革新的なライトアルパインブーツのヌバックレザーモデル／ラ・スポルティバ「トランゴ テック レザー GTX」

『山と溪谷』の巻頭記事「YAMAKEI HEADLINE PICK UP GEAR」では、毎号、旬な登山装備を紹介している。
2020年5月号で紹介したのは、ラ・スポルティバから発売の「トランゴ テック レザー GTX」。アッパーにヌバックレザーを採用したこのモデルは、アルパインブーツと軽登山靴、それぞれの長所がバランスよく落とし込まれているという。その魅力を紹介しよう。

文＝佐藤慶典
写真＝山田 薫

驚異の柔軟性をもつライトアルパインブーツとして話題になったトランゴ テック GTXに、ヌバックレザーのアッパーを採用したモデルが加わった。レザーアッパーになったことで重量は微増したが、足首まわりのホールド感やブーツ全体の剛性をより高めることで、トランゴ テック GTXと同様に軽快で安定した足運びが行なえる。

そもそもトランゴ テック GTXのコンセプトは、アルパインブーツに求められるグリップ性能と堅牢さを保持しつつ、長時間の歩行でも疲れにくい柔軟性を併せもった新しいアルパインブーツである。

そのため、アルパインブーツを履いたことがない人にも違和感が少なく、足首の可動域が大きいので軽登山靴のように扱えるというメリットがある半面、もう少し足首のホールド感を高めて安定感がほしいという要望もあった。こうしたユーザーの声に耳を傾け、アルパインブーツと軽登山靴、それぞれの長所をバランスよく落とし込んだ結果が本モデルだ。

峻険な岩場での歩行性能を高めたトランゴ テック レザー GTXと、他に類を見ない軽快な足運びができるトランゴ テック GTX。どちらも従来モデルに比べれば、軽量で柔軟性に優れるモデルだが、好みや目的に応じて選択肢が増えたのはユーザーにとってうれしいポイントだ。