄文杉(6:10)・・・ 夫婦杉(6:30)・・・ 大王杉(6:40)・・・ ウィルソン株(8:10着~8:30発)・・・ 翁杉(8:40)・・・ 大株歩道入口(9:10)・・・ 翁岳ビューポイント(9:20)・・・ 小杉谷山荘跡(11:20)・・・ 楠川分れ(12:30)・・・ 安房側ほとりで昼食(12:50着~14:00発)・・・ 小杉谷小中学校跡(14:20)・・・ 愛子岳ビューポイント(14:45)・・・ 荒川登山口(15:10)
高低図
登山記録
行動記録・感想・メモ
少し遅い夏休みを取り、屋久島に行ってきた。旅行であるわけだけど、その中で泊まり登山を入れ込んだ計画を立てた。
縄文杉を見にいこう、ついでにその森の中でテント泊して、満天の星を見ちゃおうか、という素敵プランである。
行程を調べると、トレッキングと山登りが半々といった感じであった。途中がトロッコ道を歩いたりするからだ。コースとしては、行きは白谷雲水峡から入り、太鼓岩に登ることに。ここの絶景に期待していた。帰りは、来た道を途中までは戻り、荒川登山口に出るルートにした。
とは言え、今回は山慣れをあまりしていないもえもえと行く事もあり、ガイドさんを雇った。彼は大阪出身の方で、鉄道と虫マニア、たまにネイチャーで駄洒落を交えるガイドさんだった。
小屋でのテント泊とはいえ、テントは彼が持ってくれたこともあり、40リットルのザックで行った訳で、とても楽チンだった。
9/10。屋久島に入った翌日の朝4:50から車で移動。
白谷雲水峡には、6:00に到着するも、すぐに大雨となる。
屋久島は、月のうち32日は雨。とか言うように雨が多いようで、あらららまじかよ。と思っていたが、15分もすると小雨に。最近、スタート雨男か?
ザックにレインカバー、レインウェアをばっちり着込んで、もう待てませんと、出発!
いきなりごつごつとした岩場に出る。憩いの大岩と呼ばれる巨大な花崗岩の密集地であった。岩場を登るのは面白い。七本杉のあたりから苔が増えてきて、もののけの世界が広がり始める。ここらへんから、景色が不思議になってくる。
霧のようなモヤのような、木と苔の道を進むと、すっかり晴れてきていた。
辻峠という少し高いところに着いた。ここから15分くらい登れば、写真でみたあの太鼓岩なのである! すっかり急な山道となった傾斜を、じっくりと登る。岩場に出たと思ったら、そこが大きな一枚岩の太鼓岩だった。
眼下には、まっすぐと白く伸びた安房川と一面の森。正面眺めると、黒味岳・宮之浦岳・永田岳の美しい稜線。あいにくガスってしまい一瞬しか山々は見れなかったのだが、100名山100番目の山・宮之浦岳に強く惹かれた。いきたいなー。太鼓岩はやはり山登りのそれと同じ達成感をもたらしてくれた。もーちょっと満足したりもしちゃった。
だけれども。
今回は、縄文杉を見に行くというもう一つのメインもあったのだ。切り替えて。辻峠まで戻って、また南方面へ進むことに。
小一時間ほど進むと、トロッコ道(楠川分れ)に突き当たる。ここから、1.5時間ほどはトロッコ道一本である。大株歩道入口で昼食をとり、また山道へ進む。ここからは杉たちも小杉に混じり屋久杉(樹齢1,000年以上)が混じってくる。倒木してしまった扇杉、博士の名前のウィルソン株、とても立派な大王杉、仲のよすぎる夫婦杉と過ぎる頃には、徐々に疲れてきたわけだけど、もうちょっとで縄文杉だよ~なんて言われると、馬力も出るわけです。縄文杉に着いたのは陽も落ち始めた16時過ぎ。ごつごつとしたその肌と対照的に、枝葉はまだまだ生気があり安心した。噂通りの大きな立派な木だった。ふうううと疲れも吹き飛び、いえーいなんて記念撮影とかしつつも、暗くなってきたので、歩いてすぐの高塚小屋へ急ぐ。
高塚小屋は、3段のロフトのようになっており、最大15名ほど入れるようだった。その周りには、テント場らしきものはあまり見えず、デッキにテントを張った。テントだけだと5張くらいしかできないのではないだろうか??
夜はガイドさんの手作りのチラシ寿司を堪能して、すっかり晴れた空を見上げると、やっぱりうじゃうじゃってくらいの星たちが瞬いていた。
視界は狭かったのだけど、首が疲れるまでずっと見上げていた。
翌朝、ごはんを作っているときには、鹿が降りてきた。チュッチュなんて呼んだけど、かるくスルーされてちょっと悲しかった。
2日目は、同じ道を戻りながら、楠川分れをまっすぐに進み、ひたすらトロッコ道をいく行程だ。山道の土や岩は、次にどこに足を置くか、なんてことを考えながら歩くので、実に退屈をしない楽しいときなのだが、同じたんたんとした道は、ちょっと疲れてしまう。さらに小さな小石というか砂利道などは、個人的には一番足に疲労を感じるのであまり好きではないんだが・・・
せめて木がいいよねと、枕木の上を歩くようにした。
1日目始まりの豪雨はどこへやら、すっかり晴天の旅に変わっていた。鳥が飛び虫が鳴く、風は木のにおいを運んできて、たまに会話をしたりして、まーた自然の中にいられるっていいなーなんてループさせていた。安房川の横に来たあたりで、ガイドさんがごはんを用意してくれた。エメラルドグリーンの川沿いでのパスタは、インスタントながら美味であった。
徐々にゴールに近づく寂しさを感じながらも、その達成感がじわりと沸いてきて。荒川登山口に着いたときには、やったねと手を打ち合った。割と距離もあったし、平気かなーなんて思っているところもあった山歩きだったから、このゴールは相当にうれしかった。
何よりも実際に歩いたんだよって事実を作れたことが、明日の小さな一歩になるわけなので。森の山道は、楽しく弾んでいた。一緒に歩いてくれてありがとう。
最後に。
この森の杉をはじめとする木々は、江戸時代・昭和30年代に伐採が盛んで、切り株となってしまっているものが非常に目に付いた。江戸時代のものは、斧のより高い位置で切られており、昭和の時代のものはチェーンソーを使ったことから、腰あたりで切られている。この切り株の多さには、行きも帰りの道中、時折悲しくなってしまう感情が何度も沸きおきそうになった。
ただ、この森はとても強く、生命力に満ち溢れていた。
切り株に、新しい木々の種が落ち、その位置で根を張り、二代目の木が育ってしまう。これは洋上のアルプスとも言われる、この山岳島ゆえの地形により、海からの水がそのまま山にぶつかり、雨となり蒸気となり、常に水の森として生き生きみなぎっているからなんだと思う。苔が多いことからもわかるように、切り株に着生した新たな生命は、土に根を張らずとも育つことが出来るようだ。こうやって、独自の世界をずっとずっと繰り返し長い時間延々と生き続けているのが、この森のすごいところだと感じた。
こんなすばらしい森はなかなかない。そして山道でもあるわけで、やっぱり今日もまた道を噛み締めるたびに幸せであった。
宮之浦岳や永田岳、モッチョム岳はいかにも魅力的だった。若いうちに是非登りたいな。
そして山だけではなく、コンビニもない不便なはずの安房の町も、とても安らいだ。移住する人がいるのもよくわかった。移住したくなったもの。屋久島はとても良いところだった。また来たいな。
10年後か20年後か。年取ってもまた二人で来たいな。なんつて。
フォトギャラリー:41枚
装備・携行品
シャツ | アンダーウェア | ダウン・化繊綿ウェア | ロングパンツ | 靴下 | レインウェア |
登山靴 | バックパック | スタッフバック | 水筒・テルモス | ヘッドランプ | 傘 |
タオル | 帽子 | グローブ | サングラス | 着替え | 地図 |
コンパス | ノート・筆記用具 | 腕時計 | ナイフ | 健康保険証 | ホイッスル |
虫除け | 熊鈴・ベアスプレー | ロールペーパー | 非常食 | 行動食 | トレッキングポール |
ストーブ | 燃料 | ライター | カップ |
みんなのコメント